当社の前身は、1937年 (昭和12年) 3月に創業者・山本末男が大阪府の南、現在の松原市に創業した 「山本工務店」 に遡ります。創業者は周囲から 「大工の末さん」 と親しまれた腕の良い職人であり、そこから後に 「大末 (ダイスエ) 」 という社名が生まれました。
戦後間もない1947年3月、山本末男は 「株式会社大末組」 を設立して業容を拡大、1960年代には大阪証券取引所・東京証券取引所の第2部に順次上場し、更には第1部への上場を果たします。そして1970年3月には社名を 「大末建設株式会社」 に変更し、ゼネコンとして飛躍の時を迎えました。
その後、第一次・第二次オイルショックが事業に深刻な影響を及ぼし、更にバブル崩壊後の建設不況が長引く中、メインバンクである旧三和銀行の支援の下に経営改革に取り組みました。土木事業を縮小して建設事業に経営資源を集中させ、事業の再構築を行いました。その間、大手デベロッパー各社の分譲マンション施工で着実な実績を積み重ねた結果、マンション施工件数において第2位 (2000~2012年、三井住友トラスト不動産株式会社集計) という業界内のポジションを築き、再び成長への歩みを確かなものとしています。
そして今年5月、新中期経営計画 『 ACHIEVE DAISUE 80th 』 を発表しました。2017年3月の創業80周年に向けて、大末建設が全社を挙げて達成すべき姿を示し、事業方針と施策を定めています。30代・40代の社員で構成されるプロジェクトメンバーが中心となり、広く社員の声を収集した上で約半年かけて作成しました。
自分達の手で形にした中期経営計画を達成する為に、拠点や所属部署を横断して120名を超える社員が参加して7つの委員会を設置しました。各委員会はテーマに沿って現場を巻き込んで既に様々なアクションを起こしており、今では社員の間に 「計画を達成し、大末建設をもっと良い会社にするぞ」 という意識が共有されて来たと感じています。
マンション事業につきましては、長年の経験を通じてきめ細かく施工ノウハウを蓄積し、「コスト」 「工期」 「品質」 について、お客様である不動産デベロッパー各社に高い評価を頂けるようになりました。各社の要求に対する柔軟な対応力を強みとしており、最近ではマンション開発事業のより上流から参加し、当社が設計も担当して施工する物件が増えています。また、有望な土地の情報も積極的に提供しています。
当社の施工品質の高さの裏付けとして、マンション引き渡し前の内覧会に於けるエンドユーザー様のチェックで、ご指摘を受ける個所が非常に少ない事実が挙げられます。毎年デベロッパー各社から表彰頂く程です。当社では施工を担う協力会社グループ 「大親(だいしん)会」 を組織し、勉強会等の教育機会を充実させ、常にお施主様が求める品質レベルを意識して現場の職人さんの方々と共に技術・技能を高めています。
マンション以外の建設事業については、結婚式場や葬祭場を始めとする冠婚葬祭関連の施設に豊富な実績を築いてきました。この分野もやはり設計・施工をトータルで担当する物件が多くなっており、最適な土地を持ち込んでご提案する場合もあります。
冠婚葬祭関連の物件は、コストを抑えつつどこまで事業主様が思い描く意匠設計を形にし、できるだけ短い工期で完成させて施設を稼働させられるかが重要で、私共ゼネコンの腕の見せ所にもなります。決して無理のある工期で完成させる訳ではなく、お施主様のご要望があれば当社も関連各部署が一丸となって協力し、工期短縮を目指す体制を取り、実現して来ました。そうした積み重ねが信頼に繋がっているように思います。
リニューアル事業は、20年程前から独立した部門として展開して来ました。しかしドアノブ一つを交換する等の小規模なリニューアル工事もあり、なかなか纏まった業績数字が上げられない悩みがありました。しかし今、持続可能性が問われる社会で建築ストックの活用ニーズが高まっており、特に東日本大震災以降、耐震補強工事やリノベーション工事、またその前段階での建物診断等の受注が大きく増えています。
