企業インタビュー

マブチモーター株式会社 企業インタビュー

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自動車電装、家電・電動工具、玩具、精密・事務機器、音響・映像市場に 「高性能小型直流モーター」 を提供し、世界シェア約50%を誇るマブチモーター株式会社。
今回はグローバル人事グループの吉田 年男マネジャーに、1960年代から推進する海外生産体制、独自の標準化戦略と強みの確立、新たな用途開発へのチャレンジ、中途採用の背景と求める人物像等について伺いました。

まず初めに、小型直流モーターに特化した事業で、幅広い製品分野に進出する貴社製品についてご説明下さい。


多岐に亘る用途がある同社の小型直流モーター

1954年 (昭和29年) の創立以来、製品カテゴリーを 「小型直流モーター」 一本に絞り、全ての経営資源を集中して技術を深化させ、自社モーターが組み込まれる最終製品の分野を次々に開拓してきました。
当初は模型・玩具市場からスタートし、家電・電動工具、精密・事務機器、音響・映像機器、そして自動車電装市場へと用途拡大を図っています。

現在、売上の6割強を占める自動車電装分野では、ドアミラー (鏡面駆動用、格納用)、ドアロック、ヘッドライト、ステアリングロック、パワーウインドウ、パワーシ―ト、パーキングブレーキ、シートベルト (ベルトプリテンショナー用)等々、多様なパーツの中でその機能を支えています。

家電機器分野では、ヘアードライヤー、シェーバー、歯ブラシ、掃除機等に、工具分野では、ドリル・ドライバーや丸ノコ等に、玩具分野ではRCモデル (ラジコン) 等に、いずれも駆動用モーターとして用いられています。

精密・事務機器分野では、インクジェット/レーザープリンターをはじめとして複写機・複合機(MFP)等の給紙・搬送・排紙、スキャナやトナー供給部、デジタルカメラのズーム用、自動販売機の商品出しの機構部分に小型モーターを提供しています。

音響・映像分野では、カーCDプレーヤー、DVDプレーヤーの他に、現在ではカーナビゲーションシステム、ヘッドアップディスプレイ等にも用いられています。

用途開発と並行して、貴社は日本企業としてはいち早く海外展開を図られ、グローバルな生産体制を構築されておられます。

弊社は創立10年目に当たる1964年、香港に100%出資の子会社を設立し、初めて海外に生産・販売拠点を設けました。

海外生産において日本の工場と同等の品質を担保し、お客様の求める数量を納期内に確実に提供するには、細かな手作業に適性を持つ安定的な労働力の確保がカギを握っていました。

その後、台湾、中国、ベトナムへと段階的に生産拠点を拡充し、「国際社会への貢献とその継続的拡大」 という経営理念を具現化しながらアジア各国への生産シフトを加速させます。
これらの海外子会社とは長期的な視野で共存共栄を図り、その国や地域で雇用の機会を広げ、ローカル採用の従業員を育成し、生産技術の移転や製品のマーケティングを通じて各国の経済発展に貢献することを目指しました。

また、弊社の特徴として、日本企業としては早期の海外展開を支えたビジネスモデル、弊社を大きな飛躍に導いた、現在においても開発・生産・販売の基幹となっている「標準化戦略」があります。
お客様ごとにモーターに要求される仕様が異なる中、ニーズの最大公約数を導き出して製品を 「標準化」 し、基本モデルを絞り込むことで生産効率を大きくアップさせ、コストダウンと生産の平準化、短納期化を実現しました。
更には各拠点の生産設備、工程、管理業務についても標準化を推進し、人の手で行う工程と機械で自動化できる工程のバランスを見極めながら、世界一の競争力を備えたグループ生産体制を整え、最適化を図ってきました。

一方で、海外拠点の役割を固定化せず、事業や市場を取り巻く環境の変化、拠点ごとの人材や組織力の成長に合わせて、柔軟に役割を転換してきました。
一例として、グループ初の海外拠点であった香港マブチも、現在では生産拠点としての機能は持たず、中国広東省にある複数の工場を統括的に管理する役割を果たしています。

