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営業職の採用トレンド[09年12月~]
ビジネスの最前線に立ち、企業の業績を担う営業職。不況の今、何とか実績を挙げ、自社の売り上げ拡大に貢献してほしいと、その活躍に期待する企業は多い。そんな営業職の求人動向は、どのように変化しているのだろうか?転職市場の動向と求められているスキル、そして今後の見通しを、専門家に分析してもらった。
2009年12月 9日
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(株)エリートネットワーク |
<業界別マーケット動向>
昨年来続いていた求人数の減少には歯止めがかかったものの、「まだ復調とは言えないし、全体的にはまだ明るさは見えていない」(今沢氏)のが営業職の採用マーケット。その中、気を吐いているのが、医療・医薬品業界。医薬品のMR(医薬情報提供者)、医療機器の営業担当、どちらも求人ニーズは活況だ。
「景気変動の影響を受けにくいうえ、高齢化社会を背景に今後の成長も期待できるためです。業界経験者は売り手市場の状況にあるため、多くの医療関係企業は、異業界の営業経験者にも門戸を開いています」(山本氏)。
生命保険業界も、採用攻勢に転じている。個人顧客向けのサービス強化の流れと、不況を受けた保険内容の見直し需要を受け、外資系生保を中心に個人顧客のライフプランニングに関われる営業職を求めている。
それ以外の業界は、業界内での勝ち組企業、負け組企業の差が、より明確になってきているという。「独自のビジネスモデルを持ち、それがすでに軌道に乗っている勝ち組企業が、マンパワーを投じることでさらなる事業拡大を狙っています」(今沢氏)。また、「流通企業の一角が、店長候補として営業経験者を採用し、今までとは違う『攻めの店舗運営』を任せようとする動きもあります」(山本氏)。
<求められる経験・スキルと人材像>
基本的には「同業界での営業経験を持つ即戦力」が採用の中心。一日も早く、自社の売り上げ拡大に貢献してほしいと期待しているためだ。「同業他社で高い実績を挙げ、業界内での人脈も持っているマネジャークラス。入社後すぐに稼いできてくれると期待される人が求められています。そして最近では、その人の下で手となり足となり、フットワークよく動ける若手の需要も増えています」(今沢氏)。「手がけていた商材、営業先、営業方法。この3つの共通項があるほど、高く評価されますね」(山本氏)。
経験業界を問わず評価される項目としては、「新規開拓力があるか、結果を出しているか、セルフスタートできるか(自ら課題を見つけ主体的に動けるか)の3つ」(山本氏)という。特に「結果を出している人」に関しては、「この景況下でも結果を出している人は、実績を出すための動きができている人。営業として何らかの工夫を凝らしているはずだし、『売れる行動パターン』が体に染みついているはず」(山本氏)と高く評価されている。それだけ中途採用の営業職に対する期待が大きく、選考の眼もシビアになっているということだ。
「3つのキーワードをすべてクリアしている人であれば、他業界出身者でも評価されます。営業としての自身の強み、武器が何かを見極め、それが活かせそうな業界にどんどんアプローチすることが、転職を実現するカギになります」(山本氏)。