産業用ロボットとは、工場などで労働者の代わりに作業を行う機械装置です。JIS(日本工業規格)によると「自動制御によるマニプレーション機能又は移動機能を持ち、各種の作業をプログラムによって実行でき、産業に使用される機械」と定義されています(特にヒト型である必要はありません)。
これらは用途によって分類されており、溶接ロボット、組立ロボット、搬送ロボット、塗装ロボット、検査ロボットなど様々な種類のものがあります。
工場内における作業を人間が行う場合、単純作業の繰り返し、重荷の運搬、危険作業など、肉体的な負荷が大きくなりますが、産業用ロボットを導入して作業を自動化することで、それらから解放され、加えて生産性向上、労働災害防止、品質の安定化が促進されるという大きな利点があります。
現在、自動車製造ラインや電子製品の組み立て過程では、作業の多くは自動化されており、工場全体をロボット化(ファクトリーオートメーション:FA)して、最低限の人員で運営している企業も多くなってきています。
日本では年間で約35万台の産業用ロボットが稼動しており、これは全世界で稼動している産業用ロボットの約35%にあたります(2008年度)。産業用ロボットは、今や日本のものづくりの現場になくてはならない重要な役割を果たしています。
【ロボット設計技術者に必要なスキルは?】
ロボット設計技術者には、大学や高等専門学校(高専)などで、工学系・電子系の基礎技術・専門知識を習得していることが求められます。活躍できるフィールドは、機械メーカーだけでなく、造船、自動車、電機・電気の製造ラインなどがあります。