建設業は経済や景気動向に左右され易い業態であり、当社の事業もまた、常に市場に於ける建設投資の浮き沈みの直接的な影響を受けて来ました。
そこで今回の中期経営計画では、創業80周年を迎える迄の3年間に、外部環境に左右されない安定的な経営基盤を確立し、当社のステークホルダーの皆様に安心して頂ける自立した企業を目指す全社方針を定めました。より具体的には、マンション事業で安定的な収益を確保しながら、建設事業・リニューアル事業に於いて、3年以内に今以上に確固たる強みの構築を目指していく、という戦略になります。
マンション事業は、ともすると薄利になり易いコスト構造の中で、ほんの少しでも施工に瑕疵があると再度人員を投入して無償の補修工事を実施しなければならないリスクがあります。しかし、当社は品質面には揺るぎない自信があり、常に一定以上の受注量を維持する事で収益の柱とする事が可能です。更には収益性やデベロッパー各社との取引継続性を考慮して 、安定的な収益を確保していく計画です。
建設事業では、冠婚葬祭関連の施設や物流倉庫等、これまでの実績を活かして 「専門体制」 を構築し、営業・技術・工事が一体となりノウハウを蓄積、提案力を強化していきます。またリニューアル事業との一体営業を展開する事でお客様とのリレーションを強化し、新築からリニューアル迄の一貫体制を整えていきます。その上で既存物件のリニューアル後に新築物件の受注に繋げる等、長期的な視野に立った提案に取り組み、受注数の拡大を目指します。
私は1991年に新卒で入社して以来、一貫して事務屋畑を歩いてきたのですが、今年の3月に人事部配属になる迄のキャリアは、大きく営業部門と労働組合の仕事に分ける事ができます。
営業職としては、建設事業で主に大学等の学校関係のお客様を担当した後、マンション事業ではデベロッパー各社を担当しました。そしてリニューアル事業では幅広い業種のお客様の開拓に取り組みました。
3事業の法人営業を全て経験して、最も難易度が高いと感じたのは建設事業の営業でした。提案以前にお施主様の業務内容に関する情報の収集や担当者との関係作りなど、地道で時間のかかる営業活動が求められます。但し受注額は何十億円単位となる場合もあり、難しさに正比例する面白さがあって、大きなやり甲斐の味わえる分野だと思いました。私自身は、どちらかというと困難な仕事を工夫して達成するのに 「燃える」 タイプなのです。 リニューアル事業では、建設コンサルタント会社からリノベーション等のニーズに関する情報を入手しては不動産情報を持ち込みながら飛び込み、提案営業を繰り返していました。大阪発祥の大末建設のブランド力は西高東低でしたので、東京ではまず私という人間を知って頂く所から始めていました。更に既存の物件を見て、建物の構造上可能な工事と不可能な工事を判断し、その場で精度の高い見積りを出すスキルも問われました。いずれにしても、一から市場を開拓する難しさと面白さを味わう経験ができました。
延べ10年程在籍した労働組合では、最後の7年間は委員長を務めました。長引く建設不況で事業も非常に厳しい時代でしたので、仕事自体は精神的にとてもハードでした。少しでも従業員が働き易い環境を作ろうと、全国の拠点を回って現場の声を聞きました。当時を振り返ると、様々な問題が発生し、何度となく苦渋の選択を迫られることもありました。
労働組合時代、全国の社員の気持ちを自分なりに知る事ができました。その経験を踏まえて、当社社員の働き甲斐や、仕事のやり甲斐をより一層向上させたいと思っています。80周年に向けた中期経営計画の達成度・達成スピードを高める為にも、まず人材への教育研修を充実させました。
