当社は、石油化学プラント建設を主要な事業とする東洋エンジニアリング(株)を親会社として、1999年4月に設立されたITソリューション企業です。
もともと1987年に東洋エンジニアリングの一部門として 「産業システム事業本部」 が新設され、CAD/FA/CIM等のシステムをお客様ごとにスクラッチ開発することで製造業の生産・製造工程を支援してきました。その中で、新規ビジネスとして日本で最初の独SAP社のパートナーとなり、日本の大手製造業をお客様として、当時は黎明期であったERP (統合型の基幹業務パッケージ) であるSAPの導入支援に取り組みました。そして、総合電機メーカー様と大手製薬メーカー様における日本初の生産管理系のERP導入プロジェクトを成功させました。
その後、ERPを中心とした 「ものづくり」 を支援するシステムインテグレーション事業は順調に拡大、1999年に分社化し、ITソリューション事業に特化した東洋ビジネスエンジニアリング(株)として新たにスタートしました。
以来、SAP、OracleなどERPの定番であるソフトウェアを活用した大企業向けのソリューション事業と並行して、主に中堅企業を対象に自社開発のSCM (サプライチェーンマネジメント) パッケージ 「MCFrame」 等のライセンス事業を展開しています。製造業を中心とした経営課題の変化にきめ細かく対応しながら、幅広い業務領域でお客様のビジネス変革をサポートしてきました。
当社の強みとして、まず製造業の生産管理を熟知しており、またサプライチェーン全体を構成する本社、工場、取引先を横断する調達、開発・製造、ロジスティクスに至る一連の業務に精通している点が挙げられます。SAPなどの標準的なERPパッケージを活用しながら、お客様ごとに異なるニーズに合わせてきめ細かくカスタマイズする形で基幹業務システムの導入をサポートすることができます。
また、一品モノの設計・製造を行う機械工業や品質重視の製薬業等、特定の業種の基幹業務にも精通し、業種に固有のノウハウを活かしたシステム開発・導入ができる強みとなっています。
また、全てがプロジェクトとして推進する案件であり、プロジェクトマネジメントの力量が問われることは言うまでもありません。当社が参画するプロジェクトの大部分はプライム (一次請け) 案件であり、パートナーとしてお客様の意思決定に関与し、常に自分事としてプロジェクトを成功させる姿勢を貫いてきました。システムが無事稼働するまでには様々な困難と遭遇するものですが、どれほど大変な局面にあってもお客様と共に乗り越え、計画通りやり遂げることが、当社の社員一人ひとりにDNAとして受け継がれていると言えます。
もともとプラントエンジニアリング会社を母体とすることもあり、プライムパートナーとして案件にコミットし、誠実にやり遂げることを 「当たり前」 に感じています。当社の社員はそこにプロとしてのモチベーションを見出しており、また会社の設立以来、そのような強い当事者意識を持って開発プロジェクトに取り組んできた結果、ITソリューション企業として数多くのお客様から信頼を頂き、継続的な案件の受注に繋がっています。
ERPを中心としたシステムの導入は既に大企業ではほぼ一巡していますが、その一方で製造業は新しい経営課題に直面しています。例えば、グローバル市場での事業展開が本格化する中、複数の国や地域にまたがる海外子会社とのグループ連結での経営体制を確立する必要に迫られています。
これら製造業では、日々の生産管理は各製造拠点のERPで問題なく動いていますが、生産体制のグローバル化に伴い、グループ全体を俯瞰した生産計画から調達、製品開発、製造、デリバリー、更には会計処理が必要であり、グローバルなサプライチェーンマネジメントに対応したシステムの拡充・連携が急務となっているのです。
そこで現在、お客様の経営課題を出発点とし、お客様の目線で情報システムのニーズを捉え、ERPを核としてその上位・下位・周辺の階層でシステムをグローバルに拡充させていこうとしています。
