JASDAQ上場 ソフト開発企業 人事部スタッフ
新興市場上場 ウェディングサービス企業
総合職
仁山 さやか 氏 25歳 / 女性
学歴:国際基督教大 教養学部 国際関係学科卒
2005年4月に新卒で入社した会社はベンチャー企業で、ちょうど会社の過渡期だったこともあり、組織変え・商品サービスの大幅な変更等が多かった。残業の多さ、給料の安さ、退職率の高さ、経営陣に対する不信感・・・・・・・。色々と考えることはあり、「一生はこの会社にはいないだろう」と漠然と思ってはいたが、「まずは3年は辞めずに働いてみよう」と思っていた。しかし、相次ぐ人事異動で一つの仕事を最初から最後まで全うすることが難しく、自分のキャリア形成において不安を感じてもいた。今後の長い人生を考えたときに、仕事だけの人生ではなく、やはり女性として結婚・出産・子育てもしたいとも思っていた。2007年3月に異動の話が出て、もう少しプライベートとのバランスをとれる生活が送りたいと考え、転職を決意した。異動がきっかけの急な退職で、それまで直近で辞める気は全然なかったし、もちろん次の会社は決まっていなかった。
当初、大手の紹介会社に登録していたのだが、最初の面談で1時間程表面的な話(条件、今までの経歴等)をしただけで、20件近くも案件を出され、「明日までにどこにエントリーするか決めて連絡下さい」というやり方に疑問を感じていた。しかも、本音で話ができなかった分、出される案件はどれもイマイチ魅力を感じられないものばかりだった。
そんなとき、知人に「○○に行って案件を出されたけど、どれもビミョウなんだよね」と相談したところ、(株)エリートネットワークさんを紹介された。
転職カウンセラーの安藤さんは、最初に会ったときに2時間以上も話を聞いてくれただけでなく、今後、転職活動をするにあたってどのような切り口で案件を選んで紹介すれば私が興味を持つか、という視点で色々と聞いてくれたので、安藤さんと話をしながら、自分が大事にしたい項目(仕事のやり甲斐、社風、給与等の条件面、仕事内容・・・・・・・等々)が徐々にクリアになっていった。退職理由から、当初は「一般職や事務職等、ほどほどの収入・やり甲斐でいいから、落ち着いた生活ができる会社が良い」と思っていたが、安藤さんに「君はやり甲斐のある仕事をやって輝くタイプじゃないかと思う」と言われ、仕事に達成感ややり甲斐を求める気持ちもあることを気付かされた。
最初に7件程案件を紹介された。正直なところ、興味を持てない企業もその中には含まれていたが、まずは色々な企業を見てみたいという気持ちと、あれだけ深い話をした上で転職カウンセラーの安藤さんが出してくれた案件だからまぁ間違いはないだろうという他力本願的な気持ちと、せっかく紹介されたのに「興味が持てない」とは言いにくいという気持ちと、色々な考えから、まぁ話を聞く程度で行ってみよう、と軽い気持ちで受けていた。
SPI試験は、事前に勉強するようにというアドバイスを受けていたので落ちることはなかったが、やはり面接では苦労した。まず、軽い気持ちで受けているため、志望動機が薄っぺらいものになってしまった。そもそも論としてその企業のビジネスモデルに興味を持てない、ということもあった。
また、前職での経歴がどれも中途半端で、強みとなるようなものは何も身についていないんじゃないか、というネガティブな思考回路に陥ってしまい、うまく自分をアピールすることができなかった。
1週間で5社程一気に受けたにも拘らず、ほぼ全滅だったときは相当落ち込んだ。その際に、転職カウンセラーの安藤さんに自分自身の思考パターンを変える本を教えて頂き、目の前がパーッと明るくなった気がした。「今まで何をやってきたか・どんな環境にいたか」が大事なのではなく、「今までやってきたこと・今までの環境をどのように自分が消化して、次の仕事でどのようにやっていきたいと考えるか」が大事であると気付くことができた。
転職活動を仕切り直すつもりで再度いくつか案件を出してもらったところ、とんとん拍子に進むようになった。
「自分が何をしたいか、どんな働き方をしたいか、は自分で決めるしかない」という当たり前のことに気付いた。もう一度社会人生活をリセットするつもりでバリバリやり甲斐のある仕事を選ぶか、近い将来の結婚を意識してプライベートと両立できる安定した仕事を選ぶか、2つの選択肢を選び切れずにいた。この相反する2つの価値観が混在するため、面接では「結局どっちが大事なの?」と問い正されることも多かった。正直に「どちらの価値観を優先するかまだ迷っている」と答えていた。そう答えて落ちるなら、それでも構わないと思った。
仕事内容やビジネスモデルが面白そうだと感じた会社は小規模だったり、ベンチャーだったりで、前職の二の舞になりそうな気がして結局辞退したものが多かった。逆に、内定をもらって入社した企業は、ビジネスモデルや商品には正直なところあまり興味はなかったが、残業が少ないこと(一般職なので)、入社後の努力次第で総合職への道もあること、という条件面で都合が良かったことが決め手となった。
転職活動を振り返って思うのは、エージェントは、転職のプロだけど、所詮エージェントでしかないということ。
アドバイスは色々としてくれても、最終的に決めるのは自分自身だということ。紹介される案件から選ぶだけでなく、自身の希望する条件を細かく洗い出してエージェントに伝え、自分の意向に合った案件を出してもらえるように働きかけることが大事だと痛感した。
また、どこの企業に行っても100%希望通りの職場はないので、絶対譲れない項目と、その優先順位を明確にすることで、より良い選択ができると思った。
加えて、バリバリ働くことだけが価値があるわけではないということ。
個人的には、結婚・出産・子育てという一連の流れの中で、その場その場に合った働き方、ひいては生き方をしたいと思っている。
責任のある仕事を任され、残業も休日出勤も厭わずにバリバリ働いて高収入を得るのは確かにかっこいいかもしれないが、果たして自分はそのような働き方がしたいのか?と考えたときに、何かが違うと思った。
なまじ高学歴を持っているが故に、一般職を選ぶことに対しては何か逃げのような、引け目のようなものを感じる気持ちもないわけではない。でも、終電近くまで働いて、やっと辿り着いた自宅で簡単な食事を取って死んだように寝るだけ、という生活は無機質で、何のために働いているのだろう?と疑問を持った。帰宅後にちゃんとご飯を作ったり、家族と話をしたり、習い事やジムに通ったり、そういう余裕がある生活がしたいという自分の優先順位が明確になったからこそ、現職(一般職)を選んだ。
実際に入社してみて、やはり面接等では見えてこなかった部分は多々ある。こんなはずじゃなかったと思うこともあるが、ほぼ定時で帰れる生活だからこそ、自分を磨くための何かをやる時間があるということはとても大きい。今はまだ会社に慣れることで精一杯だが、もう少しして慣れてきたら、何か新しいことを始めようと思っている。