長年にわたり世界トップシェアをキープする貴社のモーターには、どのような競争優位性があるのでしょうか。


管理本部 人事部 グローバル人事グループ
マネジャー 吉田 年男 氏

幅広い分野で製品内部に組み込まれるモーターは、振動やノイズの徹底的な低減等、求められる性能が多岐にわたります。

創業以来、小型直流モーターに特化して技術を深化させてきた弊社には、総合的な品質向上の決め手となる幅広い技術リソースの蓄積があります。
それに加えて、グローバルな生産体制を最適化しているため、コスト競争力が高く、お客様の最終製品リリースの計画に合わせて、スピーディー且つ大量にモーターを供給できる体制が整っています。
その意味で専業メーカーとしての総合力が高く、競合に対する強固な優位性になっていると思います。

社内の営業と技術部隊がチームを編成し、各国市場の最終製品メーカーのニーズをきめ細かく捉え、必要に応じて基本モデルを改良することで要求仕様を満たすモーターを提供しています。

弊社が戦略用途として位置付ける自動車電装用モーターの顧客には「地産地消による現地生産」の考え方が強い傾向があります。
また、弊社独自のものづくり革新により、その中心が「人」から「設備」へと変化していることに加えて、関税等の優位性を勘案し、2016年夏の操業開始を目指してメキシコに新たな海外子会社を設立しました。

グローバルな生産・供給体制の構築により、タイムリー且つ競争力のある製品の供給を可能にしていきます。

更なる成長に向けた今後の取り組みについて教えて下さい。


自然が多く、落ち着いた雰囲気の本社
(上:正門 下:本社外観)

事業分野については自動車電装分野の成長を加速させながら、事務機器や医療機器、移動体等の民生・業務機器分野における事業拡大にも積極的に取り組んでいます。
また、営業活動においては、日系メーカーや欧米系メーカー等先進国のお客様に加えて中国を初めとする新興国のお客様の開拓を一層推進していく計画です。

一方で 「ものづくり」 のスタイルも時代と共に進化が求められます。
かつてはアジア地域の価格優位性のある勤勉な労働力を活用し、多くの作業者を集めるライン構成が有効でした。
しかし、中国やベトナムも賃金水準は年々上昇しており、「人」から「設備」への生産革新が求められています。
一部の工程を統合し、生産設備も新たに自社開発して、例えば、これまで50人で作業していた工程を半分の人数で完了する、等を目指すものです。

弊社では、過去3年間で30%の省人化を実現し、今後3年間(2013年末基点)で更に30%以上の省人化を目指した設備開発を積極的に進め、より総合的に生産性を向上させ究極のものづくり革新を目指す活動を進めています。

吉田様はご自身のご経験から、貴社のグローバルビジネスを通じて味わえる仕事の面白さについて、どのように感じておられますか。


「工場の立ち上げ時から20年、25年と勤め上げた現地社員が、今では総経理や工場長といった要職に就いています。」

私は理工学部で管理工学を学び、海外拠点の多い弊社であれば自分も海外赴任が経験できるのではないかと期待して、1994年に新卒で入社しました。

最初に配属されたのは本社の生産技術部で、約2年間、海外生産拠点のサポート業務に携わりました。

次の配属は全く予想もしていなかった人事部でした。
まずは教育研修チームに所属し、人材育成について一から勉強を始めました。
その翌年から、成果主義の導入を目的に社内の評価・給与・資格体系を全面的に刷新する部内プロジェクトが動き出し、若手が 「人事」 という全体的な仕組みを体系的に理解する格好のOJTになりました。
その後、人材の採用、評価・昇進・昇格といった人事業務を一通り経験し、入社10年目に待望の海外赴任の辞令が下りました。
「香港マブチ」 への駐在が決まったのです。

香港では、社長室に相当する 「総経理室」と総務と人事を統括する 「総務部」 を兼務することになりました。
約5年間の駐在期間中、前半は総務・人事業務が多かったのですが、次第に 「総経理室」 の特命的なプロジェクトに携わる機会が増えていきました。

