東証一部上場
パーク24株式会社 経営企画担当
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新日本石油株式会社 Webマーケティング担当
秋田 剛児 氏 34歳 / 男性
学歴:名古屋大学 経済学部 経済学科 卒
2007年2月5日(月)13時ちょうど。会社のイントラネットの掲示板に、私の退職が発表されました。直後から、電話はひっきりなしに鳴るわ、未読メールのカッコ内の数字はどんどん増えていくわ、会議室に呼び出しは受けるわ・・・・・。
新日本石油(株)での私のキャリアは、経理系の仕事で下積みをし、その後石油会社の人間なら誰しも一度は憧れる油田開発の仕事で日本と海外を行ったり来たり、と思えば、突如希望してマーケティング部門へ異動して、WEB関連業務やら販売促進やらの施策展開の陣頭に立つという、傍から見れば順風満帆、はっきり言ってとても恵まれていました。
そんなマーケティング部門も6年目に突入し、そろそろ転勤が見えてきました。大企業であれば必ず数年に一度行われる人事異動。季節になると会社中が、あの人はどこへ、あいつはどこに、と噂で盛り上がります。何のかんので私も噂の対象の一人であり、「あの支店じゃないか?」「国際部門へ戻るんじゃない?」「経営企画系じゃないか?」などと、酒の肴にされていました。
そんな中、画面に突如現れた「退職(自己都合)」の文字。
会社中の先輩、同期、後輩が全員、椅子から転げ落ちるほど驚いたようです。即座に電話とメールのラッシュ。
「何で?」
「退職?! マジですか?!」
「いつ空いてる? ぜひ送別会しよう!」
あっという間に2月中の夜の予定は、送別会で埋まってしまいました。
まずい、これでは転職前に胃と肝臓を壊してしまう!
まあ、ある意味、これだけ気に掛けてもらえたこと、これだけたくさんの人と仲良くできたことは、とても嬉しいことなのですが・・・・・。
そんなサプライズな私の転職。それでは、なぜ私が転職に至ったのでしょうか?
実は私、家族の事情で、転居を伴う異動はまっぴら御免の身なのです。
しかしながら、勤めていた新日本石油(株)は、全国に拠点がある、いわゆる一流企業。会社の言うとおりに各拠点を経験し、本社と行ったり来たりしながら階段を上っていくのがいわゆる出世コースです。
「このまま勤めていたのでは、長期の単身赴任を強いられるか、長期の単身赴任を断ることで会社から思うようにチャンスを得ることもできなくなる。長期の単身赴任なら、家族にとんでもない重い負担をかけるし、一方で単身赴任を断れば、思うようにチャンスが得られないことについて家族に負い目を感じさせてしまう。果たしてそれで家族は幸せになれるのか?」と年度初めの4月から悩むようになりました。
家内と相談した結果、私も家内も名古屋出身の身、「どうせなら名古屋に帰ろう、景気も良いし、きっと良い仕事があるはず。」と、とある転職仲介会社に相談に行きました。しかし・・・・・
「名古屋で紹介できる秋田さんのキャリアに合う会社のお給料は、今の半分ももらえれば良い方ですよ。秋田さんのキャリアだと、正直もったいなさ過ぎます。」
ガーン! マジですか?!
実家から通うとしても、それじゃ転職貧乏という言葉が、冗談にも洒落にもならんです・・・・・・・。
やっぱり、転職はムリなのか??
「東京ならもっと良いお給料の会社をたくさん紹介できるのですが・・・・・。」
ナヌ?
東京なら良い仕事がそんなにたくさんあるのか? じゃあ、東京で仕事を探そう!
急ぎ家内と相談すると、
「今は社宅に住んでるけど、転職したら家を借りなきゃいけないんじゃないの?」
ガーン! そりゃそうだ。
よーし、家買おう!
良い物件あるか?
安いローンは何だろう?
金かかるから車は売ろう!
えっ、単車止める場所もないの・・・・・?
あれやこれやと転職に向けて身辺整理が終わったのが、11月頭。
そろそろ転職活動再開かな、と思って日経新聞を開いて目にしたのが、(株)エリートネットワーク様の広告。早速門を叩いてみることにしました。すると即座に返事のメールが。
「お会いしたく。」
暇を作って、銀座アサコビルを訪ねたのが11月の半ば。
事務所を訪れると、早速会議室に通され、立て続けに様々なお話をされたのが、カウンセラーの高橋さん。私、頭のハードディスクはフロッピーディスク(死語)の1.44MBしかないのでほとんど覚えていないのですが、色めき立ったのはこんな言葉だったような・・・・・。「地頭(じあたま)とコミュニケーションに長けている人には、良い仕事を紹介できますよ。」
マジですか?!
いや、計画通り!
そんなこんなで、何社か紹介してもらい、飲みに行かずにそそくさと帰る日が続きました。始めは今をときめくWEB業界を中心に紹介してもらいましたが、どうも剃りが、いや反りが合わない。とある会社においては、「石油会社出身にアグレッシブな人間がいるはずがない」と、会ってもいないのにけんもほろろ。
トホホ…。
しかし、全く違う分野の某社に会い、あることに気づきました。
「一軍入り目指して頑張っているような会社が欲している人材と、一軍入りして次の成長を目指す会社が欲している人材はどうも違うようだ。前者はとにかく若いとか、マーケ専門十ウン年といった、営業の推進力となる人が望まれているのに対し、後者は“次の成長に向けた組織”を組み立てることができる人を望んでいるらしい。」
ということで、路線変更して、紹介してもらったのが、パーク24(株)。早速、会ってみることにしました。
ビンゴ!
トントン拍子で最終面接に。面接日は12月15日午前11時ということで、と(株)エリートネットワークのカウンセラーの高橋さんからメールが。
アレ?12月15日って……。
数日前、隣の席に座る同僚から一言。
「一件、当社に売り込みが入ってるんだけどぉ、ちょっと一人だと難しい感じがするのでぇ、同席して話を聞いてくれなぁ〜い?」
「え、ああ、いいよ。」
「じゃあ、12月15日の13時でお願いねぇ〜。 相手はパーク24(株)ですぅ〜。」
マジですかぁーっ!!
面接はともかく、売り込みを受けている時の反応の困ること、困ること。
(安請け合いしても、断っても、後で恨まれることになる・・・・・。はて、どう言ったら良いものか・・・・・?)
ああ、ハム太郎、いやハムレットの気持ちがよく分かる・・・・・。
12月の終わりには、待遇等の条件交渉も終わり、あとは会社に退職を告げるだけ。さすがに年末年始は平穏に楽しく過ごしてもらいたいから、年明けまで待って、直属の上司に退職を伝えました。
普段は小うるさいので、ちょっとばかり反応が怖いところ。そしたら、意外や意外、ちょっとばかり驚いた様子ではありましたが、
「決意は固いのか?」
「はい、カッチカチに固まってます。」
「決意は固いんだな。じゃあ、俺が全部段取るよ。部長とか、人事とか、俺が全部話をつける。」
マジ?カッコイイーッ! こんな上司だったっけ?
ともあれ、特にもめることもなく、皆から温かい言葉を両手に抱え切れないほど受けて、胃袋に収まり切らないほどのお酒を飲ませて頂いて、晴れて次の会社に移れることになりました。いやいや、(株)エリートネットワーク様をはじめ、皆さんに感謝、感謝の転職活動。最後にThanks toとクレジットを流したいところで止めて、締めとさせて頂きましょう!