今年度から、新たに職種を横断した階層別の研修をスタートしています。別途、現場の施工管理技術者を対象にした技術研修や、営業職を対象にした営業研修のメニューを設けています。これまで当社では、現場のOJTで 「技術の伝承」 が十分機能していた側面があったのですが、良き指導者であった団塊世代のベテラン社員は既に大量退職しており、研修制度の拡充が急務となっていたのです。コンプライアンスは基より安全衛生に関する研修を含め、現在、毎月いずれかの階層の研修が実施されています。この研修をきっかけにして、様々な階層の社員が今の自分に不足しているスキルやスタンスを学ぶ事で、「自分はもっと成長できる」、或いは 「こうすれば若手は伸びる」 といった意識を持ってもらう効果と同時に組織の更なる活性化に繋がる事を期待しています。
「お客様のために」 という思いを強く持って、真面目に 「ものづくり」 に取り組む社員が多いと感じています。
そもそも創業者の山本末男は、「安全に 良い作品を 早く 正しく 親切に」 といった思いを大切にして仕事に臨む、プロとしての誇りを持った人物でした。この言葉は、現在の当社の経営理念である 「誠実・責任・挑戦」 に引き継がれ、生き続けています。現社長である日高 光彰はよく、「正しい事を、正しくやりなさい」 と話しています。
また今回、中期経営計画を若手メンバーが中心となって作成したように、またその後組織された各委員会に多くの若手が自発的に参加している事からも推察頂けると思いますが、年齢や肩書に関係なく何でも自由に話し合える風土があります。組織もピラミッド型ではなく、部長より下はフラットな文鎮型の構造であり、個人の仕事の裁量度は高く、やりたい事があれば手を挙げ、自ら行動を起こし、実現できる会社だと思います。とはいえ今、当社は通常業務だけでもかなり繁忙ですから、行動に伴うプラスアルファの時間を自分でマネジメントする必要はあります。委員会での活動も全て兼務で、皆さん忙しい毎日を送っていますが、「会社の為にみんなでやろう!」 といった前向きで熱い雰囲気を感じます。
現時点では技術系の総合職社員を主に募集しています。
施工管理技術者については、受注増で作業所の現場を任せられる人材が不足している状況です。工事の進捗・工程管理、品質管理、安全管理に責任を持ち、工事全体が滞りなく円滑に進行するよう管理できる経験者を求めています。何事にも粘り強く取り組むスタンスを持ち、社内外を問わず共に仕事をするメンバーとのコミュニケーション能力に優れた方で、1級建築施工管理技士、もしくは、一級建築士の資格をお持ちの方であれば当社での適応は尚早いと思います。
設備 (電気系) 施工管理技術者の若手にもご活躍頂ける場があります。電気工事に関する設計、見積り、作業所での電気設備の品質・工程管理をお任せできる方で、1級電気工事施工管理技士の資格をお持ちの方であれば、即戦力としてお迎えします。
また、先程お話ししましたように、現在当社では設計から施工までを担当する物件が増えていますので、設計部門で建築構造設計を担う技術者のニーズもあります。配筋の検査等を含み、物件監理ができる経験者で、構造設計一級建築士の資格をお持ちの方であれば手腕を発揮して頂けます。
人間関係がフラットでとても風通しの良い会社であり、社員が比較的若く、活力溢れる会社でもあります。大きな責任とやり甲斐を持って仕事ができる現場をお任せ致します。
施工管理の仕事では、作業所で大勢の協力会社スタッフに的確な指示を出しながら、安全且つスケジュール通りに工事を進め、他では真似のできない高い品質を担保します。ランドマークとして末永く地域に残る建築物の工事に最高責任者として関われ、ものづくりの醍醐味、楽しさを存分に味わって頂けます。
更に、お施主様からご自身のプロとしての仕事ぶりを評価され、喜んで頂けるという特別な体験もできる建設会社であると思います。
また当社は今、会社として大きな転換点を迎えており、これからの3年間にどこまで成長できるかが極めて重要になって来ます。ここでマンション・建設・リニューアルの各事業分野で強固な経営基盤を確立し、「新しい大末建設として80周年を迎えたい」 と社員一人ひとりが本気で願い、目の前の課題と日々向き合いながら取り組みを続けています。そんな仲間と共に、当社でしかできない 「良い作品」 を造ってみたいとお考えになる方々と、是非ゆっくりお話ししたいと願っています。