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B-ing 2002年 4月3日号

B-ing 2002年 4月3日号
総力特集

何をやっても向いていない……
そんなあなたは再確認
「適職が分からない」
8つの原因

8つの失敗パターンから学ぶ 「適職が分からない」原因は何?

「適職」にとらわれていると、目の前にある「適職」を見逃してしまったり、「適職」に就くチャンスを逸することもある。読者の失敗事例から、「適職」が見つからない典型的な原因を探ってみよう。


ADVISER
(株)エリートネットワーク
今沢雄一郎氏

98年、正社員専門の人材紹介会社であるエリートネットワーク(https://www.elite-network.co.jp/)に入社。転職希望者とのカウンセリング、顧客企業の求人ニーズのヒアリングを一人で担当するスタイルで、転職者に対して満足の高い職業紹介の実現を目指している。


原因1 自分には向いている仕事がないと思う

こんな人はどこが悪い?
どんな仕事も継続し、一生懸命やってみなければ面白さは分からない

どんな仕事を経験しても面白くない、だから自分に向いている仕事なんてないと考えている人は意外と多い。また、適職が分からないという人もいる。このような人は、まず仕事に取り組む姿勢から、問い直すべきであろう。

「どんな仕事も、ある程度の期間継続し、一生懸命やってみなければ面白みは分かりません。こうした人たちは、どんな仕事に対しても、つまらないことや不満なことを探します。まずは一生懸命打ち込んでみる、そうすると、人より秀でていること、面白いと思うことがきっと見つかると思います」(今沢氏)

「仕事は仕事」と割り切ることもできるが、面白いと感じる仕事の方が、情熱がわき、そこに創意工夫や改善、アイデアも生まれる。つまり、より高い成果が挙げられる可能性が高い。「適職なんてない」と決めつけ、あきらめる前に、これまで仕事に一生懸命取り組んできたか振り返ってみるべきだろう。


原因2 「やりたいこと」ではなく「向いていること」ばかり考えてしまう

こんな人はどこが悪い?
「向き」「不向き」は人によって基準が違うので、こだわり過ぎないこと

人が「向いている」というのは、「仕事が手早い」「無難にこなす」「ほかの人と比べて秀でている」ことを意味する場合が圧倒的であろう。しかし、人に向いているといわれる仕事が本人にとってつらい場合もある。

「『できる』『できない』は客観的に判断できても、『向き』『不向き』は人によって判断基準が違うので、考えれば考えるほど袋小路に入ってしまいます。転職環境が厳しいとはいえ、未経験者可の求人が情報誌にたくさん掲載されているのですから、『向き』『不向き』ばかりを気にするより、強烈に『やりたい』と感じる仕事に挑戦するという考え方もあります」(今沢氏)

適職と巡り合った多くの人たちは、「向いている」という感覚より、「やりたい」という気持ちを重視している。その仕事が「適職」と思ったからではない。もし、「向いている」と感じる仕事がないのであれば、「やりたい」という気持ちから探してみよう。


原因3 「やりたい」だけで、適職に就けると思う

こんな人はどこが悪い?
趣味は納期も質も問われない。仕事ではその分野の知識以外にさまざまなスキルが求められる

「仕事を選ぶとき、『やりたい』という気持ちは大事ですが、『映画』が好きだから『映画』の仕事、『部屋の模様替え』が得意だから『インテリア』の仕事など、趣味が簡単に仕事になるほど、現実の転職は簡単ではありません。仕事としてその分野にかかわるような実績がない限り、採用されるのは難しいのです」(今沢氏)

趣味は締め切りや質など、いっさい制限はない。納期に縛られたり、高い質を求められても、「好き」といえるのか、自らに問い掛ける必要もある。また、仕事にするなら、その分野の知識、技術だけがあればいいわけではない。例えばインテリアコーディネーターであれば、インテリアの知識やコーディネートのスキルだけでなく、顧客のニーズをくみ取る力や、プレゼンテーションのスキルも必要である。仕事として携わる場合に必要な技術、スキルを調べ、自分のレベルを再考してみよう。


原因4 「適職」まで一足飛びにたどり着けると思う

こんな人はどこが悪い?
一足飛びに未経験の仕事に就くのは難しい。一歩一歩地道に努力する

「今の仕事と目指す仕事が全く関係のない仕事であれば、現実的にその仕事に一足飛びに就くのはとても難しいですね。まだ20代前半で、企業がその人材に高い潜在能力を認めればあり得なくはないですが、買い手市場の今、そうしたケースも非常に減ってきています」(今沢氏)

つまり「この仕事に応募しても採用されないから、自分にはきっと向いていないんだ」と判断するのも早計というもの。現実的にあり得るのは、同業種、同職種のアシスタントから地道に努力する方法だ。もし、全く違う分野に携わっているなら、目指す分野の仕事に少しでも近づく方法を模索するべきである。その仕事が合うかどうかは、結局やってみなければ分からない。「採用されない」と嘆くよりは、その分野に近づくように努力する、その分野に必要なスキルを少しずつ身に付けるなど、中・長期的な計画性が必要だろう。


原因5 資格を取得したり学校に通えば、即「適職」につながると思う

こんな人はどこが悪い?
資格取得や学校で知識を習得しただけでは採用に至らない

「転職のために学校に通ったり、資格を取得する人がいますが、それほど効果的でないというのが実感です。企業が必要とするのは、実務経験。その分野の実務経験がゼロであれば、学校で学んだ知識だけでは採用されないことが多いですね」(今沢氏)

