当社は、IR (※1)・SR (※2) に専門特化した、日本最大のコンサルティングファームです。株主判明調査、議決権行使関連サービス、敵対的買収防衛・M&Aに関わるコンサルティング、そして証券代行まで、上場企業各社様からのご相談に応じて、資本市場に関する様々なサービスを提供しています。
現在、自動車・電機・不動産・製薬など、日本を代表するような大手企業様を中心に約500社もの上場企業様が、当社のクライアントになって下さっています。
グローバルな視点から見ると、日系企業各社様は、銀行からの融資に代表されるような間接金融に頼り過ぎていると感じます。優れた技術は持っていても、率直に申し上げて、とても資本政策に長けているとは言えません。『有事の際に海外投資家と取っ組み合いになるのは怖い』 というお気持ちもあるのかもしれません。しかし、株式上場しているということは、全世界に向けて開かれているということですから、グローバルスタンダードから逃げ続ける訳にはいかなくなってくるでしょう。
『日系企業各社様が、国内外含めた資本市場で戦い抜けるように、様々な支援をさせて頂くこと。』 これが私達の最大の使命です。
※1: Investor Relations の略。企業が株主を含む投資家全般に対して投資判断に必要な情報を提供するために行う様々な活動を指す。
※2: Shareholder Relations の略。企業が株主との信頼関係を築くために行う様々な活動を指す。
他のIRコンサルティングファームとの最も大きな違いは、大手証券会社等の金融系列に属さない独立系であるということです。しがらみがないことが、真に公正な活動を可能にしています。
多くの上場企業様に当社をお選び頂いている理由としては、“創業当初から世界中の投資家と直接コミュニケーションを行ってきたため、グローバルな視点やマーケットのノウハウが豊富であること”、“情報収集やデータ処理を外注せずに内製する自前主義を貫いていること” などが挙げられることが多いです。特に、後者を実現するためには、バックオフィス社員を自社で抱え充実させる必要がありますが、守秘義務を守り、きめ細かく迅速なサービスを提供するためには、絶対に必要不可欠な体制だと考えています。
はい。私の原点は、新卒で入社したIR専門の制作会社です。
『イトーヨーカドーグループさんがアメリカのナスダック市場に上場する (※3) ために必要な、情報開示 (ディスクローズ) の全てを請け負う』 という案件が、私の社会人になって初めての仕事でした。一番初めにして、最も厳しい仕事を任されてしまったと言ってもいいかもしれませんね。トップミーティングや現場への取材も行い、並行して、世界に名だたる投資銀行・監査法人・弁護士事務所の方々とのコミュニケーションも図りながら、必死に制作を行いました。
今から30年以上も前、まだIRという言葉自体が日本に存在しなかった頃の話です。
※3: 当時、(株)イトーヨーカ堂は東証第一部に上場していたが、更なる資金調達のため、国内では手段として存在しなかった無担保での借り入れ (転換社債の発行) を行うべく、アメリカでの上場を実施した。そして、この資金調達を原動力として、(株)イトーヨーカ堂は急激に店舗網を拡大させていった。
アメリカは、世界で最も厳しい情報開示義務の存在する国。しかも無担保 (信用のみでお金を貸す) となれば、それに値する企業であることを、尚更適正にディスクローズしていくことが求められる。
その後も、17年間にわたって、鉄鋼・電機・不動産・運輸といった日本の名だたる企業様のお仕事をさせて頂きました。私なりに、トップの方・現場の方・海外マーケットの関係者と密にコミュニケーションをとりながら、ディスクロージャーに真面目に取り組んできたつもりです。
しかしながら、日本が世界から “Japan as No.1” と持て囃されたバブル期に入ると、IR業界全体が、真の情報開示資料ではなく、“分厚いPRレポート” を作るという方向に傾いて行きました。日本の転換社債は飛ぶように売れ、言いすぎかもしれませんが、“見栄えのいいアニュアルレポートさえ作れれば、無担保でも資金調達ができる“ という時代になっていったのです。
この風潮に違和感を覚えていた私は、1997年に (株)アイ・アールジャパン に飛び込みました。私は、日本に初めてIRという概念を持ち込んだ前オーナーの鶴野を尊敬していましたし、どうしても 『当社を “日本に真のIRを伝える会社“ として認知されるようにしたい』 という大志を抱いたのです。
