松下電器産業株式会社
パナソニックAVCネットワークス社
映像ディスプレイディバイス事業グループ
デバイス技術グループ
商品設計タスク 原型開発チーム
吉田茂則氏
前職では、トヨタ自動車株式会社で、カーナビ用ディスプレイの電子回路設計を行っていました。現在は、プラズマディスプレイのEMC試験(Electro-Magnetic Compatibility電磁環境適合性試験)を担当しています。仕事内容としては、前職の方がレベルが高かったと思いますが、電子回路のレベルは松下電器産業株式会社の方が高いと感じます。将来的には、電子回路設計に携わりたいという思いはありますね。
シャープ株式会社、日産自動車株式会社にも、内定を頂いていました。その中で、松下電器産業株式会社は、プラズマディズプレイという最新の分野に携われることが魅力でした。また、面接においても、同じ目線で話をしていただき、一番本音で話しが出来たのが松下電器産業でした。最終的には、現場のトップの方の「体質を変えて欲しい」という言葉が決め手になりました。
優秀な人達ばかりで付いていけないのではないかと不安に感じていたのですが、電子回路の分野では前職と共通する部分が多いので、特に問題はありませんでした。ただ、車載機器と家電の世界では、考え方の違いがあって、戸惑いました。車載機器はとにかく品質に対する意識が厳しく、家電においては、納期を守ることが優先されるからです。徐々にこちらの考え方・方針も浸透させていきたいとは思いますが、新参者なので、なかなか簡単には意見は通りません。まず、自分の技術知識を認めてもらい、信用してもらうプロセスが必要です。こうした点においては、まだ古い体質が残っていると感じました。
一方、現在、松下電器産業株式会社では、事業責任者を明確にした戦略商品群のプラットフォームを設け、グループ全体から技術リソースを結集して商品化を加速する開発体制を構築しており、各商品群に対応する組織として、開発タスクフォースを設置しています。部課長不在の組織なので、20代後半~30代前半の若手にも権限が与えられ、イニシアティブを執って仕事ができる点にやりがいを感じます。
新しい開発体制になり、例えばディスプレイデバイスの開発タスクフォースにおいては、各分野の技術者が集まり、200人近い組織になっています。そうした中で、自分とは領域の違う技術者と連携して、仕事を進めていくので、自主性と交渉力が問われます。それこそ、はじめは「お前は誰だ」というところから始まりますから。特に、EMC試験は、電子回路設計、機構設計のどちらとも関わりがあります。電磁波を抑えるのに、電子回路設計の段階で抑えるのか、機構設計の段階で抑えるのか、どちらの方法も考えられるので、電子回路設計と機構設計の橋渡し役を担わなければなりません。両方の言い分・考え方を理解・考慮した上で、自分の方針を理解してもらう調整能力も必要となってきます。実際に活躍している人は「この人に言われたら断れないな」と思わせる人間性を持っている人ですね。
電磁波を抑えるに際して、どの段階で対策を講じるかによっても、様々な手段が考えられると思います。今後は設計段階から参画して、対策を提案していきたいと考えています。
面接は、どれだけ相手に自分を印象付けられるかがポイントになると思います。そのため、自分の売りにできる技術をひとつ持っていることが強みになると思います。技術的なことを聞かれた時、話を得意分野に持っていければ、よりインパクトのある話ができますから。あと、仕事を持ちながら転職活動を行う人は、一つの手段として人材紹介会社を利用することをお勧めします。特に、(株)エリートネットワークの担当カウンセラーの方は、こまめに電話で連絡をいただけたので、非常に助かりました。
製造業全体が、「安くていいモノを作る」一辺倒の規格大量生産から脱却し、デバイス・セット・サービスの相乗効果を発揮する新しいビジネスモデル・収益構造を持つ『超・製造業』への変革を迫られています。当社では、「重くて遅い」松下から脱却し、「軽くて早い」松下を目指し、2001年度から、3カ年計画「創生21計画」に取り組んできました。それに伴い、「商品別事業部制」から「事業分野(ドメイン)別体制」へ転換すべく、事業セグメントを従来の「民生」「産業」「部品」から「AVCネットワーク(映像・音響、情報・通信)」、「アプライアンス(家庭電化、住宅設備)」、「インダストリアル・イクイップメント(産業機器)」、「デバイス(部品)」の4セグメント、14ドメインに事業を再編。さらに部課制を廃し、変化に柔軟に対応できる開発体制を構築。若手がイキイキと仕事ができる環境が整ってきました。いよいよ2003年度は創造のステージ。DVDレコーダー、プラズマディスプレイ、SDカード(メディアカード)において、グローバルNO.1を目指すとともに、次期V商品として、全90品目を選定し、経営資源を集中、売上1兆2000億円を目指します。キャリア採用を行う目的は、現在、松下電器産業株式会社が行っている変革の速度を加速することです。そのため、今までの松下電器産業株式会社にない発想・専門性、何より「自分の専門性で松下電器産業株式会社を変えたい」という意識を持った人材にぜひとも入社していただきたいと思っています。
※この記事の内容は取材当時の情報です。記載されている会社名、サービス名、役職名等は現在と異なる場合があります。