女性弁護士、事業会社から事業会社への転職

女性弁護士、事業会社から事業会社への転職

No.969
  • 現職

    財閥系 大手不動産投資顧問会社  法務部 社内弁護士

  • 前職

    独立系 不動産会社  法務部 社内弁護士

橋口 雅美 氏 34歳 / 女性

学歴:京都大学 法学部 卒
一橋大学 法科大学院 修了
弁護士 (第66期 司法修習)
宅地建物取引士
TOEIC 725点

私は、法科大学院卒業後、司法修習を経てはじめは法律事務所に勤めました。法律事務所を選択したのは、当時、既に企業内弁護士にも興味はあったものの周囲にはまだ少なかったことと、何より最初に、いわゆる 「弁護士業務」 である訴訟や一般民事の法律相談に関するスキルを身につけたかったためです。
法律事務所である程度経験を積んだ後、元々興味のあった事業会社の法務部に転職しました。

最初に入所した法律事務所では、一般民事に関する法律相談や訴訟業務をメインに行いました。なかでも訴訟を多く経験したことは、企業内で働くにあたってトラブルの 「出口」 が具体的にイメージできる点で非常に役立ちました。
具体的には、訴訟に至った場合のコスト、時間、それから法的手続の選択肢等について社内に自信を持ってアドバイスをすることができたと思います。また、外部の顧問弁護士の考えを理解する上でも役立ったと思います。

その後転職した前職の事業会社では、法務部門に社内弁護士が私一人だったこともあり、下請業者や顧客との間で発生したトラブルに関する法的助言に加え、契約審査、労務問題、M&Aにおける法務DD等、幅広い経験を積む機会に恵まれました。

転職を考えるに至った大きな理由は、会社の扱う業種が単一であるため必要とされる法知識はそれほど多くなく、次第に物足りなさを感じるようになったことです。背景には弁護士業界の競争が激化する中で、必然的に自分のキャリアアップを考えざるを得なかったということもあります。そのような中、周囲で転職した弁護士に話を聞く機会があり、エリートネットワークを紹介してもらったのが、転職活動に至るきっかけとなりました。

当初、転職カウンセラーの横関様と面談した際には、すぐに転職するつもりはなく、ただ転職市場の状況を聞きたいという気持ちが大きかったのですが、色々とお話をお伺いする中で、将来的に転職を考えているのであれば早いうちに動いた方が良いのではないかと感じ、お世話になることにしました。
そのように思ったのは、横関様からお話をお伺いした際に、実際の弁護士業界の状況について良くご存じだと感じたことや、決して押し付けることなく私の意思に沿うように考えてくださったため、信頼感を感じたということが大きかったと思います。

これまでの転職は、一定のスキルを身につけることを主眼としていましたので、長期間にわたって働けるかという点はあまり考えていませんでした。
しかし、今回の転職では、そろそろ腰を落ち着けて安定して働き続けたいと考えていました。そこで、経験できる業務内容のみならず、社風や業界における地位、会社の将来性等も考慮することとしました。

逆に、弁護士資格については、こだわらないようにしました。
実際問題として、特に日系企業においては弁護士資格 (登録) の有無を重視していないところも多いと感じます。
したがって、弁護士に限定した求人以外も積極的に応募していましたし、面接においても弁護士であることは特にアピールポイントと考えず、これまでの職歴をメインにお話しました。

今回の転職活動では、応募から内定取得まで1か月弱と当初の想定より遥かに短期間で終えることができました。内定をいただいたのは第一希望の企業であり、これまでの就職活動と比較しても申し分ない結果となりました。

このような結果を得られた理由として一番大きかったのは、企業との調整についてはご担当の横関様に安心してお任せしていたため、選考に集中できたことだと思います。
また、各企業についての情報も可能な範囲で事前に横関様からお伺いし、短時間で効率的に企業研究ができました。

もっとも、在職しながら転職活動をしたため、多くの面接は仕事後に設定していました。そのため、面接のある日には定時退社する必要があり、残業をしないための仕事の段取りには非常に神経を使いました。
また、面接で聞かれたことはメモを残すように横関様からアドバイスをいただいていました。そこで、面接後には近くの喫茶店に入り、横関様に面接内容を報告しつつ、質疑応答のうち反応の良かったものと、悪かったものに分けて手帳にメモしました。

今回応募した企業では、同様の職種に応募していたためどこでも同じようなことを聞かれたので、これは非常に役立ちました。ちなみに、同じ質問に同じように回答しているにもかかわらず、企業の反応はまちまちだったりして、そこから逆に企業のカラーや採用基準、面接官の考え方を読み取ることもできました。

次の職場は、これまでの職場より業務上の要求レベルは格段に高くなるものと思います。したがって、これまでの経験に驕ることなく新たな気持ちで仕事に取り組みたいと思っています。また、企業内で働く以上は弁護士であることに捉われず、法務以外の業務も積極的に経験していきたいと考えています。

本当に、お世話になりありがとうございました。

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