また、2014年12月に(株)野村総合研究所、及び(株)図研との資本業務提携を行いました。野村総合研究所の持つ総合的なコンサルティング力、図研の持つ設計・製造支援ノウハウをSI企業としての当社の経営資源と融合し、お客様のニーズに全方位的に応えるソリューションの提供を目指していきます。
社内では 「トリプルハイブリッド」 と言っていますが、従来のERPを活用したシステム開発と 「MCFrame」 等の自社開発パッケージのライセンス事業に加え、3つめの柱としてクラウドサービスを充実させています。
今やSAP自体もクラウド対応していますし、現代のサプライチェーンマネジメントでは、一つの会社や拠点のみでクローズしたシステムではなく、取引先を含む各プレイヤーを繋ぎ、様々な規模の会社間でスムーズに情報をやり取りできるシステムが求められます。
こうした観点からも、クラウドサービスの拡充はサプライチェーン全体でのシステム導入を容易にするというメリットがあります。
現在、工場の設備と連携した製造管理システム (MES) や、業務ごと或いは拠点ごとに蓄積されるデータを統合して管理・分析できるマスターデータマネジメントシステム等、新しいソリューションの提供をスタートしています。また、自社開発する 「MCFrame」 等のパッケージについても次世代版への進化を目指した取り組みを始めています。
私は新卒で親会社である東洋エンジニアリング(株)に入社し、最初に配属された経理部で社内の経理システムの刷新を担当して以来、一貫してシステムに関与する業務に携わってきました。
そして入社7年目に 「産業システム事業本部」 に異動し、当時スタートしたばかりのSAPの導入支援プロジェクトを担当しました。
私は大手製薬メーカー向けのプロジェクトに配置され、プロジェクトリーダーを務めることになりました。私を含め、当時のチームメンバーは生産管理に関する知見はあったものの、SAPに触れるのは誰もが初めてでした。欧米の製薬大手は既に各社でSAPを導入していましたが、日本ではまだ導入事例はなく、お客様にとっても初めての試みです。このため、全員よく分からないままプロジェクトが走り出したというのが実情で、お客様と共に日々 「ああでもない、こうでもない」 と議論を交わしながら、一つずつ答えを出していきました。
プロジェクトを推進する過程では並々ならぬ苦労がありましたが、浮上する問題点をどんどんチーム内に発信し、共有し、建設的に議論を重ねていくと、ベストな方向性が見えてくることを学びました。
そして約3年後の4月1日、予定通りシステムが稼働した時には、SAPコンサルタントとして大きな自信を得て、これからも成長していける手応えを感じることができました。その後は、システムの拡充や改修に継続して取り組んだことに加え、他の製薬大手各社に対してもSAP導入を提案、現在に至るまでに国内ほぼ全ての大手製薬会社と仕事をする機会を得ています。
ソリューション事業部門の副統括本部長になった4年前からは、製薬業界だけでなく当社のソリューション事業全体を見るようになり、2年前には取締役を拝命、キャリア上の役割が大きく変わりました。ERPシステムの市場そのものが成熟し、リーマンショックの後遺症もあってシステム開発の収益性が鈍化していく中、持続的な収益創造の道を模索しました。事業計画を再構築すると共に経営資源を適切に配分する機能を持った部署を組織内に設置し、先に述べましたように、お客様の経営課題に沿ってより上流から、より幅広いソリューションを提供すべく、事業本部の方針をまとめました。
1990年代の初めに日本初のSAPパートナーとなったことが象徴していますが、当社は 「新しいもの好き」 な社風の会社です。世の中のニーズを先取りして新しい技術、新しい商品にいち早く着目し、組織として抵抗なく吸収していく柔軟性があります。
その背景には、一人ひとりの社員の意思が尊重され、誰もが 「こういうことがやってみたい」 という気持ちを率直に言える風通しの良さがあります。本人のやりたい意思が強く、周囲を巻き込む力があり、お客様に納得頂ければ、新しいソリューションが会社に承認されるのも早いです。
基本的に物事を前向きに受け止める人が多く、プロジェクトに入るとお客様と当社の区別をあまり意識しなくなり、ビジネスパートナーとしての礼儀はわきまえつつ、「同志」 のようになってしまうのも当社らしい所です。
