楽天(株) 経営企画室
ジャスダック上場 インターネットサービス業
編集長
吉澤 宏一郎 氏 42歳 / 男性
学歴:慶應義塾大学 理工学部 応用化学専攻 卒
前職を辞める決意をしたのが42歳。ひと頃言われていた「転職限界年齢の35歳」を超え、更には40歳の節目も通り越した時でした。景気は下り坂で求人全体がしぼみつつある。しかし、まあなんとかなるだろう。在職中に転職活動をするほどの時間の余裕もなかったため、次の仕事を決めることなく、会社に辞意を伝えたのが今から3ヶ月前のことでした。
会社を辞める必然性はそれほど高くなかったにも拘わらず「もっと面白い仕事をやりたい」という青臭い思いを胸に、半ば勢いで会社を辞めると決めた訳ですが、辞めると伝えたとたんに不安が膨らんでいくのを感じました。当初数ヶ月はゆっくり休んでから転職活動をしようなどと呑気なことを考えていたのですが、自分の心の変化に驚きつつさっそく活動を開始しました。
自分のキャリアは他社で通用するのか? 私の場合、2社目の会社ではあっても新卒で入社した会社からの転籍で、この8年間は所帯の小さなベンチャー企業に身を置いていたため、自分自身のキャリアの持続性よりも、その場その場で会社が必要とする業務をこなしてきたというのが実情。雑誌編集、雑誌の広告商品企画、インターネットメディアの編集マネジメント、新規事業の立ち上げ及び立ち上げ後の事業部長、雑誌編集長という有様で、一見何の連続性もありません。世の中にオープンになっている求人情報はもとより人材紹介会社の社名を伏せた求人情報を見ても、自分のキャリアが活かせると思えるものには全く出会わない。
転職を決意する以前からこうした状況は分かっていたものの、実際に仕事を探す状況になると身につまされる。一人で悩んでいても仕方がないので、以前から評判を聞いていた(株)エリートネットワークさんに連絡をとってみました。
具体的にやりたいことが決まっていた訳ではないため、1回目の面談は年齢のことやキャリアに関する相談のつもりで伺いました。質問に答える形でひととおり自分の思っていることを話し、一段落するとご担当の転職カウンセラーの高橋さんは手帳をぱらぱらとめくり、おもむろに「こんな会社はどうですか?」と2〜3社の会社概要と仕事の内容を示されました。経験の内容はバラバラでも、1つの会社にしっかりと根を張り、何にでも果敢にチャレンジしてきたことが評価されるという。なるほど、確かに自分のこれまでのスタイルが活かせそうな仕事です。
なんとかなるだろうと思ってはいたものの、それを聞いた瞬間、胸にあった不安がスーッと引いていくのを感じました。思わず表情が緩むのを感じて自分でもおかしくなるほどでした。何はともあれ、会って話をすることが先決です。
いくつかの会社を紹介頂き、さっそくそのうちの1社に面接に伺うことになりました。とはいえ、具体的な職種が決まっているのではなく、私のようなキャリアを積んだ者であれば何かの可能性があるかもしれないという内容。どんな可能性だろうか・・・・・という思いで臨んだ初の面接は確たる手応えもなく、なんとなく終わってしまいました。
「吉澤さん、ダメじゃないですか。会社側から何か心地良いことを言われるのを期待していたでしょ。そんな姿勢じゃ、どこも採ってくれません!」。面接の感触を伝えたところ、転職カウンセラーの高橋さんの第一声がこれでした。お恥ずかしながら図星。会社を紹介頂いた時点で、なんとなくヘッドハンティングされたような気分になっており、受身になっていた自分に気づかされました。専門職としてではなく、私のようにゼネラリストとしての採用面接の場合、こうなることが時々あるとのこと。
それにしても、この時の転職カウンセラーの高橋さんの剣幕はすごかった。そこまで叱ってくれる人はなかなかいません。これを機に、面接にあたっての気構え、ひいては職探しに対する気構えがずいぶんと変わったことは言うまでもありません。
「もっと面白い仕事をやりたい」という思いから転職を決意したのですが、特に具体的に何かを決めていた訳ではなかったため、転職活動当初は自分の経験が活かせる仕事をベースに転職活動を進めました。経験のないことをやりたいと言ったところで、40歳を過ぎた自分には叶わぬ思いと分かっていたからです。
が、しかし、活動を進めるうちに「世界を舞台に活躍したい」という、それこそ新卒の学生のような希望が徐々に膨らんできました。20年前の就職活動時に封印した思いが蘇ってしまったのです。私の実務経験には海外勤務どころか、出張すらほとんどありません。当初は言い出すことすら恥ずかしく感じましたが、悔いを残してはならじと思い切って相談したところ、あるではありませんか! しかも複数。
もちろん、新しいことへのチャレンジですからこれまでの収入を確保しながらできるものばかりではありません。現実的な問題と自分の夢の折り合いをどうつけるのか、悩みに悩みましたが、転職カウンセラーの高橋さんに親身に相談に乗って頂き、良い選択ができたと思っています。
ご担当の転職カウンセラーの高橋さんには本当にお世話になりました。40歳を過ぎた手に負えない自惚れ屋を相手に、ときに優しく、ときに厳しく、とにかく熱く、辛抱強くお付き合い頂きました。数々の名言を残して頂きましたがここで書き尽くせるものではありません。
転職カウンセラーの高橋さんは、仕事の経歴のことを「トラックレコード」と喩えられることがあります。「吉澤さんは、とても良いトラックレコードを持っている」と言って頂いたことが、実はとても大きな励みになっていました。間もなく新しい仕事が始まろうとしていますが、新たなトラックレコードをより良いものにしていくことが、お世話になったことへのご恩返しだと思います。