日経金融新聞(2006年8月21日刊) 【転職市場を読む!】
|
金融各社は中途採用に力を入れている。特に26歳から35歳くらいの『空白年次』に関しては、非金融業界からの採用も盛ん。金融機関への紹介実績を多数持つ、東京・銀座の人材紹介会社、株式会社エリートネットワーク カウンセリング事業部の高橋寛部長に最近の動向を聞いた。
大手金融機関の場合、年間3けたの人数を中途採用している企業も多いです。各部門からの要望を単純集計すると各社300-400人の採用意欲があると推測でき、優秀な人材は各社で引っ張り合いの様相を呈しています。年齢層で言うと、新卒採用を控えていた年代に当たる26歳から35歳くらい、特に30歳未満を各社は望んでいます。
当社は金融機関の法人部門への紹介に特に強みを持ち、実績で言えば、非金融業各社からの転職者が半数近くを占めるようになりました。製造業、総合商社、コンサルティングファーム、IT系企業、流通業など、あらゆる業種・業界の人材を金融各社に紹介しています。業界の垣根を超えた転職を成功させるため、当社では転職希望者に対し、じっくりとカウンセリングします。1人ひとりの志向と企業風土との相性も踏まえ、確度の高い紹介ができていると自負しています。
実際の面接に臨むに当たり、転職希望者には志望動機やその根拠について、論理的に説明することと、志望する会社ごとに3時間くらいたっぷり時間をかけて、事前に自己PRの練習をすることを勧めています。一部の特殊スキルを要するバックオフィス部門を除けば、金融機関の面接は、インターパーソナルな能力、つまり、入社後いかに社内外と良好な人間関係を築き、折衝していけるかを見る場だからです。銀行・証券・生保・損保など、志望企業の各業界研究を積んでおくことは、言うまでもありません。
他業界から金融機関への転職に関心のある人は、情報収集の一助として、人材紹介会社の門をたたくのも良いでしょう。金融各社の実情に精通したカウンセラーのアドバイスで、転職成功の可能性が高まると思います。