しかし、時は丁度バブル崩壊の真っ只中。 入社したものの、当社も仕事量が少なくなり、瀬戸際の状況でした。 IRというテーマでいかなる価値を提供していけば、会社として食べて行けるのか。徹底的に考えて辿り着いたのが、現在も当社の有力なサービスメニューとなっている “議決権” というテーマでした。
このテーマに取り組むきっかけとなったのは、当時から非常に懇意にしていた株主総会・株主対応のプロフェッショナルである青山 (現 常務取締役) から、「外国人株主の比率が高い日系の上場企業において、株主総会への出席者が定足数を割り、決議不能になりかねないという状況が散見される」 という情報を聞いたことでした。
調査を行ったところ、アメリカで既に議決権ビジネスを展開している企業があることを掴みまして、現地の視察などもさせて頂きました。当初はパートナー契約を結んでのビジネス展開を考えていたのですが、結局は、完全に当社独自の議決権ビジネスをゼロから立ち上げることとなりました。これは、パートナー企業の方法をそのまま輸入しても、世界的に見てもとてもきめ細かなサービスを求める日本企業に対しては、フィットしないと感じたからです。
今振り返ってみれば、これは当社にとって大変幸いなことでしたね。こうして日本初にして独自の議決権ビシネスがスタートしたのです。このサービスは、株主のブラックボックス化にお困りの企業様のニーズに合致し、クライアント企業様は爆発的に増えていきました。
海外投資家の方々との信頼関係は、日々の仕事に取り組む姿勢や、議決権や会社法の知識、日本市場の丁寧な解説などによって、一つ一つ築き上げていきました。
事業の立ち上げ当初は、夜中の3時に出社してニューヨークに電話をかけるようなこともありましたが、あちらの大御所企業のファンドマネージャーも粋なもので、081でかかってきた電話だと分かると忙しくても出て下さるんですね。 「あんた、そんな時間によく頑張ってるねぇ。」 と。
日系企業にとって海外株主はブラックボックスであったと申し上げましたが、実は、海外株主にとっても日系企業のコーポレートガバナンスはブラックボックスだったのです。それが、「アイ・アールジャパンの解説によって見えてきた。」 と言って頂けた時は、本当に嬉しかったですね。
2012年3月には、独立系の専門会社としては初めて第一種金融商品取引業者登録を行い、株主名簿の管理や配当金の支払い等を行う “証券代行業” も手掛けるようになりました。主に信託銀行が手掛ける証券代行業は、参入障壁の高い業界ではありましたが、2009年の株券電子化により、株券保管のための莫大なインフラ投資が不要になったという追い風もあり、40年ぶりの新規参入が実現しました。
証券代行業務のなかで上場企業が重要視していることの一つが株主名簿の作成です。従来は3週間もの時間を要しており、この点が上場企業の皆様にとって不満をお持ちになるポイントでした。私達は、この期間を大幅に短縮してご提供させていただくことを特長の一つとしております。他にも、株主対応業務の川上から川下まで一貫したコンサルティングサービスを持っているという強みを活かし、付加価値の高い、きめ細かいコンサルティングサービスの提供に努めて参ります。
長期的にはマーケットインテリジェンスをベースに、上場企業の皆様がお困りになること、必要とされることを全て解決できるような企業になりたいと考えています。また、提供できるメニューの拡充と並行して、海外進出にも取り組んでいきたいです。当社が事業立ち上げ当初から大切にしてきた “守秘義務を徹底して守ること”や、“きめ細かさ” は、日本国内のみならず、グローバルでも充分通用するものだと感じています。
会社全体として、「日本の企業や文化、ひいては国家はいかにあるべきか……」 といった根源的な問いと真剣に向かい合い、哲学と倫理観を持つことです。自らの哲学を持っていなければ、左右の陣営があった時に、どちらに与すればいいか的確な判断ができません。議決権は、支配権でもあり、誰のものにもなり得る力です。私達が判断を誤れば、その会社が買収されてしまうこともありますから、ブレない軸を持つことは非常に大切です。
日本の武士道、アメリカのフロンティアスピリット、ヨーロッパの騎士道といったように、どのような国にも、根底に流れる不変の規範が存在するものです。ですから、相手国の文化もよく勉強した上で、自分達もそれなりの高い精神性を持って臨まなければ、世界では通用しないでしょうね。
