企業インタビュー

グリー株式会社 企業インタビュー

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今回は、グリー株式会社の代表取締役社長 田中 良和 氏にお話を伺いました。GREEが成長を遂げてきた要因とは、マネジメントで力を入れていることとは、今後の目指していく姿とは…?

GREEがこれまで成長を遂げてきた要因は何でしょう?

世の中に新しいサービスや価値を提供してきたことにあると思います。

例えばソーシャルゲームの開発にしても、当初は「他のゲームサービスと何が違うのか?」、「そもそもそんなもの求められてないのではないか?」といった声もありましたが、それらを覆し、新しい価値を生み出してきました。

mixiやモバゲーと比較されることがありますが、何か意識していることはありますか?

他社のことはあまり意識していません。それよりも重要なのは、「世の中は何を求めているか?」ということを熟慮した上で、こだわりのあるサービスを創っていくことです。

そもそも他社の動向ばかり気にしていたら、「釣りゲーム」なんて作らないし、PC版アプリが主流の時代にわざわざモバイル版を作りませんよ・・・・・(笑)。

ですから今後新たにソーシャルゲームを開発する会社が現れたとしても、特に脅威だと感じることはありません。それ以上の脅威は、我々が思いつかないようなサービスを作って、世の中にイノベーションを起こすような会社が現れることです。

イノベーションを起こす瞬間というのは、他の会社と比べて自社のサービスがどうだということを考えている時ではなく、独自のビジョンを持って新しいサービスを創り出す時に生まれます。それを目指してきたからこそ、今日までGREEが成長してきたのだと思います。

ブログやQ&A等は既に他社でも提供されているサービスですが?

GREEのサービスを使ってない人から見たら他と同じようなサービスに見えることがあっても、当然我々は全く別のものだと思っているし、何よりもユーザーがそれを理解して受け入れてくれている。その結果が会員数1600万人以上(2009年12月末現在)という数字に表れています。

GoogleやFacebookにしても、世界初(の検索エンジン/SNS)ではありませんよね。どちらも他との違いを求められる中、革新的なサービスを生み出してきたから、世界最大のサービスになれたのです。

GREEも世界で初めてゲームサービスを作った訳でないのに実績を残してきました。
ですから今後はソーシャルゲーム以外の「芸能人ブログ」や「グリQ」といったサービスでも、必ず他との違いや、新たな価値を生み出せると考えています。

「GREE Connect」や「GREE Platform」のオープン化に至った背景や、既にプラットフォームをオープン化している他のSNSと比べた場合の強みを教えて下さい。


ここ1~2年の間で、ソーシャルアプリのマーケット規模が急拡大していますが、GREEのユーザーに対して自社単独で提供できるサービスには限界があります。 そこで、「GREE Connect(※1)」や「GREE Platform(※2)」のようなプラットフォームをサードパーティ(外部の開発者)に公開していくことで、GREEのサービスラインナップが増えて、ユーザーにとってより使い易く、便利で、楽しいサービスを提供できると考えています。

既に他のSNSでプラットフォームをオープン化した動きがありましたが、当社はもともとソーシャルゲームという言葉が日本に根付く前から他社に先駆けて開発・運営してきたノウハウがあるので、それを開発パートナーに提供することができます。

またGREEのユーザーがソーシャルゲームの課金に慣れた可処分所得の高い30代以上が40%以上を占めていることや、今後はゲームだけでなくさまざまな種類のアプリケーションの開発を進めていくことも強みとなるでしょう。

※1 「GREE Connect」・・・GREEのソーシャルグラフ情報や、更新情報を、外部のサービスや、スマートフォン等の各種デバイスから利用できる仕組み。
※2 「GREE Platform」・・・外部パートナーがGREE上でアプリケーションを提供できるようにする仕組み。

企業風土の特徴について教えて下さい。


年齢や社歴に関係なく誰でも新しいことにチャレンジできる環境が整っています。 グリーには、今までにも新入社員が、新たなサービス・ビジネスの立上げや、会社運営の仕組みを作ってきた前例があります。

大手企業の場合、若い社員が何か新しいことにチャレンジしようとすると障害が生まれてくるケースがありますが、グリーの中にはおもしろそうなことにチャレンジする人には積極的に責任・権限を与えることで、どんどん新しい芽が出てくるような風土が根付いています。

田中社長が社員のマネジメントで力を入れていることがあれば教えて下さい。

社員数が多くなり組織の規模が大きくなると、社内のコミュニケーションが希薄になったり、自分が担当する仕事の意義や成果が判りにくくなったりすることがあります。 そのため社内のコミュニケーションの活性化やモチベーションの向上に力を入れています。

例えば、誕生日会を催したり、上司との直接面談を設けたり、私自身も新しいサービスを企画するチームと定期的にミーティングを行ったりして、社員と直接話しをする機会を極力多く作ろうとしています。また、社長賞や、MVPなどの表彰制度もあります。今後さらに社員のモチベーションを高めるための仕組み作りも模索していきたいと考えています。

田中社長が目指す今後のグリーの姿とは?


