先日、某上場企業の社長との打ち合わせに同席した。
同社は、都下・神奈川県を拠点に、サービスを展開する企業。
現社長は、新卒で同社に入社し、30年以上創業オーナーに仕えてきた方。
同社では、経理業務以外の事は全てやってきたと言い切れる程、
汎ゆる業務に精通されている実務家。
そして、誰よりも創業者の考え、イズムを体現しようとされている。
そして、社員を本当に家族のように考え、
お父さんのごとく、社員の成長を見守っておられる
心の温かい人だ。
社長の話の中で、
「うちは全社員営業、全社員サービス業」
という言葉があった。
全社員が給仕を行うし、受付もこなす。
本部スタッフとしても働く。
全員が会社の機能全てを経験し、ローテーションできるのが強み、
と言う。
だから、土日に出社してもらう事も当然あると。
自分の持ち場じゃない業務を手伝ってもらう事もある。
そうやって、ここまで成長してきた、と。
ちなみに、同社は売上100億強で、無借金経営の優等生である。
サービス業としては、
当たり前と言えば当たり前と思える事であるが、
組織が大きくなるにつれて、次第に本部は本部、
サービスはサービスと業務が分担されていき、
お互いがお互いを牽制するようになり、
いがみ合いが生じ、顧客が求めている事が
に経営に届かないようになっていく。
本来の当たり前が当たり前ではなくなり、
次第に組織が劣化していくのではないだろうか。
こうした当たり前とも言える
「全社員営業、全社員サービス業」
という一枚岩の組織は本当に強い。
だからこそ顧客からの支持を得続けられる。
そんな同社は今、現場の一線で活躍している30代の方を支え、
育成する事ができるシニア人材を求めている。
55歳以上の方がターゲットだ。
「当たり前を当たり前に」できる人。
大企業よりも中小企業で
経営者あるいは経営者を支えてきた実務経験のある方。
総務・人事に明るい方。
これを読んで下さっている読者のお父さんがターゲットかも。
いませんか?そんなお父さん。
打ち合わせ後、帰路の電車の中で、
社長が入口から入ってくる時、お客様が利用する自動ドアではなく、
左横の引き戸の勝手口から入ってこられた姿をふと思い出した。
サービスマンとして、人の見ていないところでも、
当たり前の事を当たり前にされてる社長の姿を。
誰にでもできる簡単な事であっても、いつまでも継続することは難しい。
凄い事である。
そういった事を学ばせて頂いた打ち合わせであった。