採用コンサルティング企業 研修事業部 マネジャー
(株)リクルートマネジメントソリューションズ 法人向け企業研修部門 営業職
佐藤 由利子 氏 43歳 / 女性
学歴:都立高校 卒
2009年の夏・・・プライベートで大きな変革があり精神的にかなりまいってしまっていた8月に、信頼をし切っていた会社が派遣社員の雇用止めを実施しなければならない状況に陥り、愕然とし、また憤りが抑えられない心情になりました。
それはマネジメントに長く従事した自分のスタンスを揺るがす出来事で、多様な働き方を応援しながら活かしていきたいという思いが強い私には、派遣社員とは言え大事なメンバーを辞めさせなくてはならない状況に直面し、自分の無力さを実感してしまい、会社を信じることが難しい気持ちになっていました。
勿論、派遣だけではなく社員も今後のキャリア選択を迫られた訳で、もともと40代で次のキャリアチェンジを考えていたこともあり、長年勤めてきた会社を退職することを決意しました。世の中大不況の中、子供も抱え、この決断は今更ながら普通では無謀としか言いようがありません。勇気と覚悟の勇断であったことは間違いないです。決めたのはいいですが、一時はひどい喪失感を感じ、再就職に向けての意欲はまったく湧き上がってきませんでした。「まっ、失業保険も出るし・・・そのうちに何とかしよう」これくらいの軽い気持ちであったのです。そんな時、頼りにしている長男が私立中学に通学していたのですが、私が会社を辞めるという状況を伝えると悩みに悩んだ末、都立高校受験の為に公立中学に転入をするまでの決心をし、自ら先生にその決意を伝えてきたのです。
自分が何をすべきなのか?どんな生き方をしたいのか?会社に残る大事なメンバーに自分が伝えるべき姿は?etc・・・
長男の頑張りに刺激を受けそして励まされ、“自分らしく生きる”にはどうしたら良いのか?をとことん考えるきっかけとなりました。人間、独りでは生きていけないし、誰かの助けが必要なのですよね。そう思った出来事となりました。
頭で考えても、何も始まりません。即行動!
個別にキャリア相談にのって頂いていた先輩に紹介されたのが「(株)エリートネットワーク」さんでした。登録の面談まで時間があったので、その間に5年後の自分を描くことをして、軸だけは決め、せっかく転職する初めての体験なので、紹介会社でのカウンセリング体験をしてスキルの棚卸しをしながら、転職市場を見てみるのもいい経験と考えて面談に向かったのです。
「どこかいいところがあれば・・・・・」「どんな紹介が来るものなのか・・・・・」「お給料ってどのくらいなんだろう・・・・・」
と、初めての転職活動に興味を持って楽しんでいた自分がそこにはいました。
実際は、転職カウンセラーの渡部さんにお会いしてキャリア相談にのって頂き、「年収は下がります」「結構きつい仕事が多いかもしれません」etc、大不況の真っ只中の当たり前のお返事。半ば当たり前と捉えていましたので、あまり衝撃もありませんでした。
そりゃそうだよなぁ〜と思ったくらいです。この時点では、転職の意欲が低かったのは事実です。
でも、そんな私にも真摯に向き合ってくれた彼女が目の前にいて、頭と心の中がだんだん整理整頓され素直にお話することができ、「これもありますね。あれも・・・・・」と次々と職種のイメージをして頂きました。
ありがたいことに生活のことも気にして下さり、とても親身にじっくりとカウンセリングをして下さったことが、精神的には何より嬉しかったです。想像ではもっと厳しいカウンセリングになるのだろうと思っていましたので、終わった時は自分を見つめ直す機会になり、ワクワクした気分でした。
年齢も43歳。いくらマネジメント経験が豊富だとは言え、転職市場でニーズがあるのか不安でした。その不安は最初のカウンセリングで紹介して頂いた会社に興味を抱けたことで、不安は払拭されました。
紹介されたのは14年前にベンチャーで3名から立ち上げ170名になっていた中小企業。
なんと、そのベンチャーを立ち上げた現役員は、新卒で入社した会社での同期の女性でした。
あまりの偶然に本当にびっくりしたのですが、非常に懐かしくもあり、かつ何かお役に立てるなら・・・・・と、面接を組んで頂きました。
なんと、偶然なんだろう!という気持ちと同時に、大袈裟なようですが運命的な感じもありました。
私は、どんな仕事をするのか?より、誰と仕事をするのか?そして期待は何か?がとても大事なポイントであった為、この運命的な出会いにワクワクしない訳がありません。人生、何が起きるか判らないものですね。
私は、息子2人を抱える身になり、彼らとの時間を優先すること。そして将来は女性の自立に向けたキャリア支援・学生に向けてのキャリア支援をしたいと考えたこと
腹決めしたことで、転職に対する軸がぶれなくなりました。迷いが無くなれば、気持ちも大らかに構えることが出来、紹介して頂いた企業で何が出来るのか?、果たして自分が貢献できそうか?、働く優先が守れそうか?など、考えることが可能になりました。
偶然の出会いとは言え、中途採用面接は普通にスタート。最初は昔話のように「何をやってきたのか」「何で辞めるのか」など、ごく普通の面談ではありましたが、社長との3回の面接が自分にとってはとても有意義な時間でした。
社長の働く社員の生活を守る覚悟にとても共感をし、(大変失礼ながら)一緒に働かせて頂きたいという想いに、お会いする度になっていきました。やはり、いい年齢(笑)とキャリアでしたので、社長さんが考えている哲学や思想に共感できることは重要なポイントであり、その上で新規事業立ち上げに参画しないと良い仕事が出来ないと思います。
管理職で43歳ともなれば、安定志向になる場合も多いでしょう。私は、全てをリセットして自ら荒波に飛び込み、リスタートを切りたいと思ったのです。勇気を出して行動したことが、吉と出たのかもしれません。やらないより、やって失敗することの方に価値があると思っている自分にとっては、後悔しないチャレンジであったことは間違いないです。
将来に不安を抱く方も多いと思います。が、くよくよ悩んでじっとしていても、待ち姿勢では良い環境はやって来ません。自ら動くしか道はないのだと思います。そして切り開いていって欲しいと思います。
このキャリアチェンジによって、また新たな自分を創り出していかなくてはなりません。
年齢がいくつになってもチャレンジをし続ける。そして、自己実現を図りたい。そう思っています。
息子2人の成長に負けては居られません(笑)
働く母の背中を見て思春期を過ごした彼らが、「仕事は楽しいことなんだ!・・・」ということを、自分を通して実感してもらえるよう、肩の力を抜いて頑張らなくてはという気持ちです。
キャリアチェンジは未来を切り開く絶好の機会と捉え、また新たなスタートが切れることに心から感謝しており、紹介して頂いた企業に対し成果を出して恩返しをしたいと思っています。