日本では欧米に比べ、SE職の方々が就労しておられる会社の業態が、SIer、及び、ITコンサルティング会社と呼ばれる受託開発会社や外部からコンサルティングという形で業務を請け負う外注会社に著しく偏っている事実は、あまり知られてはいません。
就労人数は、SIer:自社内のシステム部門=72%:28%という比率です。
必然的に、一般事業会社内においては、社内SEが質量共に不足する状態があちこちの企業で生じることになります。
更に、昨今の経営全般に対するDX化推進の流れも加わり、一般事業会社内におけるSE不足、とりわけ優秀な即戦力のエンジニアや新しいプロジェクトを仕切れるプロジェクト・マネージャークラスの人材、ひいては、全社のIT化・DX化・セキュリティーも担うCDOやCIOに就任し得る人材を得るのに苦慮している企業は少なくありません。
この潜在的な理由は、日本におけるコンピューター普及の黎明期以降、SE人材を自社内で抱えると人件費の固定費増を招くという“古典的”なコスト削減を旨とする考え方に起因するものであります。
しかしながら、従前は、NTTデータ社やTIS社等に代表される大手の外注先のベンダーに発注していた事業会社自身が、事業環境の変化が早く、より高度な経営課題をより早くスピーディーに解決してゆかないと競合他社に劣後しかねないという危機感が強まり、結果的に、社内のシステム部門の拡充や戦力強化を図る目的での社内SE職の採用強化に変化してきたのです。
また、受託開発を請け負う企業側からの見積もり金額やプレゼン内容は、当然の事ながらより大きな金額での受注活動になびく傾向は避け難く、依然として発注元の事業会社のコストは下がりづらくなるという悪弊に気づき始めた企業も少なくなく、遥り戻しの意味も含め、外注から自前での内製化への流れは加速しないまでも当面減速する事はなさそうであります。
特定のベンダーに長期間に渡り、システム開発業務を丸投げし続ける事は、昨今注目される様になった「ベンダーロックイン」という問題の温床にも繋がりかねない事や、デジタル技術やDX化のノウハウが自社内にはほとんど蓄積していかないという今後の経営戦略にとって甚だ由々しき禍根を残すことにもなりかねません。
この様な現状を踏まえ、当社エリートネットワークには、数多くの上場企業や優良事業会社から、システムエンジニアに対して数多くの求人依頼が寄せられております。
実際に働き方の面でも、当社を通じてSIerから、事業会社の社内システム部門に転職なさったSEの方々の実際の勤務時間は、明らかに減少しており、恒常的に長時間労働が続く事は稀であります。働き方改革の面でも、この法則性?は、「発注主 対 外注先」という関係性からも証明出来ます。例えば、法律事務所の弁護士さんと、企業法務部門の社内弁護士の勤務時間。建築工事を請け負うゼネコンの現場監督と、発注する事業会社の施設担当者の勤務時間を比較しても、大まかに、上記の法則性が当てはまる様に思われます。
併せて、SIerのシステムエンジニアとして、お取引先企業での客先常駐という勤務形態故に、自らが所属する企業に対して愛着やロイヤリティーが持ち辛く、もっともっと自分を雇ってくれている会社自体の業務改善により主体的に関与したいという“愛社精神重視派”のシステムエンジニアの方々からのご相談が増えている点も付記させていただききます。
クライアント企業との太いパイプと採用実績・高い定着率で上場企業を中心に各業界の大手企業様から評価を頂いており、ハイキャリアの転職支援実績が豊富にございます。
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