とあるISP(インターネット・サービス・プロバイダー)企業へのご訪問。
採用担当の方が先週新たに着任されたので、ちょうどいいタイミングで、今後の採用計画をお伺いした。もう一名のご担当の方も、先月着任されたばかりで、折しも採用の新体制が固まり、これから更に採用にドライブをかけて行かれるとのこと。
もともとベンチャーで鳴らした同社。今や400名近くの社員数となり、規模は既にベンチャーの域を越えている。しかし、ビジネスのネタがいくらでもあり、人材さえ充実すればもっともっと伸びていく余地があるので、この増員傾向は更に加速して行くようだ。技術者の求人ニーズが特に強く、要望を伺えば、UNIXに通じていて、かなりの規模のネットワークを扱ったことがあり、アプリよりもインフラ系に強く、英語ができる事が望ましいとのこと。
しかし、そんな人材が日本に多くはいないことは、人事の方も十分ご承知で、現実的な会話を重ねていくと、次のような結論に達した。要は、「若くて、やる気があり、通信の最先端の分野に関わっていられることが理屈抜きに楽しいと感じられる人」である。英語ももちろん入社後は勉強してもらうが、職務上必要ならば通訳を付けるつもりだという。ここまで間口を広げても、どうしても譲れない条件は、「人間的に素直ないい奴で、ひとりで放っておかれてもなんとか生きていける人」という点。
とにかく、皆自分の持ち場の業務で精一杯なので、黙っていたら誰もかまってくれない。いわゆる社内教育の体制もお世辞にも整っているとは言い難いため、自分から先輩社員を捕まえて、新たな知識を貪欲に吸収していかなければならない。ここのところがうまく出来、また他の社員が教えてあげたくなるような素直ないい奴であれば、充分やっていけるという。
とはいえ、技術者の人達は基本的に教え好きの方が多いので、聞かれれば嫌というほど教えてくれる。何と言っても、離職率の低さが群を抜いている。このIT業界において、一年間に数%しか辞めていないという(数%と言っても0に近い方の数字)。
また、この企業は日本の草分けであるため、この業界ではかなり有名な技術者も多くいるという。中には、○○さんといっしょに働けるならお給料はいらない、と言ってやってくる方もいるのだそうだ。若手の技術者で、スキル的にはこれからだが、とにかくこの世界でやって行きたいと真剣に考えている方にとっては、非常に居心地がよく、チャレンジのし甲斐がある会社だと思う。