週刊ダイヤモンド 2000年 4月15日号
エリートネットワーク代表 松井 隆
中途採用マーケットの特徴は、一言でいえば若い人が求められている。なぜなら、成長している会社しか人を採らないが、今伸びているのはみな若い(平均年齢が低い)会社だからだ。そのような会社はマネジャー(管理職)も若い。当然、それより若い人でないとマネジャーは管理しづらい。また能力主義が浸透しつつあり、役職を任せる年齢も下がってきている。
転職を考えるならば、セクター(業種)選びも大切だ。ニーズのないセクターのスキルがあっても、求人がないからだ。例えばゼネコンの施工管理をずっとしていても、建設業界に人材のニーズがなければ転職の機会はない。新卒採用で業界選びを間違っても、20歳代で転職するならばもう一度チャンスがある。
他社から雇われる能力は、若さとスキルの相関関係だろう。ただし、20歳代では若さのほうがウエイトは高い。スキルに関していえば、ダメな人は自分の専門分野の勉強をしていない。財務にいるならば、銀行の財務に勝てるくらいの知識が欲しい。営業だったら会社四季報に出てる会社を丸暗記するほどでないとスキルとは言えない。それがわが身の安全保障として必要なんだという認識を持つべきだ。