B-ing 2007年 4月4日SPECIAL号
(株)エリートネットワーク
カウンセリング事業部
杉本 勉氏
正社員を対象とする人材紹介業のエリートネットワークでカウンセラーを務める。担当する企業は200社以上。企業側の人材ニーズを知り尽くし、多くの転職希望者とのマッチングに成功している。
人気企業への転職が決まる人の共通点
●話していて楽しいと感じさせるキャラクターの持ち主
●ビジネス上の成功体験を持っている人材
●「仕事の報酬は仕事」と考えられている人材
今、有名企業への転職希望者が再び増加しています。また、インターネットを利用したサービスを提供する企業も依然として人気が高い。これらの企業の側も中途採用を活発に行っています。その理由としては、次の3つのタイプの人材が不足していることが挙げられます。それがつまり、人気企業が求めている層ということです。
まずは第2新卒層。採用基準は新卒とさほど変わらず、ポテンシャルが重視されています。次に30歳前後の一般社員クラス。この層に求められるのは即戦力であること。第2新卒層とは違い、何よりも経験が評価されます。最後は、弁護士や公認会計士などのスペシャリスト人材。M&AやTOB(株式公開買い付け)などの課題に対応できる会計、税務や法律の専門知識を持った人材のニーズが高まっています。
もうワンランク上の採用基準を設けている場合は、2つ以上のスキルを求められる傾向があります。例えば、実務スキルと語学力を併せ持って初めて選考の俎上に載れるということです。スペシャリストでも、「英語ができる経理担当」「中国語が話せる法務担当」といった具合です。
面接で企業側が最も注視するのは対人スキル。ビジネスマナーが備わっているのは当然ですが、「話していて楽しい」「一緒に仕事をしたい」と思われる人材が内定を得ています。面接でのやりとりでは、自然と人物としての総合力が問われるものなのです。
また、採用される人に共通していえるのは、成功体験を持っている点。「プロジェクトを成功させた」「業務改善に取り組み、増益に貢献できた」という実績がまずあり、それが転職の前向きな理由に結び付いていることが企業への大きなアピールとなるのです。それはつまりキャリアの棚卸しがきちんとできているかということ。過去・現在・未来を、一連のストーリーとして筋道立てて説明できる人が転職に成功しています。
人気企業に入社後、そこで活躍できる人材には、「仕事の報酬は仕事」という考えを持っている人が多いようです。つまり、よりやりがいのある仕事が得られることを報酬だと考えられる人が向いていると考えます。
また、志が高く、常に目標を人より高く設定しているような人材も活躍できる。「業界の近代化に貢献したい」というような目標も、大手や成長著しい人気企業であれば、ビジネスとして実現できる場合もあるのです。