「トヨタグループの企業」と、「総合商社」という2つの顔を持っている企業です。
他の総合商社との一番の違いは、豊田通商の中にはトヨタグループのDNAが流れていることです。
そのことを表わす1つの例が、「現地 現物 現実」に基づく当社独自の仕事スタイルです。
「現地 現物 現実」とは、「現場に行って、自分の目で確かめて、ニーズを五感で感じ、ソリューションをお客様と一緒になって汗をかきながら提供する」 という行動指針です。
一般的に商社マンと言うと、アタッシュケースを持って世界中を飛びまわるというようなイメージをお持ちの方が多いかもしれませんが、当社はそのような側面だけでなく、現場に深く入り込むことをとても大切にしている会社です。
社長の清水はよく社員のことを 「作業着を着た商社マン」 と表現しますが、まさに当社のスタイルを端的に表わしていますね。
「売却ありきの投資はしない」 のが当社の投資姿勢です。
「将来この事業を売却した時に、どれくらいの収益を得られるか」 ということを目的とした投資は一切行いません。
あくまでも、お客様と我々が末永いお取引を継続することを前提としています。
社内では、事業投資のことを「婚活」に例えることがありますが、当社にとって投資とはまさに結婚のパートナーを見つけるようなもの。
長期にわたってパートナーシップを築きながら、お客様と一緒に成長していくのが当社の投資スタンスなのです。
トヨタグループ関連(車両・車両部品)の仕事を行う上では、名古屋に居なければ「現地 現物 現実」を体現できませんから、名古屋本社の社員が担当しています。
ただし、自動車以外の事業は東京本社にて推進しているものも多く、会社全体として非自動車分野の事業を伸ばしていくという方針があるため、人材の配置に関しても名古屋から東京へとシフトしています。
現在は名古屋本社と東京本社の従業員数の割合は6対4くらいで、キャリア採用で募集する職種も大半が東京本社勤務です。
一番大きなシナジーは、旧豊田通商と旧トーメンの事業領域の重なりが少なかったこともあり、お互いの商材や取引先を組み合わせた新しい提案活動ができるようになったことですね。
また、お互いの良い部分を学び、補完し合ってビジネスを展開できている点も挙げられます。
例えば、旧豊田通商は事業立上げ後の効率的なオペレーション運営に定評があり、一方、旧トーメンはゼロから新しいモノを生み出す企画力に定評がありました。
当時はそれぞれを「農耕型」、「狩猟型」と呼びましたが、合併したことによって、今までに無かったような発想をお互いに吸収し、上手くバランスをとりながら、ビジネスに活かせています。
全世界であらゆる領域で事業強化してゆくべく取り組んでおりますが、特に新興国。
その中でも、既に自動車の取引がある国などは、有力な地域と捉えています。
これらの地域は、今後も大きな経済発展が見込まれており、自動車以外の分野でも新たな需要が生まれる可能性があります。
ですから、ただ自動車を販売するだけでなく、現地で自動車の製造までできないか、あるいはその国が保有する資源などを第三国に輸出できないかなど、常に色いろな可能性を模索しています。
最近では、アンゴラ共和国での資源ビジネスや、カザフスタンを中心とした中央アジアでの農業を実現させるために、現地に社員を派遣したり、その国の政府の中央機関等に積極的に働きかけたりしています。
その国・地域の現地の有力者との人的ネットワークを築くことです。
当社はロシア国内において大規模なカーディーラー事業を展開していますが、それを成功させることができたのは、現地の有力者の協力を得られたからこそ。日本人が単独でできることには限界がありますからね。
当社では、自動車販売で実績のある新興国地域を中心に、中央政府関係者、外交官、企業経営者といった現地の有力者とネットワークを築くための活動にも積極的に取り組んでいます。
例えば、2008年5月に横浜で開催された「TICAD」(アフリカ主要国の首脳による国際会議)では当社の社員が裏方としてサポートしたり、ある国家のトップが来日した際には当社のオフィスにお招きし、その国のニーズについてヒアリングしたり、ディスカッションしたりするなど、様々なアプローチを行っています。
現在は、特にアフリカ、中近東、中央アジアの地域で強固なネットワークを築いています。
既に他社が手掛けている石油や石炭などのエネルギーよりも、レアメタル、レアアース、炭層メタンガスなど、まだ他社が進出し切れていない分野で実績を収めており、今後もそのようなニッチな分野から資源ビジネスの領域や権益を拡大していく方針です。
