とあるベンチャー企業のNo.2の取締役との打ち合わせに伺う。
学生4人で4年前にスタートupし、現在は社員数100名弱にまで成長している企業だ。ブログなど、現在のネットビジネスでも最もHOTな領域を手がけており、この分野では知る人ぞ知る企業だ。独自の技術を持っており、このコア技術を使ったサービスを自社ブランドで展開していたが、資本力のある大手が参入してきたタイミングで、自社ブランドには拘らず、コアテクノロジーをこれらの大手企業に提供する戦略に方針転換。我々がユーザーとして使っている大手ブランドのネットサービスも、実はこの企業が提供しているものも随分と多いようだ。結果として、他社が追随できない技術とノウハウを持つことができ、現在のポジショニングを確立している。
この企業の噂を聞きつけて集まってきた、東大・京大クラスの若手エンジニアが大勢おり、彼らがディ−プな開発を支えている。しかし、決して、テクノロジーそのものを中心には考えていない。取締役の口から何度も出てきたの″実現力″という言葉だ。彼らが日々目指し、強味としているのは、純粋な技術開発力ではなく、ユーザーが「こんなことやりたい。やれたらいいな!!」と思っていることを如何に現実のものとし、それをビジネスとして展開していくか、ということに尽きる。大手企業に技術提供することにより、結果的に業界最大級の人数のエンドユーザーからフィードバックを受けることができ、それを更なる技術力、彼らの言う″実現力″の向上に役立てる、良い循環が生まれている。
具体的な求人に関しては、エンジニアは、かなりハイレベルな人材が自然と集まってきておりそれほど不足感はないようだ。(もちろん、優秀なエンジニアに関しては、いつでもWelcomeだが。)
しかし、前述のように、名だたる大手企業とのお付き合いが急速に増えてきており、またこの流れを更に加速したいため、もう一段上の大人の法人営業が出来るセールスを求めている。学生ベンチャーでスタートして、そのノリのままここまで成長出来たが、今後は、もう少し深く世の中のことを分かった経験豊富な人材を必要としているということだ。大手のIT企業、つまりIBMやヒューレートパッカード、SAPなどで、数億円〜十億円クラスの商談をこなしてきた人材がターゲットだ。大手で経験して身に付けてきたノウハウを、もっと自由な勝ち組のベンチャー企業で発揮するにはもってこいのチャンスではないだろうか?
業績は好調で、すでに十分過ぎるほどの利益も出ており、今年中のIPOもほぼ視野に入っている。
IPO後は、更に成長を加速するためのM&A戦略も考えており、この領域においては、証券会社出身のM&A経験者を求めている。また、これらの職種以外でも、とにかく出来る人材は大いに歓迎ということなので、今後私たちの方から、「これは!」という転職希望者を推薦できそうだ。やはり、独自のポジションを確立して伸び盛りの企業には、いくらでもハイレベルな人材のニーズがあるものだ。また、入社した方にとっても力の発揮のし甲斐が大いにありそうだ。
最後に触れておきたいのが、離職率の低さ。この4年間でたった4人しか辞めていないというから、驚きだ。どんどん入社して、どんどん辞めていく、というネットベンチャーにありがちなパターンと違い、この点でも異色な企業だ。独自のテクノロジーと、ビジネスの展開力、そして人材を大切にする考え方。今後大化けして、「和製グーグル」となり得るか、とても楽しみな企業との出会いだった。