創業200年を超える老舗大手ゼネコンの人事グループ長との打ち合わせでの話。
同社は、創成期、明治時代を代表する実業家であった渋澤栄一翁を相談役に迎え、以来 『論語と算盤』 の教えを経営の基本に据えています。
つまり、道徳と経済の合一を旨とし、道理に叶った企業活動によって社会に貢献する事で、結果として適正な利益を頂き、発展するという考え方です。
200年以上経つ今でも、「誠実にお客様に満足頂ける良いものをつくる。その上で健全な成長を確かなものにする」 という姿勢は、建設の技術や工法が急速に進歩しても、社会が激しく変化を遂げていても変わらないし、変えずに貫いてきていきたいという。
現在、ゼネコンに求められるものは、単に建造物を建てるという事だけでなく、地球環境への配慮や、地震をはじめとする自然災害への備え等、多様化しており、こういった顧客の期待や社会の要請を先取りして、それを超える価値を提供することによって、顧客の満足度向上や社会への貢献に努めていかねばならないという。
そこで、人事グループ長に対して 「現在の御社の求める人材像は?」 という質問をしたところ、一言、
「逃げ出さない、投げ出さない人」
少し間をおいて、
「(学生でも、社会人でも)(勉強でも、運動でも)何かをやり抜いた人が欲しいね。どんな厳しい環境であっても、辛い環境であってもね。」
「最近応募にくる多くの人は、計画的なのかどうか知らないけど、2〜3年もすると転職考えるでしょ。会社の業績が悪くなったからとか、上司が変わってやりにくくなったとか、資格とったからとか・・・。」
「むしろ、会社の業績が悪くなったからこそ、踏ん張り時なんじゃないのかな? そこでこういう業績上げましたとか、見知らぬ外国へ1人送り込まれて誰も助けてくれないようなところで、何とかサバイバルしてきました!とかさ」
「そんな逃げ出さない、投げ出さない人がいいね、我が社には」
と。
激動の200年以上の歴史の中で、経営方針を貫き、現在においても隆々とビジネスを発展させている会社の人事グループ長の一言には重みがある。
君はどうかな?
逃げ出さない人?
投げ出さない人?