42歳、連戦連敗の末、掴んだ内定

42歳、連戦連敗の末、掴んだ内定

No.264
  • 現職

    新興市場上場 情報出版企業 WEB事業責任者

  • 前職

    インターネット関連ベンチャー企業 取締役

川崎 慎三 氏 42歳 / 男性

学歴:ワシントン州立 東ワシントン大学 
コミュニケーション学部卒

会社都合とはいえ、40代で転職を余儀なくされた私は、自身の再就職に対しどこか楽観視していた。今までスカウトを受けたこともあったし、ある程度の実績もあったため、再就職には自信すら秘めていた。インターネットで目当ての求人企業の掲載を探し、その紹介をしていた(株)エリートネットワークを訪ねた時は、その時点で決まりと思っていたぐらいだった。ところが、それは始まりに過ぎなかった。まさか、自分自身、二桁に及ぶ会社を訪問する羽目になろうとは、その時は想像だにしていなかったのである。

いわゆる団塊の世代の大量離脱により、たぶん40歳以上を求める企業側の募集の絶対量はあると思う。しかしながら、中高年に対して企業が求める資質とは、専門性であったり、貴重な経験であったり、歳相応の給与ではなく実績本位の評価であったりと、応募者の思惑とは異なる視点を持っている。我々が企業に対し多大な期待を寄せるのと同様、企業側も実は“そんな人物、いないよ”と思える人材を求めていたりする。だからこそ異業種からの来訪に期するものがあったりする訳だ。自分は訪問2、3社目にして、ようやくそれが分かってきた。採る方の立場になればもっともな話でもあるのだが、企業側は履歴書と面接によってその人物を見極めなくてはならない訳だから、自然、評価の方法は相対的にならざるを得ない。しかも厄介なことに、そのものさしがその社内独自のものであったり、業界の平均値に倣ったり、まったく陳腐な話だが面接者との相性もあったりと、定石通りにはいかないのである。つまり企業側は、最大公約数を満たした候補者の業界を限定することなくブロードに求めているのに、適材適所というセオリーがまったく通用しないのが、中高年転職の特徴のひとつだ。したがって、あっさりと決まるケースもあれば、なかなか決まらないケースも当然出てくる。進路が決まった今だから言えるが、企業が随分簡単に我われ応募者を切り捨ててくれるのと同様、われわれも冷静に企業を観察し、見掛け倒しであると判断したら、どんどんと次の企業へ挑む勇気だけは、この際持つべきだという点は実感した。その時に必要不可欠になってくるのが、情報とエージェントなのである。

一般に広く開示されていれば、それはもはや情報とは言えない。しかも、それが就職に関する情報である場合、自分に適した募集内容でなければ何ら有益にならない。本人は何とかベターな職を得ようと熱くなっているから、自分の判断で不釣合いな募集にトライしていたり、狭い領域の少ない情報範囲で選択肢を構築し、反って自ら可能性の芽を摘んでいたりもする。だからこそ、それらを客観的に判断してくれて、しかも自分の知らない情報もふんだんに与えてくれて、自分の代わりに自分を企業側へ売り込んでくれる応援団が必要になってくる。私の場合、募集していた企業の仕切りをやっていたのが、(株)エリートネットワークのカウンセリング事業部であったご縁で、転職カウンセラーには安藤さんが就いてくれた。エージェントは、自分の代わりに企業へ売り込んでくれる訳だから、当然人となりを吟味する。最初のカウンセリングは一時間程度と聞いていたが、これが一時間も上回る二時間の面談のなかで、仕事を巡る得意分野や失敗した点、思い描く近未来像などについて、実に深く掘り下げてくる。とても好感が持てた。さて、転職カウンセラーの安藤さんの薦める案件も合わせて、希望企業への本格的な活動が始まったが、これが出ると負け。連戦連敗である。最初の2、3社の内はまだいい。しかし、それが片方の手では足りなくなってくると、いくら薦められるままに訪問してきたにせよ、さすがにくさってくる。自分はそんないい加減な仕事をしてきたつもりはないし、面接の感触も悪くはなかったはずだと、自らを責めた。数ヶ月前までは、むしろ自分は採用する側にいたことが呪われる。先がどうなるという当てがないまま、安藤さんに「もう、これ以上結構です」と企業紹介の中断を申し入れようと思っていた。ところが、転職カウンセラーの安藤さんは諦めてくれないのである。駄目だったら、その時の駄目であった理由も率直にフィードバックしてくれて、次行きましょうと励ましてくれる。それに、よくこれだけ多くの案件を持っているものだ。「簡単に言ってくれますよ」と内心は思っていたが、前述のとおり相手が雇う側の企業であるからといっても、そこは同じ人間がやっていることで、「ピンと来ないから・・・・・」とか、案外そういう程度の理由で断るケースも多いことが判ってきた。立場が逆転すれば、その面接者だって同じような窮地に追い込まれることだってあるというものだ。そう思うと、楽になった。半ば開き直って、“安藤コール”を受け続けた末に、自分に三顧の礼をもって内定を出してくれた企業が現れた時は、嬉しいというよりホッとした。

その面接社数の多さから、あまり参考になってほしくない体験ではあるが、少なくとも私の場合、一般にはあまり開示されていない情報をエージェントに求め、単独ではとてもではないが売り込めなかった案件も熱心な転職カウンセラーの力に頼った。そうでなければ、転職は叶わなかったかも知れない。転職活動時はその焦りと過度な期待が交錯するため、冷静になれと言っても無理だろうが、むしろ一社目で即決というケースのほうが少ないくらいに構えていたほうが、フィットした企業が見つかる公算は高いと思う。だからこそ、エージェント選びは大切だ。彼らも商売である。数社紹介して失敗してきたら、その人が費用対効果に見合わなければ紹介だって止めてしまうことも多いと聞く。それにしても、転職カウンセラーの“安藤コール”は消沈している身にはどれだけ力になったことか。土日・昼夜問わず、必要に応じて“安藤コール”は掛かってくる。多分、結婚前に女房から掛かってきた電話よりも多かっただろう。先日もこんな会話があった。「いやー、決まってホント良かったですね!」 「ええ、安藤さんのお陰ですよ。がんばった甲斐がありました」 「でも、これでお付き合いが終わった訳じゃないですから」 「ん?それって、(エージェントとしてではなく)友人としてってことですよね」。

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