外資系大手IT企業の福利厚生の話。
福利厚生と言えば、日本企業の専売特許であり、
一般的に外資系企業は実力主義の下、やった分だけ稼げるが、
駄目なら解雇されるという環境で、離職率も高く、
長期就労する先としては考えにくい一面もあるという通念をお持ちの方も多いのではないか。
ところが、先日お打ち合わせした外資系大手IT企業の雇用環境は大幅に改善され、
その結果、なんと昨年の離職率は5%強。
これは、日本の大手メーカー水準である。
正直びっくりした。
一時、役員陣が次々に退任し、離職率が高い会社という印象が強かったからである。
ただ、最近は同社から転職の相談におみえになる方がめっきり減ったので、
数字に頷ける所がある。
業績が好調であることも、当然ながら離職率の低下に貢献していると思われるが、
同社の福利厚生の仕組みにその秘訣が隠されているとも感じた。
終身雇用をベースにした日本企業の福利厚生とは異なり、
「個人の成長」にフォーカスしたもので、
研修費用の負担や海外拠点への人事異動も容易に出来る等々、魅力的である。
従来は、終身雇用が大前提であったが、
現在は、転職によりキャリアを築いていくことが前提に変わっており、
自己成長を支援・促進してくれる企業に多くの人が魅力を感じるようだ。
正に同社はそのようなニーズに合った仕組みが構築されており、
結果、離職率の低下並びに、意欲の高い優秀な人材の獲得に成功しているのであろうと
痛感した次第である。
雇用のスタンダードが明らかに変わってきた事例と言えるだろう。
ちなみに、タイトルの「無料バナナ」とは、
社内ラウンジ内に設けられた同社の福利厚生の一例であるが、
丁度自分がお腹が空いている時にこの話をお聞きして、
ついつい「いいなぁ、食費削減できるじゃん」なんて品の無いことを思い浮かべてしまったので、
皆さんにご紹介させて頂こうと思った次第です。
バナナ、無料って良くないですか?