2012年02月14日(火)
カテゴリー: コンサルティング IT企業訪問_ソフトウェア・サービス
クラウド分野のメールソリューションで業界をリード
IT業界では長らく、建設業界と同様に、大手SIerが受注元となり、そこから2次請け/3次請け企業が開発を請け負うピラミッド構造(ゼネコン構造)を形成していました。しかし、リーマンショックや、311 東日本震災といった、これまでの概念を覆すような出来事が次々と起こり、IT業界を取り巻く状況も一変しました。
非効率・高コスト体質なゼネコン構造の商習慣に疑問を感じ始めたエンドユーザー企業が、自前でシステムを構築・運用するのではなく、"クラウドコンピューティングへ"、という流れになってきています。IT業界も音楽業界と同様に、ただソフトを作って販売するという従来通りの流通形態では立ち行かなくなってきました。
当社はもともと、パッケージソフトウェア製品を開発し、それを大手SIerに採用して頂くというスタイルのビジネス・モデルでしたが、現在は時代の流れに合わせて、社内のリソースの半分以上をクラウドビジネスに注ぎ込んでいる状況です。2011年頃より、先進的な取り組みをする企業を中心に、受注額が劇的に増加しており、ビジネスは好調。営業スタイルに関しても従来は、代理店販売がメインでしたが、現在は新規契約の大半が直販へと変わりました。
クラウドコンピューティングを展開することによって、当社が求める人材像が以前とは劇的に変わりました。
営業に関しては、以前はSI・ベンダーの要望に沿った提案ができる人材(SIとの良好なパートナーシップを築ける人材)を求めていましたが、現在求めているのは直販の法人営業で力を発揮できる人材。
エンジニアに関しては、以前はクライアントとの調整や報告書作成能力など、技術力以外の部分も多くを求めていましたが、現在は、より純粋な技術力が求められるようになりました。更にクラウド分野は技術刷新が早いため、常に自分で最新の技術を学び、開発手法として取り入れることができること。しかも最新の技術書のほとんどは英文なので、それを翻訳するための英語力、といったことまで求められるようになってきています。
ただし、クラウドサービスはIT業界の中でも比較的新しい分野のため、最初からクラウドコンピューティングの技術を理解している人間などそう多くはいません。まずは既存ビジネス(パッケージ製品)を支えて頂けるような方を採用し、育成していきたいと思います。ご本人の能力や希望にもよりますが、ゆくゆくは、クラウドビジネスも支えていって頂けるような人材として育って頂きたいですね。
現在クラウド分野で主流となっているサービスといえば、Google Appsに代表されるメールソリューション。当社はGoogle Appsと連携したメールセキュリティ対策等、メール関連ソリューションに強みを持ち、ほぼ競合がいない市場でシェアを独占しています。
この分野で当社が強みを発揮できた理由は、当社がもともとメール(配信・セキュリティ対策)システムのパッケージ製品を開発していたこともあり、その技術をそのままクラウドに応用できたこと。
そして、当社が少数の組織であるが故に、他社に先駆けて一気にクラウドビジネスに舵を切ることができたこと、が挙げられます。
これらに加え、当社は独立系企業のため、何のしがらみもなく自由に、エンドユーザーにアプローチできる点も大きなアドバンテージとなっています。
現在当社では、「自社製品の開発に携りたい」、「独立系企業の中である程度裁量を任された仕事がしたい」といった想いを実現するために入社した者が多数活躍中。また応募者の中には、社長の小椋の経歴(※注1)を知って、Linuxの技術力を磨きたいと応募してくれる方も多くいます。
最近では、大手企業(SIやコンサルティングファーム)の内定を蹴ってまで、当社を選んでくれる方も多く、嬉しい限りです。
会社の特徴をひとことで表現すると、真面目で誠実な人間が集まった組織。ものづくりに取り組む姿勢や、社員同士のコミュニケーション、先輩から後輩への指導など、あらゆる場面でそのようなの特徴が表れていますね。
入社された方は、周囲に遠慮せずに、分からないことがあったら尋ねたり、先輩に教わりながら、スキルアップに励んで下さい!
※この記事の内容は取材当時の情報です。記載されている会社名、サービス名、役職名等は現在と異なる場合があります。