非臨床試験とは、前臨床とも呼ばれ、いわゆる「動物実験」のことを指します。様々な大きさの動物を用いて、薬のデータを取得し、生体への基礎的な効果(有効性と安全性)を評価・証明するための科学的データを提供するものです。非臨床試験の結果、有効性が期待でき、安全性にも問題がないと考えられた場合にヒトで行うのが臨床試験となります。
非臨床試験には、薬物動態試験(ADME)、薬効・薬理試験、安全性試験(毒性試験)等があります。特に、毒性に関しては、非臨床試験の実施にあたって製薬メーカーが遵守すべきGLP(Good Laboratory Practice)という基準が定められており、この基準を基に「医薬品の安全に関する非臨床試験の実施の基準」という省令が定められています。以前は「前臨床試験」とも呼ばれていましたが、臨床試験開始後にも行われることから「非臨床試験」と呼ばれることが多くなっています。