エンジニアtype 2008年3月号
(株)エリートネットワーク
カウンセリング事業部
今沢 雄一郎 氏
同じ「社内SE」でも、企業によって期待される仕事内容、求められるスキル・経験はまったく違う。自分がイメージする社内SE像とギャップがないかどうか、きちんと見極める必要がある―――と語るのは、正社員専門の人材紹介会社(株)エリートネットワークのカウンセラー、今沢雄一郎氏だ。
「パソコンの不具合対応やネットワークの障害対応などヘルプデスク的な社内SEから、ROIなどでシステム導入の是非を判断したり、事業企画やBPRに深く関与し、最上流工程を担うCIOまで、そのレベルはさまざまです」
転職先で手掛ける業務内容によって、技術者としての市場価値や将来の展望は大きく変わってしまう。社内SEという職種名だけに踊らされてはいけない。
「大まかに分けて社内SEの求人には3つのカテゴリがあります(図参照)。今までの自分の経験と、目指すカテゴリ上の業務との違いを認識することが大切です」
現在の自分が置かれた立場と求人カテゴリとの関係によって、転職時に有利な点・不利な点は異なる(図参照)。有利に働く点をうまく活かして、熟慮した上で応募する求人を選定するのが内定の秘訣なのはいうまでもない。
「どのパターンで転職するにせよ、社内SEへの転職で大きな武器となるのは『業界知識』と『業務知識』、そして得意とする技術です。金融業界にしても製造業界にしても、その業界のことを理解している経験者は歓迎されます。一方、SAPやOracleといった得意な技術をうまく武器にできれば、業界の壁を越えた転職も可能になります」
もし現在、SIerやコンサルティングファームで働いているなら、どの業界のプロジェクトを担当したことがあるか、そしてその業界と業界内容をどれだけ理解できているかがカギとなる。
「また、大企業を除いて社内SEは会社に数名程度というケースも多いので、上司や同僚との相性、企業風土に合うかどうかも選考では重視されますね。また、1人で何役もの業務をこなすことも求められるため、技術力に加えて柔軟な取り組み姿勢も求められます」
単純に技術者としての能力が高ければいいというわけではないのだ。その企業の社員としての適性が備わっているかが求められるのも社内SEの特徴といえるだろう。