香港マブチは当時、中国広東省の6つの工場を統括していました。
各工場の課題を横断的に解決を図るプロジェクトは、広い視野で仕事ができる面白さがある反面、責任範囲も大きく、成果に結びつけるのは大変でした。
例えば、全ての工場で 「ローカル人材の定着を図り、しっかり育てよう」 とマブチ流の人材育成を浸透させようとしても、工場によって人事制度の運用が微妙に異なっているため、なかなか思うようにいきません。
週のうち4日は香港から広東省の各工場へ出張し、工場幹部と話し合いを重ねる日々でした。

そんな苦労はありましたが、同じグループ社員として会社の将来を真剣に考える現地の幹部と熱い意見交換ができたことで、弊社が目指す海外拠点の 「現地化」 が順調に進んでいることを肌で感じることができました。
このしっかりとした絆のためか現地幹部社員の定着率も比較的高いと言えます。
香港時代にも、企業文化として 「人を最も重要な経営資源と位置付け、仕事を通じて人を活かし、社会に役立つ人を育てる」 という理念が、ここにも根付いているんだな、と感じたことが何度もありました。
このように香港では、仕事を通じて地域社会に貢献するために自分なりの試行錯誤を重ね、小さいながらも手応えを実感する経験をさせて貰えたと思っています。

弊社が推進する全ての事業は 「国際社会への貢献とその継続的拡大」 という経営理念から逸れることはなく、マブチ社員が共有すべき行動指針にも明文化されているように、仕事を通じた社会貢献と自己実現を重ね合わせて捉える社員が多いと思います。
こうした考え方、働き方に共感できる人がグローバルに集まり、国や組織は違っても仲間意識を持って課題に取り組むことから、弊社グループの事業は持続的な成長を続けていくものと考えています。

現在、貴社で中途採用を強化される背景と、募集職種についてご説明下さい。


本社ギャラリー。製造している小型直流モーターや、実際に小型直流モーターが導入されている商品等が並ぶ。

お話ししてきたように、グローバル市場のお客様からの要望にお応えして既存事業の成長を加速させると共に、新用途の開拓に戦略的に取り組んでいく上で、営業部門と技術部門を中心に、間接部門を併せて総合職正社員の中途採用ニーズが生まれています。

営業職の仕事は、弊社のモーターを使用する世界各国の最終製品メーカーに対する提案型の営業です。
電子・機械部品メーカーでB to Bの営業経験をお持ちの方が最もフィットすると考えていますが、ご本人の法人営業スキルやポテンシャル次第では前職の業種を限定することはありません。実際、商社出身の方や最終製品メーカー出身の方も活躍しています。
グローバル市場のお客様に対する営業活動では、多くの社員が頻繁に海外出張をこなしており、ビジネスレベルの英語力は必須になります。

お客様からの様々なリクエストに応えつつ、自ら提案内容を工夫し、結果的に弊社のモーターが採用されることで大きな達成感が得られる仕事であると思います。
更に弊社では、自社製品に自信を持って営業できるのが嬉しいという声をよく聞きます。
専業メーカーとして技術を蓄積しており新しい製品用途が開拓できること、会社全体として業績が伸びていることも営業社員の仕事に対するモチベーションに繋がっているようです。

技術職では 「製品開発」 と 「生産技術」 に中途採用ニーズがあります。

製品開発部門では、小型モーターの設計、試作評価から品質に対するお客様対応までをお任せします。
海外市場のお客様のビジネスパートナーとして最終製品の開発プロジェクトに伴走しますから、当然ながら海外出張の機会が非常に多くあります。

生産技術部門では、電気と機械の知識を融合した 「生産設備の開発」、小型部品を構成する精度の高いプラスチック射出成型技術が求められる 「金型の開発」等 に中途採用ニーズがあります。
こちらは海外生産拠点への技術サポートに伴い、滞在1カ月に及ぶような海外出張の機会があり、将来的には海外駐在の可能性もあります。