その上で強みとなるのが、当社はこれまでに新興国で長年の自動車貿易の実績で築いたネットワークを活かして、資源をはじめ、その他の様々な領域にも事業を拡げてきた歴史があること。
新興国を中心に世界中に自動車の大手取引先を抱えているということを考えると、資源ビジネスの今後の可能性は大きいですね。
『豊田通商グループウェイ』 のキーワードでもある、「現地 現物 現実」、「商魂」、「チームパワー」 を体現できるポテンシャルをお持ちであるかどうかを観ています。
具体的には、「現地 現物 現実」 とは、 机上で物事を判断するのではなく、現場に行って、五感で感じてソリューションを提供すること。
「商魂」 とは、ネバーギブアップの精神、進取の精神(新しいものに対する感度)が備わっていること。
「チームパワー」 とは、個人の力を最大限に引き出しながら、チームとして大きな成果を成し遂げること。
チームパワーが備わった人材とは、言い換えると、全体最適という視点から自分のミッションを理解して、行動に移せる人材です。
いま自分がやろうとしていることが、ひとつの事業だけでなく、全社の事業からみて、プラスになるかという考えを持って頂きたいし、実際に当社ではそのような考えに基づいて経営判断が下されています。
逆に、キャリア採用で入社したからには、「即戦力として成果を出さなければならない」と、過度に自分を追い込んでしまうタイプの方は苦労するでしょう。
自分の成果を出すのに焦り過ぎると、チームパワーの精神を忘れてしまいがちになりますから、そこは大らかに泰然と構えて頂きたいですね。
"人が財産" という考えに基づいた組織運営がなされています。
社員同士がお互いの意見や考えを尊重し合うことを大切にする風土があり、色いろな価値観や考えを持った人間がいるため、いわゆる大手メーカーっぽい雰囲気ではありません。
また社員は、チームで協力し合いながら、大きな課題を解決する姿勢(チームパワー)が求められますから、皆が横のつながりを大事にし、部署間の垣根が低いというのも、当社の良い風土だと思います。
それを実現するための人事施策として、当社は総合商社の中では珍しく、縦割りではなくセクターをまたいでのジョブローテーションを実施しています。
通常は総合商社に入社したら、単一の商品・サービスをずっと担当するケースがほとんどですが、豊田通商の社員には、特定領域の専門性だけでなく、汎用的なプロフェッショナリティも同じくらい求められます。
なぜなら、これから新しい事業をやろうという時のヒントやネタは、ひとつの業界の中にだけでなく、食糧業界とエネルギー業界の間にあるバイオエタノールやクリーンエネルギーのように、業界と業界の間、つまり “業際” から生まれてくることが多くあると思っているからです。
ですから、今後も広い視野を持って、全体最適の視点で、色んな分野に幅広くアンテナを張れるような人材を、ひとりでも多く育成すべく人事施策に取り組んでいきたいと考えています。
B/SやP/Lなどの数値や、貿易実務などのテクニカルなスキルを学べる研修もありますが、どちらかと言えば実践的なプログラムを多く提供しています。
例えば、入社3年目位の若手を対象とした、「イノベーションリーダー育成塾」 というプログラムがあります。
約半年の期間をかけて、様々な部門の社員から成るグループを作り、自分たちで新しい事業を考え、役員に提案する、という内容のプログラムです。
これはただの一過性のプログラムではなく、会社として経営陣が提案された新規事業案を実現可能か継続的に検討することもあれば、新規事業の立ち上げに向け、社員を人事異動させるケースもあります。
年に一度、社員全員が参加できるパーティがあり、チームの業績や、資格取得、社会貢献活動などを表彰する機会が設けられています。
そのパーティには、社長や海外の社員をはじめ、数多くのメンバーが参加しています。
また、キャリア採用で入社した方を一堂に集めて行う懇親会も催されています。
トーメンとの合併の際にも懇親会が行われましたが、色いろな社員の人となりや得意分野、強みを理解できて良かったという声が寄せられました。
また、社員同士の交流に対して会社が金銭面においても積極的にサポートしてくれるのも当社のひとつの文化です。
豊田通商は、他の大手総合商社と比べると規模的には大きくないですし、未熟なところもあるかもしれませんが、逆に言えば、それだけ伸びしろがあるということ。
自分が努力した分だけ、それが形となって数字にも表れ、全社に変化をもたらす喜びを得られるはずです。
そこに魅力を感じられる方に入社して頂けたら嬉しいですね。
一緒に会社をより良くしていきましょう!