総合インターネットサービス企業の金融事業会社 法務部 法務スタッフ
一部上場 総合商社グループの専門商社 法務部 法務スタッフ
沖田 治夫 氏 29歳 / 男性
学歴:青山学院大学 法学部 法学科 卒
一橋大学大学院 法学研究科 法務専攻 (法科大学院) 修了
弁護士 (第68期司法修習生)
TOEIC 800点
実用英語技能検定 2級
日本漢字能力検定 2級
司法修習中の就活及び転職活動でもよく聞かれるため、何とか思い出そうと試みたのですが、未だに何がきっかけなのかは、はっきりと思い出せません。
ただ、今も昔も、「多くの人の役に立ちたい」 という思いは変わりません。それが弁護士を目指すきっかけの1つになったのではないか、と感じています。
「依頼者と一緒に泣いてあげるのは、弁護士の仕事ではなく、家族や友人の仕事。」
これは、ロースクールの先輩弁護士にあたる私の恩師が何気なく仰った一言でした。
要するに、依頼者から一歩引いて、冷静かつ客観的な視点から依頼者の利益を追求するのがプロとしての弁護士の在り方ということです。私は感情移入しやすいタイプであり、正直、この一線を守れるか常々疑問を抱えていました。
また、元々身を粉にしてまで働くという生活に対しては疑問を感じていたところ、司法試験のための準備期間において体調を崩したこともあり、ワークライフバランスを保ちにくい法律事務所での執務は、私には合わないのではないかと思い始めていました。
そんな中、インハウスローヤーという働き方が最近注目されてきていることを耳にしました。私はたまたまロースクール在学中に、研修で企業の法務部にお世話になったことがあり、企業内で働くということにある程度具体的なイメージを掴めていました。そのため、修習後は自分もインハウスローヤーになりたいと思い、企業だけに絞った就職活動を行いました。
ご縁を頂き、とある一部上場の専門商社に入社することになりました。バリエーションに富んだ業務を任せて頂き、貴重な経験を多く積むことができたという実感はありましたが、何か物足りなさを感じる日々が続きました。
物足りなさの原因は、以下の2つにあったと思います。
1つは、業務において法律を使う機会がほとんどなかったことです。
法務部門における業務の大半は、契約書のチェックに費やされることになります。多くの契約書には、致命的な欠陥が含まれているケースはほぼありません。そうなると、契約自由の原則が働いて、法律問題が発生するような事態にはほとんど至りません。
商社においては、個々人がゼネラリストであることを求められます。そのため、業務の範囲は幅広く、少しずつ自分の成長を感じることはできたものの、司法試験や司法修習を通して高めた自身の法的な素養が時間と共に薄れていくことに危機感を覚えるようになりました。
もう1つの原因は、業務を通して自社のビジネスに習熟することが難しく、内部の人間として、もどかしさを感じていたことです。
同期のインハウスローヤーと意見交換をする中で、私が周りよりも自社のビジネスや取扱製品についての理解が進んでいないという懸念を抱きました。前職では扱う製品がかなり専門性の高い商材であり、加えて、契約書を通してのみ実ビジネスに携わるため、具体的な取引条件についての理解は多少深まったとしても、自分の望む 「ビジネスへの関与」 のあり方とギャップを感じるようになりました。
とはいえ、上記の理由は、転職活動を始めた時にはまだ漠然としたものでした。
最初に担当の転職カウンセラーである小中出さんとお話をさせて頂いた際には、そんな物足りなさを何となく抱えていた状態でした。職務経歴書を書いたり、転職活動を進めているうちに、それが言葉になって意識できるようになり、自分のありたい姿が明らかになってきました。
その中で、長く学んできた法的素養を生かせることというのが、自分が望むインハウスローヤーとしての姿なのだとはっきりと気付きました。
私は学生の期間が長く、就職活動自体、司法修習の際に少し経験しただけでした。そのため、初めのうちは正直やるべきことがいまいち分からず、応募した企業に合わせて志望動機やエントリーシートをカスタマイズしたり、面接でどういうことをアピールするかという点について、具体的なイメージを持てずにいました。
悩んでいた際に、小中出さんから応募書類等の書き方についての具体的な方向性を示して頂いたり、面接での受け答えの事前スクリプト等を添削頂き、何を言うべきで、何を言わないか等の判断がつくようになってきました。
最初の就職活動でも薄々勘づいていたのですが、結局はご縁が全てです。自分らしさを押し殺して臨んだ面接で採用されても、入社後双方にとって不幸なミスマッチが起きる可能性があります。(前職では、入社後にそういったギャップを感じることのないよう、普段の自分のキャラクターを忘れず、ありのままの姿で面接に臨むように心掛けていました。そのため、入社後も会社の雰囲気が自分に合っていると感じることができました。)
前述の通り、職務経歴書等を準備する過程で、自分が目指す方向性が大分見えてきました。
面接では、自分のありたい姿や取り組みたい職務内容について率直にお話をさせて頂き、ちょうどそれにマッチした優良企業から内定を頂くことができました。
自分が何をしたいのかという点を明らかにすることで、企業側にとっても採用しやすくなるのではないかと思います。
小中出さんは、豊富な経験に裏付けられた様々な業界や企業に関する知識を授けてくださいました。大学時代にいわゆる新卒面接をしたことが無かった私にとっては、業界分析等のやり方が全く分からず苦労していたのですが、それを補って余りある知識を授けてくれ、面接のポイント等も的確に示してくださいました。
また、前職では転職活動をしていることが発覚しないよう、秘密裏に活動していたのですが、その意図を汲んでくださり、カウンセリングの日時も土日や終業時間後に合わせて設定する等、かなりフレキシブルにご対応くださいました。
同期の弁護士からもよくインハウスローヤーに転向したいという相談を受けるのですが、私はまず小中出さんとお話しすることをお勧めしています (宣伝費用はもらっておりません (笑) )。
面接の際に、業務の半分は法律相談の案件だというお話を伺いました。
業界が全く異なるため、初めて取り組むことになる法令はかなり多岐に渡り、分量も相当にあると思います。ですが、せっかく自分のありたい姿に一歩近付けた訳なので、そういった苦労も楽しんでいけたらなと思っています。