社員は自分たちのこととしてプロジェクトを動かすようになり、自分たちが取り組むシステム開発の創意工夫がお客様の経営やビジネスにおける狙いと重なり、一体感を覚えながら仕事ができるという喜びがあります。お蔭様で各業界のトップ企業をお客様としていることで、ご担当者の見識が高く、技術者としても、ビジネスパーソンとしても、教えられることは多いです。
当社の競争力を高める上でカギを握る2つの職種、コンサルタントとプロジェクトマネジャーを求めています。
先程お話ししましたように、当社は現在、ERPを核にしながらその周辺の業務システムへとソリューションを拡大しており、SAPシステムの経験は一切不問です。
サプライチェーン系のシステムでは、グローバルSCMの計画立案から製造現場での設備連携までを含むシステムに関わってこられた技術者の方が、ご自身の経験を活かして当社で活躍して頂けるフィールドが数多くあります。前職はSIerだけでなく、製造業各社の情報システム部門でシステム導入等のプロジェクトを担当された方、製造現場でシステム化を推進された方も歓迎しています。
また、経営管理系の業務に精通している方や、会計業務に強くグローバル企業のグループ連結会計や、原価管理ができる方には、主にコンサルタント職で実力を発揮して頂けるプロジェクトが動き始めています。
いずれも前職でこれまでに培ってこられた知見や、システム化において達成された成果、プロジェクト推進でご苦労された経験等を活かして、東洋ビジネスエンジニアリングの社員として、多様なお客様に対して幅広いフィールドでソリューションを提供して頂くことが可能です。
プライム案件が多いので、お客様と直接話をすること、そしてお客様の意思決定に関与していく仕事に喜びを見出せる人がいいですね。プロジェクト単位で仕事をしていきますから、職種を問わず、プロマネ的なリーダーシップを発揮することも大切です。そして何より重視しているのは、周囲のメンバーやお客様に対して自ら発信していく姿勢、提案型の姿勢を持っていることです。
よって、プライム志向でお客様と直接仕事を進めたい人、チームでの仕事を志向する人、お客様の課題を起点に解決策を共に考えたい人がマッチすると思います。
今、当社には 「こういうパッケージがあるから導入しましょう」 といった商材ありきのスタンスでの提案はありません。これからは、今よりもさらに上流工程からお客様と関われるようになりたいと思っています。具体的には、お客様のビジネスの方向性や将来を見据えたうえで、課題は何なのか、それを解決するにはどういうシステムが有効であるのかをお客様と検討したいと思います。こうした上流工程からの提案型ソリューション提供は、既存のお客様を深耕していく方向と、新しいお客様を開拓していく両方の軸で戦略的に展開していきます。
また、お客様のサプライチェーンがグローバル化する中で、当社は東南アジアや欧米等、世界25カ国・地域でシステムの導入実績があります。親会社のプラントエンジニアリングが前提としてグローバルプロジェクトであることも影響し、DNAとして海外案件に抵抗なく取り組める資質は求められます。市場に密着したオフショア開発という観点からも、当社グループは中国、タイ、インドネシア、シンガポールに子会社を有し、ローカル市場のニーズを踏まえたシステムの提案・導入を支援しています。
より包括的なITソリューション企業へと当社が事業構造を変革する現在、転職者の方がこれまでの経験や知見を活かして頂ける場面は増えてきます。その意味で、これから当社の門を叩く方々も、既存の社員も同じスタートラインに立って頂けます。
先例として、ここ10年程で当社における会計領域のソリューションを強化し、財務会計から管理会計、連結会計システムまでのメニューを確立したのは中途採用で入社してきた人材です。また、製造業のシステム担当から当社に転じ、ユーザーの視点を活かしたERPコンサルティングで活躍している人材もいます。
今の当社にはないバックグラウンドで様々な経験を積まれた多くの皆さんが、当社の目指す幅広いソリューション領域を新たな知見で強化して下さることを願っています。