転職カウンセラーが、日々の業務の中で感じたことを綴っています。
統計数字やニュースからはつかみづらい"マーケットからのメッセージ"に触れて下さい。

コンサルタントになるには

つい先日、某戦略コンサルティングファームの社長と
お話する機会があり、
「コンサルタントになるにはどうしたら良いですか?」
と尋ねてみた。

すると、「何故、コンサルタントになりたいのかを徹底的に、
深く、深く、深く考え抜くこと」が、必要最低条件とのこと。


コンサルタントの仕事は、決して楽ではない。
担当する案件は、
企業の存亡を賭ける一大プロジェクトであるかもしれないし、
国家の明暗を分ける提案かもしれない。


彼は、面接の場で、家族をお持ちの方にはこう聞くという。
「異業種、異職種からコンサルタントになるってことは、
イラクへ数年間派遣されるようなものだから、
それでもいいか?」と。
つまり、奥様も、そういう状況を受け入れてくださるかと。


正直、その位の腹括り、覚悟がない奴は、
コンサルタントとして一人前になれないどころか、
まともにキャッチアップすら出来ないと言う。


冒頭の回答であるが、
その位大変で、半端じゃなくキツイ仕事である
コンサルタントになる為には、
能力もスキルもさることながら、
最終的にその当事者の精神的強靭さがなければ出来ないと言う。


社長曰く、
『コンサルタントとは、すなわち「職人」である』、と。


「御社は他のコンサルティングファームと何が違うのですか?」
という質問をよく受けるそうだが、
はっきり言って愚の骨頂だと言う。


「職人にもなってない奴が、どこで修行するか
四の五の言う前に、まずは職人見習いして、
腕が通用するようになってから、その次に考えろ」と。


最近は、マニュアル本や○○法といった類のノウハウ本が
数多出版されているので、
仕方のない面もあるのかもしれないが、
あまりにも安直に成功法に飛びつき、
なぜなぜ問答の如く自分の頭で考え抜くクセを身につけずに
大きくなっている社会人が多い。


そのようなステレオタイプの方が、
ゼロからスクラッチでモノを考えていくコンサルタントという仕事に従事するのは、かなり厳しい。


『常識を疑う、知力のある人』
そんな人がコンサルタントには向いているかもしれませんね、
社長は最後そうおっしゃって笑った。

(No.135/S 記)

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