未経験転職を目指すとき、すぐに浮かぶのは学校、資格。しかしそれが効果的なのは、実務経験があり、さらに上を目指す場合に限定される。

「例えば経理を担当していた人が、米国公認会計士の資格を取得すれば、評価が高まります。しかし、営業やSEがこの資格を取得しても、経理への転職にはあまり役立ちません」(今沢氏)

机上で学んだ知識だけでは、その人がその仕事でどれだけ成果が挙げられるか、判断できないのがその理由だ。学校への通学、資格取得を考えるのであれば、同時にその分野の仕事にアシスタントとしてでも携わる努力をしたい。


原因6 人がいう「適性」をうのみにしてしまう

こんな人はどこが悪い?
同じ職種でも会社によって求める人材像は違う。固定観念に縛られるな

「営業は外交的な性格でなければできない」「いわれたことをキッチリやるから事務向き」など、性格診断のように安易に「適職」をとらえている人は意外と多い。しかし、実際には口下手でも大きな成果を挙げている営業担当者もいるし、業務の改善、改革に積極的に取り組む事務職もいる。既成概念にとらわれて、実務経験もないのに「向いていない」と判断するのはもったいない。「同じ営業職でも、会社によって求める人材像は異なりますし、人によって成果を挙げる手法も違います。緻密な論理で顧客を説得する方法もあれば、人柄がモノをいう場合もあるのです。ですから、適職かどうかはその仕事に就いてみなければ分からないのです」(今沢氏)

ある仕事に興味を持ち、その仕事に取り組む意欲がわいてくる、生かせる経験や技術がありそうだと判断できたら、向き、不向きを気にせず飛び込んでみよう。


原因7 「適職」と「適社」を混同している

こんな人はどこが悪い?
仕事が合わないのとその会社の社風が合わないのを混同すべきではない

目指す仕事に就けたものの、成果が挙がらない、そんな人も多いようだ。

「同じ職種でも、会社によってやり方も違うし、評価の方法も違う。仕事自体が面白いなら、仕事が向いていないのではなく、社風が合わない場合もあります。今の環境でうまくいかない原因を探り、違う社風の会社に移れば解決できるのか、仕事が向かないのか、明確にしなければ、転職や移動など行動を成功に結びつけることはできません」(今沢氏)

会社の風土や経営者、従業員に親しみを感じて入社したが、配属された仕事が向かないこともある。

「社風も重要ですが、転職市場での判断基準は『その人がどのような経験を積んできたか』です。社風が合っても、仕事が合わないのであれば、早めにキャリアチェンジを考えて、異動や転職で成果を挙げられる仕事のキャリアを積むことを考えるべきです」(今沢氏)


原因8 「やりたくないこと」がある仕事はすべて「適職」ではないと思う

こんな人はどこが悪い?
「好きな仕事だけやっていたい」のは単なるワガママ。「どんな瞬間も楽しい」は幻想

自分に向いている職種であれば、どんな仕事も、どんな瞬間も楽しい、やりがいを感じるはずというのは幻想だと考えた方がいい。

「30歳位で転職が数回に及ぶ人がいます。ある仕事は『ここが合わない』、次の仕事は『あそこが面白くない』と、次々と不満を並べます。実際には、希望をすべてかなえる仕事などないのです。顧客に提案する資料作りのために深夜まで調べものをしなければならないこともある。長い会議に退屈することもある。それでも、顧客の喜ぶ顔を見るときやりがいが得られるのであれば、それは総合的に見ると『適職』だと思うのです。もし、好きなことだけやってやりがいを得たいなら、それは単なるワガママです」(今沢氏)

一つ一つの行動レベルで考えると嫌な仕事があって当然。いつも楽しいと思える仕事を探すのは、「青い鳥」を追いかけるようなものなのだ。


「満足」を見つけることが適職発見、獲得の第一歩

適職に至る道のりは、人によってさまざまである。「できること」を重視した人もいれば、「身に付けたいこと」を重視した人もいる。しかし、適職にたどり着いた人に共通するのは、皆「こうありたい」「こうしたい」という意思を持ち、どうすればそれがかなうのかを模索した人たちである。

「『こうありたい』『こうしたい』という希望が明らかにならなければ、どんな仕事に就こうと満足はできません。満足できないから『適職ではないかもしれない』という迷いが常に生じるのです。仕事においてすべての希望をかなえるのは無理ですから、『これ』と『これ』を満たせば満足できるという要素が何か、はっきりさせなければなりません」(今沢氏)

「向き」「不向き」は、残念ながら客観的な指標はない。他人が「向いている」といっても、自分がやりがいが持てなかったり、情熱を傾けられなければ意味がない。だからこそ「向き」「不向き」を追求するより、「満足」を追求する方が適職に出あえる確率は高いのではないだろうか。「満足」に出あうには、環境ばかりに不満をいうのではなく「仕事が面白くなる方法」を考え、自ら「適職」をつくるという姿勢も大切である。

※この文章は抜粋です。

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当社は、全国に約28,000事業所ある人材紹介会社の中で、厚生労働省が審査し、 わずか40社しか選ばれない「職業紹介優良事業者」に認定されています。
※平成26年(第一回認定):全国で27社のみ、平成30年:全国で43社のみ(第二回認定)、令和2年:全国で39社のみ(第三回認定)、令和5年:全国で40社のみ(第四回認定)
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