一言で言うと、“自由闊達” です。若いメンバーが多く、年齢に関わらず大きな仕事をどんどん任せていく文化です。昨今各メディアで大きく報じられた大企業の買収劇も30歳そこそこの者が担当しましたし、その他のシビアな大型案件も、概ね30代のメンバーが担当していることが多いですね。クライアント企業の皆様も、技術と専門知識で評価なさいますので、良くも悪くも年齢を勘案されることはありません。余談ですが、給与についても、他社と比較して劣ることはないと思いますし、登用も積極的に行っています。
フラットに近い組織ですので、決済スピードは早いです。午前中に決めたことが、午後成果物になって出てくるというテンポで物事が進んでいくことも珍しくありません。その分、密なコミュニケ―ションをとっていく必要はありますが、その日のうちにオペレーションにまで至る体制は誇れる点ですね。
そして、“言い出したもの勝ち”、つまり、手を挙げた人が任されるという環境であることも特徴です。 “歯車になれる人が活躍する” ではなく 、“主体的に周囲を動かしていける人が活躍できる” ということですね。 逆に、評価の透明性が高いので、 “会社にしがみつく” ことはしにくい会社かもしれません。 ですから、より当社にフィットする方とのご縁ができるように、採用活動には全力を尽くしています。
“グローバルに伍して戦い、日本を本当に変えていく”、という気概を持った方を求めています。現在お勤めの会社の規模やネームバリュー、ご入社時点での専門知識の有無は問いません。メーカー・流通・ITなど、金融以外の業界から転じ、活躍しているコンサルタントも多数おりますよ。
『もっと大きなステージで、チャンスと環境さえあれば、もっと活躍できるのに!』 という思いを抱いている方には、特にフィットするかもしれませんね。
フロント業務ですので、相手の懐に飛び込む法人営業を経験して来られた方もご活躍頂けると思います。 逆に、“最新の情報を学び続けていこうという姿勢”、“最低限の論理性と纏める力”、“英語をツールとして違和感なく使用できること“ は必要ではあるものの、思考・研究活動が主体のアナリストタイプの方は難しいかもしれません。
これまでのご経験の中で、“ぶち当たった壁に対して、食らいつくような姿勢で乗り越えたことのある方” は強いですね。その対象は、受験勉強であろうと、体育会の部活動であろうと、前職の業務であろうと、何でも構いません。また、食らいついていった結果が失敗であっても構いません。1つのことをとことん掘り下げようとした姿勢と精神力こそが大切なのです。
朝は、『日本経済新聞』、『Financial Times』 、『Wall Street Journal』 の3紙を、隅から隅まで徹底的に読み込みます。初めは 『日本経済新聞』 だけで手一杯になるとは思いますが、お客様や資本市場の状況を押さえるためには基本となる情報ですから、早いうちに全てにきちんと目を通せるようになっておきたいですね。加えて、前日に当社のリサーチスタッフが纏めた資料も読み込みます。
情報のアップデートが一通り済むと、次はそれを担当するクライアント企業様にお電話でお伝えします。 例えば、「このように会社法が変わりました」、「こんなルールができました」、「このような敵対的買収の事例がありました。お気をつけ下さい。」 といったことですね。大体1人当たり15社程度のクライアント企業様を担当していますから、ここまでで午前中が終わることが多いです。
午後になると、クライアント企業様に直接参上して、お悩みや課題をきめ細かく伺います。 また、新規にお取引をさせていただくきっかけとして、今迄お取引の無かった企業様にお電話させて頂くほか、弁護士や投資銀行などの方々からご紹介を頂く場合も多くあります。動き方としては、投資銀行の法人営業と似ているかもしれませんね。
会社に戻った夕方以降の時間帯は、ニューヨークをはじめとする海外関係者との連絡を行うことが多いです。
金融業界以外から転じていらっしゃった方には、まずは資本市場について一から勉強して頂きます。具体的には、教育講座として開講している “IRプランナー講座” というプログラムを受講し、IRプランナー資格を取得します。
基本的な事柄をマスターした後は、いよいよお客様と接していきます。勿論、初めは先輩社員も同行するので安心して下さい。少人数の組織で様々な業務を行うことになりますから、毎日真面目に業務に取り組んでいれば、2年ほどでクライアント企業様を担当できるレベルになるでしょう。キャッチアップの早い方であれば、1年少々で1人立ちできることもあります。
ナマの資本市場と向き合い、上場企業様と共に戦うダイナミックな仕事です。
“本当に日本を変えていく” という気概を持った方とお会いできることを楽しみにしています!