グリーは「インターネットを通じて世の中をもっと便利で、おもしろくしたい」という考えを持った企業です。それを実現できるのであれば、サービス内容や形式には全くこだわりません。

例えば、Apple社はもともとPCの会社です。ところが今では音楽配信、携帯端末などへと事業を拡げていますよね。それはきっとその根底に、サービスの内容や形にこだわらず世の中に新しい価値を提供したいという思いがあったからこそ。

現在のグリーはモバイルSNSが中心の会社ですが、そもそも世の中でモバイルSNSが注目されるようになったのはこの2~3年のことで、それまでは大抵の人がこんなもの使わないと思っていたでしょう。しかし今はこれだけ多くの人に活用されている。
逆説的に言えば、今の時点ではそんなもの誰も求めていないと思われるようなものでも、5年後、10年後には、当たり前のようにみんなに使ってもらえるようなサービスを生み出していく。そういう点にこそ価値を見出していきたいですね。

そのために優秀な人材を採用し、常に世の中の変化を感じながら、絶えずイノベーションを続ける組織を目指していきたいと思います。

そのような組織を目指す上で、採用したいのはどんなタイプの人材ですか?

世の中のニーズや最新テクノロジー等の変化に対応し続けることができる人を採用していきたいと考えています。変化に対応し続ける人を私なりに言い換えると、高い目標を持って諦めずにチャレンジを続けられる人です。高い目標であればあるほど当然失敗が生じますが、失敗を踏み台に成長を続けられる人こそが、社会に新しい価値を生み出そうとしているグリーの原動力になれると思っています。

また変化の早いインターネット業界では、過去の成功体験が今後も通用するとは限りません。先輩からのアドバイスも常に必ずフィットする訳ではないため、誰かから何かを教えてもらおうという姿勢ではなく、自分で学ぶという習慣がある人が望ましいですね。

中途採用ではインターネット業界での実務経験を求めますか?


経験は無いよりあったほうがいいとは思いますが、それよりも重要なのは、新しいことにチャレンジし続ける姿勢です。

そもそも日本のインターネット業界は10年程度の歴史しかありませんから、ほとんどの人が未経験なのは当たり前。そのような未経験の人たちが努力して、知識や技術を一生懸命キャッチアップして作ってきたのが今の日本のインターネット業界です。

ですから多少経験が足りなくても、新しいことを吸収して、チャレンジを続けられる人のほうが成長の可能性は大きいですね。

今後も新たなサービスの開発や、SNSの機能拡張をしていく上で優秀なエンジニアの存在が欠かせないかと思いますが、エンジニアにとってグリーで働く魅力とはどんなところにありますか?

もともと私がいちエンジニアとしてGREEのサービスを作ったことに象徴されるように、グリーのDNAには、エンジニアの手によって世の中に新しいサービスを生み出していくんだという思いが組み込まれています。当社ではエンジニアにとって最高に働き易い会社とは何かということを真剣に考え、環境整備にも取り組んでいます。エンジニアにとって働き易い環境だからこそ生まれる新たなサービスやテクノロジーがあると思いますし、実際にこれまでソーシャルゲーム、モバイルサービスといった、ほとんどのサービスはエンジニア主導で生み出されてきました。

世界には、GoogleやFacebookのように全て自分たちの手でサービスを作ってきた会社がありますが、日本にはそのような会社は多くありません。そういう意味でグリーは、シリコンバレーにあるIT企業のような成り立ちや、カルチャーを持っている数少ない日本発の企業なんです。

では、どんなタイプのエンジニアを求めているのですか?


求めるタイプは2つあります。

1つは、純粋にテクノロジーを追求するタイプのエンジニア。現在のSNS等のサービスをよりスピーディに、スケーラブルに拡張できる技術のエキスパートです。そのようなタイプのエンジニアが、急速に成長を遂げてきたGREEのインフラやテクノロジーを支えています。

そしてもう1つは、技術をもとに新たなビジネスを開花させるタイプのエンジニア。サービスの企画段階から他のスタッフと一緒になって考え、プロジェクトをマネジメントしていくため、コミュニケーションスキルやビジネスセンスが求められます。

それでは最後に、グリーを志望される方にメッセージをお願いします。

「インターネットサービスを使って世の中に新しい価値を生み出す」、「まだ誰もやったことがないイノベーションを起こす」ことに興味のある方に是非来て頂きたいですね。またそのような高い志を持った仲間で構成されるいい会社を作っていきたいなと思います。変化の早いインターネット業界でチャレンジし続ける志のある方、新しいものを生み出し続けていく覚悟のある方にはいくらでも活躍できるフィールドを用意しています。

「会員数3000万人」、「海外展開」といった新たな目標を掲げるグリーでは、社員1人ひとりに求めるものは大きいですが、「新しい事業を作ること」、「会社を成長させるプロセス」に深く関わることができます。

本日はお忙しい中、長時間に亘りご協力頂き、ありがとうございました。

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グリー株式会社(東証一部上場)
設立
2004年 12月 7日
従業員数
1,530名
本社所在地
東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー
代表者
代表取締役会長兼社長 田中 良和
事業内容
・ゲーム事業
・コマース・ライフスタイル事業
・コミュニティ・メディア事業
・広告事業
・投資事業
※この記事の内容は取材当時の情報です。記載されている会社名、サービス名、役職名等は現在と異なる場合があります。
職業紹介優良事業者認定マーク
当社は、全国に約28,000事業所ある人材紹介会社の中で、厚生労働省が審査し、 わずか40社しか選ばれない「職業紹介優良事業者」に認定されています。
※平成26年(第一回認定):全国で27社のみ、平成30年:全国で43社のみ(第二回認定)、令和2年:全国で39社のみ(第三回認定)、令和5年:全国で40社のみ(第四回認定)
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