1999年10月に発表された再建計画「日産リバイバル・プラン」は、予定を1年早め、公約以上の実績を達成することで、2002年3月をもって完了しました。現在は、2002年4月より実施している、新たな3カ年計画「日産180」の達成を目指しています。「日産180」は、2004年度末にグローバルでの販売台数を100万台増やし、8%の連結売上高営業利益率を実現し、自動車事業の連結実質有利子負債をゼロにする、というものです。
計画通り販売台数を増加させるためには、開発から販売までの全プロセスにおいて人員を増強していくことが必要となります。そのため、日産自動車では、2003年4月以降、1年間で430名の中途採用計画を立てています。
まず、今も昔も、担当領域における専門知識や経験など、専門性が即戦力のベースとなることには変わりません。その上で、日産自動車で中長期的に活躍していただくために、国際感覚、多様性を求めたいと思います。ルノーとの提携により、ビジネスの規模が世界規模になってきています。そのため、グローバルな視野、広い視点で仕事をできることが重要になってくるでしょう。また、今後も、日産自動車はどんどん変化をしていきます。現状に留まりたいと考える人には逆につらい環境だと思います。変化を自己成長の絶好の機会と、前向きに捉えられる人、多様な視点、多様な価値観を受け入れられる人であるなら、今後、日産自動車の成長の原動力となって頂けるでしょう。
また、これは日産自動車に限ったことではないと思うのですが、転職するということは過去の蓄積のない環境に飛び込んでいくわけですから、チャレンジ精神がない人は難しいでしょうね。候補者の中には、事前に着任後の配属先の組織構成であるとか、細かなことまでも聞きたがる人がいますが、そのような人は環境の変化を恐れているわけですから、そもそも転職をしない方が良いのではないかと思います。
人材は一人一人「パッケージ」だと思っています。先程、専門性、国際感覚、多様性を備えた人材を求めていると言いましたが、「国際感覚に優れているから良い」とか「多様性を伺わせる価値観を持っているから良い」というような判断の仕方をするわけではありません。必ず、全体像での評価をするようにしています。そのため、同じ質問に対し、同じ言葉を返した人が何人かいたとしても、それぞれの評価が全く違うものになることも珍しいことではありません。
そもそも決まった人物像があるわけではないのです。リーダーシップのある人材を歓迎しているからといって、フォロアーのタイプの人であれば採用しないということはありません。その人の中に、日産自動車における役割や価値を見出せるかどうかが重要なのです。逆に、例え市場価値の高い、非常に能力のある人材であっても、その人が活躍できる場が日産自動車の中に見つからないと思ったら採用しないこともあるのです。
上司にだけでなく、同僚、先輩、後輩、他部署の関係者、関わる人全てから認められ、「あの人と一緒に仕事がしたい」と思われている人ですね。規模の大きな会社なので、自分一人の力だけでは、物事が前に進んでいかないんです。「このやり方がいい」と思うことでも一人で勝手に突っ走るのではなく、その価値観を周囲の人に浸透させ、同じ価値観を周囲の人と共有していける人が活躍しています。
第一印象は「アグレッシブでまじめな人材紹介会社」。情報を共有したいとのことで、初回から何人かのカウンセラーが大勢でいらっしゃって、ずいぶん熱心な会社だなと思いました。そして、(株)エリートネットワークの特長として、ヒット率が高いということがあります。紹介の際にスクリーニングをするのはもちろんのこと、登録の時点から、やみくもに人を集めてとりあえず登録させておく、ということをしていないのが想像できますね。
こちらとしては、要求する人材をいかに早く探してくれるかが重要なので、やたらと人数を紹介してくる人材紹介会社であっても、それはそれで良いと思っています。ただ、「この人を送り込めば、この会社は良くなるだろうな」と考えて、人を紹介する、そのスタンスのない会社とは、長期的なパートナーシップは築きづらいでしょうね。人材紹介会社との付き合い方として、信頼に足りる会社と太いパイプを築いていくことが理想ではないかと考えています。実績を積み重ねてもらうことで、こちらもより高い視点での要求を出していけると思いますし、採用活動を実りあるものにしていくために、お互いに率直な意見を言い合える関係でありたいですから。
その場の雰囲気でコロコロと考え方を変えようとしないことです。信頼が置けない人と判断されかねませんから。また、ご自分の価値観をきちんと持っていない人には不安を覚えます。新卒の時とは違って、社会人として何年か働いてきているのですから、少なくとも自分なりの就労観や職業観のようなものは持っていて欲しいと思います。