本日伺った、かつてベンチャー企業の先駆けと言われ、今や何千億円の売上高を誇る同社は、今年4月からホールディングカンパニー制に移行。それに伴い人事部には管理部門系の求人ニーズが多数寄せられているものの、中々充足させ切れないので手伝ってほしいとのこと。
持株会社化することで、個々の事業部門は1つのみなし会社として完結し、概念上の独立採算となる。その為、各事業部門は企業経営に必要な管理部門スタッフをいち早く充足させなければならず、新たな求人が発生する。同時に持株会社側でも、個々の事業を統括し連結決算するのみならず、M&Aやアライアンス等による創造的な事業拡大を仕掛けていく必要に迫られる。しかしながら、現時点でも成長を続けている同社は人材の層は比較的厚いものの、先々の成長を見越した場合、ご多分に漏れず即戦力もしくはハイポテンシャル人材は、外部から補充せざるを得ない状況になっている。
更に、1999年頃に始まった日本の会計基準を国際基準に近づけようとする会計ビッグバンの大きなうねりが、人材採用においても、いよいよ本格化してきた。具体的には、法制度の改正により企業経営のルールが一層厳格化することで生じる“現人員とのズレ”が新たな求人ポジションに繋がる。昨今この流れは、特に、経理・管理会計系の職種で顕著に現れている。
ある転職相談者が、「経理責任者のニーズがある会社って危ないですよね。お金周りの人が足りないというのは、何か問題があるってことですよね。」と言っていた。この表現があながち間違いではない、ずさんな会社もないことはないが、世の中の商法がらみのルールが変わることで、求人・転職マーケットの傾向も変わってきていることは確かである。そういった潮目の変化を見落とさず、転職希望者に対して労働マーケットの正確な実態を判り易くお伝えしていくことも我々の大切な役目である。