大手コンサルティングファーム・シンクタンク 医療・ヘルスケア系部門
コンサルタント
私立大学 任期付きアカデミックポスト
南田 昇一 氏 28歳 / 男性
学歴:京都大学 大学院 博士後期課程 修了
TOIEC 810点
私は、地方国立大学を卒業後、大学院博士課程まで進み、医療・介護予防関連の調査研究を5年間行ってきました。その5年間で多くの学会発表や論文執筆を経験させて頂いた経緯もあり、ポスドクを経由すること無く幸いにも私立大学の任期付き助教に着任できました。
しかし、そのアカデミックポストで待っていたのは、講義の準備や学生への指導といったあまりにも多い 「教育」 への比重でした。「研究」 ができないかと言われると、身を削るように時間を割けばできないこともないという状況でしたが、徐々に自分の中で 「ここでは研究は業務外の趣味の範囲で続けなければいけないのか」 という認識に変わっていきました。
また、指導教員から離れたとしても、研究費等の金銭面やマンパワーからも、今まで続けてきた規模の研究を行う能力が自分にあるのか? と疑うようにもなり、このまま大学にい続けても 「教育者」 としてのスキルのみが向上するだけで、3年後、5年後、10年後の目指すべき自分自身の姿と現実との乖離が明確にイメージできてしまいました。
任期付きポストとは言えども、1年経たずに他の大学に移るというのは好ましくないということは認識しておりました。また、世間で言われる 「ポスドク問題」 というものも理解しておりましたので、ポストとしては少ないかもしれないが、他の民間企業において今までの経歴を活かすことは出来ないか? と転職活動を決意しました。
転職活動を開始した当初、私は転職エージェントという存在を知りませんでした。転職活動は新卒の就活と同様に、各社の採用サイトや就職サイトに自身でエントリーして面接で合否を得るというものだと思っていました。
しかし昨今の転職活動は、転職エージェントに登録し、無料で面談や書類添削、企業とのスケジュール調整などのサポートをして頂く方がメジャーであることを知りました。
とりあえず、情報収集の意味合いも込めて、いくつかのエージェントに登録しましたが、今までの経歴のせいか、なかなか面談にも至らない、というケースが多くありました。
そんな中、いくつかの転職エージェントから面談の連絡を頂いた中の1社にエリートネットワーク様がございました。
転職カウンセラーの杉本様は非常にユニークな方で、私が関西出身であるという経歴から、意図的に関西弁を交えて会話し、私から本音を聴き出す工夫を凝らしてくださいました。
また、私が思考を整理し、自己分析できるように会話の途中途中で 「それは何故でしょうか?」 という問いかけをしてくださるなど、初回面談で2時間近くの時間を割いて頂きました。
この時、杉本様は単に求人を紹介するだけでなく、慎重で不安症な私の性格を理解した上で様々なサポートをしてくださるだろう、ということを実感することが出来たため、お世話になることを決意しました。
杉本様のサポートの中で特に印象に残っていることがあります。
それは、私がこの分野では上には上がいるということを痛感し、面接に臨むための自己アピールに自信をなくしてしまった時のことです。
私の心中を察したのか、「確かにどの業界でも上には上がいるものです。しかし、この転職活動というフィールドでは間違いなく輝く経歴を持っておられるので、堂々を面接に挑んでください」 という力強い励ましの言葉をかけてくださいました。
このご助言を胸に、1次面接に挑むことが出来ました。
実際に転職活動を行った際、改めて5年間の大学院での経験のメリット・デメリットを痛感することになりました。
まず 「専門性」 という武器だけでは、5年分の実務経験に相当すると判断されることは非常に少ないということを改めて痛感しました。 (実際に、私のスキルが少しでも乖離している求人情報を提示している企業の書類選考はほとんど通りませんでした。)
その一方、今までの専門性を高く評価してくださる企業もある、ということを知ることも出来、幸いにもいくつかの企業からは書類選考通過の連絡を頂くことが出来ました。そこでは専門性の裏にある、論理的思考力や調査能力、アウトプット能力というファンダメンタルな部分を評価して頂いたのだと思います。
上記の博士課程までの経験を活かしたいという軸は自分の中のこだわりとして持ち続けました。面接の中でも、今までやってきたこと、これからやっていきたいことを譲らずに主張し続けました。
結果的に、その自分の確固たる軸が、コンサルティングという未経験の業界であっても評価されたのだと思っています。
今回の就職先に決めた理由は、面接してくださった現場社員の方々のビジョンに非常に共感したからです。私自身が将来的に目指していたけれども、学術研究の限界として感じていた 「医療を医療の枠組みで考えるのではなく、地域社会と結びつけて持続的な制度を作る支援をする」 ことに携わることが出来ると感じたため、入社を決意しました。
今の私は入社してまだ間もないですが、これからどのような仕事に携わっていくのかを少しずつ把握してきており、改めてこの業界でリスタートを切る覚悟を決めることが出来ました。
全くの未経験にも関わらず採用してくださったということは、私にはそれなりに期待されている潜在能力があるということだと思いますので、一日でも早く業務に慣れていこうと思います。
また、10年後、20年後にさらに加速するであろう医療・介護問題の解決策を上流で見出し、発信できる人材になれるよう、一日一日の研鑽に励みたいと思います。
これからも多くのポストドクターの人材が私と同様の壁に直面すると思います。私自身が成功例とはまだ言えませんが、そのような人材がアカデミックポストへの一方通行の道で苦しまないために、民間企業における医療系博士としての一筋の光となれるように活躍したいと思います。
最後に、初めての転職活動で前職との様々な調整含め不安しかありませんでしたが、これからの人生を捧げるにふさわしい転職先をご紹介、ご支援くださいました杉本様、本当にありがとうございました。