とらばーゆ 2001年 12月12日号
とじこみ特集
英語を使う仕事は高倍率であることが多いため、まずは書類選考を通過することが採用への第一歩。では、書類応募の際には、どんなことに気をつければいいのだろうか。正社員専門の人材紹介会社(株)エリートネットワークで、外資系企業のキャリア組採用を多く担当する岡田綾子さんに聞いてみた。
「英語を使う仕事の募集といっても、英語力や留学経験だけを評価して選考している会社はほとんどありません。だから書類で英語だけをアピールしてもだめなんです。ほかの職種と同じように、まず自分の経験やスキル、そしてやる気や能力をアピールする。それができて初めて、自分の身につけた英語が活きてくるんです」
「求職者の方には、『英語を活かしたい』とだけアピールする人が多いのですが、実際お話をお聞きすると、事務経験や接客経験など、希望職種に関連する経験があったりするんです。そこを履歴書でアピールせずにチャンスを逃してしまうのはもったいないですよね」
英語による面接で上手にアピールするコツを岡田さんに聞いてみた。
「英語の場合は、日本語では少し言いにくいようなことも、自信を持って断言していいと思います。英語を使ったコミュニケーションでは、きちんと言葉にしないと伝わらない。自分ができることや意欲を伝えることはもちろん、『笑顔で職場を明るくします』というような、自分の強みをどんどんアピールしていいと思います。また、忘れてしまいがちなのが、面接では『第一印象』が重要である、ということ。これは日本語の面接でも英語の面接でも同じです。英語にばかり気をとられていないで、面接官に与える印象も忘れないようにしましょう」
教えてくれた人
岡田綾子さん
(株)エリートネットワーク カウンセラー
10~24歳までアメリカで過ごす。ニューヨーク大学(NYU)心理学科卒業。現在は、(株)エリートネットワークhttps://www.elite-network.co.jp/で、外資系企業をクライアントに、正社員専門の人材紹介を行っている。求職者の英語スキルチェックも担当。
外資系企業の採用事情に詳しい(株)エリートネットワークの今沢雄一郎さんに聞いてみた。
「書類選考の場面では大きく評価されるTOEICですが、あくまでも目安にしかすぎません。スコアが高くても実際はあまり話せない人もいるし、逆に低くてもきちんとコミュニケーションできる人もいる。英語は使えるかどうかがすべてです。求めるレベルが高いほど、実際にインタビューや独自のテストなどでチェックする企業が多いです。ただTOEICのスコアが高ければ、『一生懸命勉強してきた』とか、『入社してから伸びるだろう』という評価につながるので、やっぱり有利ですね」
(中略)
では、せっかく学んだ英語を評価につなげるためには、どうしたらいいのだろうか? 前出の今沢さんに聞いてみた。
「英語力だけをアピールして合格しようというのは、非常に難しいんです。世の中にはネイティヴスピーカーレベルの人がたくさんいますから。英語だけにこだわりすぎず、自分の経歴や能力を冷静に考えてみることが重要です。例えば事務や接客の実務経験、コミュニケーション能力、やる気など、アピールポイントは英語以外にも必ずあるはず。それを見つけたうえで、プラスαのポイントとして英語力をアピールすれば、英語を活かせる仕事につけるチャンスは広がると思います」