妥協のない、納得のいく転職活動とは。

妥協のない、納得のいく転職活動とは。

No.118
  • 現職

    株式会社クリード 人事部
    アシスタントバイスプレジデント

  • 前職

    一部上場メーカー 人事部

平尾 健介 氏 34歳 / 男性

学歴:千葉大学 法経学部 法学科卒

私は、退職後に転職活動を開始し、約5ヶ月に亘り、じっくりと考えながら最終的に希望する転職先に転職を決めることが出来ました。在職中に転職活動を一切せずに、退職後から時間をかけて転職活動をする人は、それほど多くはないのかもしれませんが、このような転職活動だったからこそ見えてきたことや、整理できたこともたくさんあったのではないかと思っておりますので、少しでも参考になればと寄稿させて頂きます。

退職にあたって

私は前職で、一部上場メーカーにて、支社における人事業務に携わっておりました。10年以上同職種で経験を重ねていく中で、徐々に自分の今まで培ってきたものを違う場所で試してみたいと考えるようになりました。前業界は、再編が進んでおり、前会社も業界再編の波に乗り、被合併会社として新しい道を模索する状況にありました。合併が実現することになれば、管理部門としての業務については、今後かなり制約を受けることになるだろうと考えました。年齢的にも34歳ということもあり、今出来ることを試すには、この一年での転職が一番大きなチャンスだと考え、退職を決意いたしました。退職にあたって、私自身のこだわりから、人事という仕事に携わってきた以上、在職中に転職先を見つけることは義理が立たないという思いと、ネガティブな転職ではないので、必ず納得のいく転職をしたいという思いから、退職後、じっくり真剣に転職活動を行おうと考えました。リスクの高い退職ではありましたが、私自身は覚悟を持って、転職に望まなければ、きっと転職してから後悔するという思いもありましたので、真剣に自分を見つめ、腰を据えて転職活動に取り組める環境選択をいたしました。

退職後1ヵ月まで

退職後1ヶ月は、主に自分自身のキャリアの棚卸と転職サイトからの求人検索を行い、転職市場を観察しておりました。私自身の実感としては、転職市場には本当に元気な魅力ある企業が多いと感じ、転職活動そのものに大変楽しみを覚えました。また、キャリアの棚卸と共に自分自身の求める転職先像を固めていきました。私自身は、社会人生活序盤の30代前半までに、前会社で社内的には必要とされる仕事をしてこれたという自信もありましたので、社会人生活の中盤である転職後は事業の社会的成功の一翼を担えるような仕事に挑戦し、成功したいと考えました。
そこで、転職先へのこだわりとして、①事業の魅力、②期待される業務内容の魅力、③就業環境の魅力を掲げました。具体的には、①事業の魅力については、市場における潜在需要の大きさや業務の拡張性、また社会性の高さを判断基準に置きました。②期待される業務内容の魅力については、前職と比較して自分自身のステージアップにつながるかどうかを判断しました。③就業環境としては、変化に対し、真剣に考え、スピード感を持って対応している刺激のある風土で、刺激のある人達と仕事をしたいと考えました。そして、実際に求人を検索していく中で、事業としての魅力を研究し、面接を通じて後者2つを確認していくようにしていこうと考えました。

転職活動開始

私自身、必ず納得する転職をしたいという思いから、最大35歳までは妥協はしないと決め、自分なりにかなり絞り込んで、エントリーしていきました。前職で採用の仕事もしていたので、中途採用の求人はタイミングが重要であり、焦って、その時点の求人の中から相対的に判断して、妥協しないようにし、必ず転職先は絶対評価で納得のいく企業の中から決定すると心に誓いました。
転職活動開始当初は、紹介会社を活用せずに、まずは自分自身でじっくり探したいと考え、前半3ヶ月は一人で考え、一人で自分なりに企業を研究し、エントリーしていきました。事業としてまた業務として魅力があると感じた企業であれば、業界に関係なくエントリーしました。職種は人事限定でしたが、業界はIT業界、流通業界、メーカー、商社、航空業界、風力発電他本当に多数の業界に亘り、受験いたしました。前半に受験した企業は、全部で9社でしたが、知名度の高い、ブランド力のある企業が大半でした。その9社のうち、4社(内2社は(株)エリートネットワーク訪問後)から内定の話を頂きましたが、最終的に処遇面、業務内容等で、希望に若干沿わず次を待たず、辞退することにしました。

紹介会社登録

私は、転職でのキャリアアップは転職後築いていくものだと考えておりましたが、転職でそのためのステージアップを実現しなければキャリアアップは実現しないと考え、そのための転職先のイメージとして、①ある程度の歴史のあるブランド会社であるが、変化を迫られる過渡期を迎え、業績改善の後、組織変革を行おうとしている企業、②業績を順調に伸ばし、いよいよ組織としての永続的な強さを求め組織力強化を目指す若いベンチャー企業を考えていました。
しかし、いざ自分で活動してみると、気がつけば前者ばかりで、ベンチャーの優良企業や前者でも真剣に変革期を迎えている企業を探すことが出来ていないということを強く思うようになってきました。そこで、紹介会社に登録してみようと考えました。紹介会社は(株)エリートネットワークを含め、3社に登録いたしました。そして、各紹介会社から連絡を頂き、3社目に(株)エリートネットワークに訪問いたしました。