間接部門については、社長特命のプロジェクトを企画から担う経営企画部門、既存の海外工場の建物と設備のメンテナンスと新設拠点の工場建設を統括する施設管理部門、海外拠点の人事制度の設計を担うグローバル人事部門で新しい仲間を求めています。

貴社ならではの社内の雰囲気や社風についてお聞かせ下さい。

国内の規模は1,000人に満たない会社ですので、アットホームな雰囲気を感じます。
のどかな風景の残る千葉県松戸市に本社を置いていることも影響しているかもしれません。
部署が違っても顔と名前が一致する環境で仕事ができますから、組織を横断してプロジェクトチームを立ち上げ、新たなゴールを目指す等の動きも非常にやり易いと思っています。

そもそも社員の定着率が高い会社であり、そうした家族的な社風は私が入社した20年前から、変わることなく脈々と受け継がれています。
中途入社の社員を含め、入社前に想像していた会社や仕事のイメージと、入社後の現実にあまり差がないという話もよく聞きます。
そうした裏表のないオープンな環境も、会社の業績そのものが成長基調で推移していることと相まって、定着率の高さに繋がっているように思います。

社員同士の絆、仲間意識が強いことに加え、社員のワーク・ライフ・バランスも人事部でしっかり管理しています。
とはいえ海外で新製品の量産を立ち上げる時期の技術部門は、出張者を含めて多忙になりがちです。
しかし、そこはお互いに顔の見える組織ですから、社員一人ひとりの残業時間等には人事部と上長が情報交換しながらきめ細かく目を配り、有休取得を促す等のケアを行っています。

福利厚生についても一般的な制度を整えていることは当然として、育児休業制度等の運用実績が伴っており、女性社員の平均勤続年数が長いことも付け加えておきます。

最後に、貴社を志望する方や、潜在的な候補者へメッセージをお願い致します。


「仕事を通じて社会に貢献したいと考えている方のご応募をお待ちしています!」
(本社前にて)

先程も触れましたように、「国際社会への貢献とその持続的拡大」 という経営理念を目の前の仕事の中で考え、実践していこうというマインドがとても大切だと思っています。
仕事を通じて自分はどのように社会の役に立てるのか、弊社では誰もがごく普通に自問自答しながら行動しています。
そこに共感できる人であれば、入社後に周囲に溶け込むスピードも速いのではないかと思います。

また、営業職、技術職を問わず 「チームで仕事をする」 ことが多いのも弊社らしさの一つであり、誰か一人のスター選手のパフォーマンスに期待するというより、チームで結果を出そうとするカルチャーがあります。
同じ部署の仲間同士もそうですし、営業と技術部門等組織の枠を超えた連携が日常的に行われます。更に海外拠点とのチームワークも求められてきます。

多様な人材との協調性だけでなく、チームのメンバーに刺激を与えてその気にさせ、みんなでより高いゴールを目指すようなスタンスがあれば、一層仕事が楽しくなると思います。

弊社に興味を持って下さった一人でも多くの方と、面接でお会いするのを楽しみにしています。

本日はお忙しい中、長時間に亘りご協力頂き、ありがとうございました。

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マブチモーター株式会社
設立
昭和29年 1月 18日
資本金
207億 481万円
上場証券取引所
東証1部上場
本店所在地
千葉県 松戸市 松飛台 430番地
代表者
代表取締役社長 大越 博雄
事業内容
小型直流モーターの製造販売
※この記事の内容は取材当時の情報です。記載されている会社名、サービス名、役職名等は現在と異なる場合があります。
職業紹介優良事業者認定マーク
当社は、全国に約28,000事業所ある人材紹介会社の中で、厚生労働省が審査し、 わずか40社しか選ばれない「職業紹介優良事業者」に認定されています。
※平成26年(第一回認定):全国で27社のみ、平成30年:全国で43社のみ(第二回認定)、令和2年:全国で39社のみ(第三回認定)、令和5年:全国で40社のみ(第四回認定)
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