(株)エリートネットワークでのカウンセリング

はじめの紹介会社2社では、処遇面の希望、職種の希望を確認され、あとは現在挙がっている求人の紹介が中心で、あまり突っ込んだ質問はありませんでした。親身に話を聞いて頂きましたが、あまり緊張感はありませんでした。私自身、紹介会社というのはこうして履歴書の補足説明をして、あとは転職サイトに掲示されていない情報を提示して頂き、候補先企業を増やすために登録するのかなと漠然と考えてしまいました。そして、そのような意識のもと、(株)エリートネットワークに、前2社に訪問した時と同じ感覚で訪問したのです。
ところが、その日のカウンセリングで私の転職活動に対する意識は大きく変わりました。私は他の紹介会社と同様、簡単に履歴書の補足をする程度かと高を括り、何の準備もせずカウンセリングに臨んだのです。その結果、自分の準備不足を恥じるとともに、転職活動に対しての真剣さが不足していたことを痛感するカウンセリングとなりました。過去に受験した会社の名前すら全ては思い出せず、新聞を読んでいれば分かるようなことすら答えられませんでした。また、自分自身のことも、面接用に飾りたくないという思いから、それまで大した準備もせずに普段の自分の言葉で話していましたが、面接のために飾るのではなく、相手に分かりやすく端的に伝える努力を事前にしておくという当たり前のことを怠っていたことを気付かされました。そして、「あなたはただ転職できればいいんですか?一流のビジネスマンを目指してるんじゃないんですか?一流のビジネスマンを目指すなら、もっと真剣に取り組みましょう!」と言われ、私は受験する相手の企業に対して、勉強不足なまま、大変失礼なことをしてきたと後悔しました。思えば、この転職活動でどの面接よりも一番緊張した時間となりました。と同時に、その後の2ヶ月を充実させることが出来た大きな転機となりました。

その後の転職活動

(株)エリートネットワークでのカウンセリングの後、新しい靴、ワイシャツ、ネクタイ、コートを揃え、髪を切り、『日本経済新聞』の定期購読をインターネットですぐに申込みました。そして、その後の面接では必ず、各社のHPだけでなく、客観的に見ることの出来るサイトも可能な限り検索し、同業他社についても極力調べ、業界の抱える課題、受験企業の抱える課題、そして、課題を踏まえた上、入社後に必要とされる具体的な役割や、その内容を可能な限り想像し、ノートにまとめておくようにし、自分なりに入社してから挑戦したいことを具体的に言語化できるように努めました。そうすることで、面接というよりは会議に近い気持ちで素直に自分の意見を伝えることができました。
(株)エリートネットワークからは、3社紹介して頂きました。カウンセリング前に自分でエントリーし、継続していた会社が2社あり、事業や業務に興味があり、内定まで頂くことになりましたが、処遇面で前会社からのダウン幅が大きく、断念いたしました。(株)エリートネットワークで紹介いただいた企業は、いずれも魅力のある企業でありましたので本当に選考過程でも悩みました。紹介いただいた企業はいずれも最終段階に差し掛かり、絶対評価としては、満足のいく転職先だと考えておりましたので、迷う気持ちはありましたが、各社の状況と、比較するために必要な情報を(株)エリートネットワークからは、感触として伝えて頂き、気持ちを固めて、第一希望の会社の最終選考に臨むことが出来ました。そして、第一希望の企業に内定を頂き、その場で入社の意志を伝えました。結果的には、転職活動を開始するにあたり、希望していた条件とあわせて、処遇面でもアップし、将来に対しての期待も含め、満足のいくステージアップが出来たと確信しています。

転職活動を通じて

今回の転職を通じて実感したことは、一つに、とにかく妥協しない選択をすることです。自分自身は、焦らず、信念を持って活動しているつもりでも、活動が長期化すると、周囲は心配し、自分自身も不安を覚えることがあると思います。その際に、初心に立ち返り、強い信念を持って、妥協のない転職活動を行うことで、後悔のない転職につながると思います。
そして、もう一つは、自分ひとりの力で掘り出せる情報は限られているということです。業界を飛び越えて転職しようとすると、期せずして他業界のことをあまりにも知らなさ過ぎたことに気付きます。異業種への転職も含め、検討する際は、紹介会社からの客観的なアドバイスは大変貴重です。広く情報を集め、自信を持って活動できるベースは作っておく価値があると思います。私自身、(株)エリートネットワークに訪問し、急速に視野が広がっていったことを実感しました。
今後は、この実り多かった転職活動で学んだことを忘れずに、紹介して頂いた(株)エリートネットワークの期待にも応えられるよう、目一杯努力し、確実にキャリアアップし、悔いのない職業生活を実現したいと思います。

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