ベンチャーから創業100年の名門企業経営企画へ転職

ベンチャーから創業100年の名門企業経営企画へ転職

No.412
  • 現職

    一部上場 物流会社  経営企画

  • 前職

    外資系大手コンサルティングファーム  プロジェクトマネージャー
       ↓
    ネットベンチャー企業  役員・事業部長

大城 努 氏 32歳 / 男性

学歴:有名私立大学大学院 理工学研究科 修了

●これまでの仕事と転職の動機

私の社会人生活は、外資系のコンサルティング会社でスタートしました。社会人としてコアとなるビジネススキルを身につけるには、最も近道だと考えたからです。覚悟はしていましたが、仕事は精神的にも肉体的にも非常に大変なものでした。日中はお客様とのミーティング、夕方から翌日のための討議資料の作成で、寝る間も無いほどの生活でした。ビジネススキルと一概に言いますが、振り返ってみると、社会人最初のこの時期に身に付けた最高の財産と呼べるものは、プロとしてサービスを提供するこということはお客様を「満足」させるだけでなく「感動」させることである、というマインドが身に付いたことであると思います。

次に考えたのが、(このようなことを考えるコンサルタントは多いのですが)自分で実業を営みたいということでした。コンサルティングという仕事はあくまで第三者として外部から企業へ関わることになるため、事業がうまくいかなかった場合への危機感であるとか、そこから出てくる底力みたいなものが、当事者として関わる場合はもっと強く感じるのだろうな、と考えるようになりました。

そこである時期に、私のような若造にもサービス立ち上げの陣頭指揮を任せて頂けるベンチャー企業を探し、会社を移ることにしました。これまで全く経験のない新しい業界で、イチからのスタートだったのですが、サービス立ち上げにかかる収益モデルの構築はもちろんのこと、法的な規制の解決に弁護士や国家機関と協議したり、マーケティング調査を行ったり、プロモーションのための映像制作を行ったりと、とにかく様々なことを経験することができました。コンサルタント時代に考えた「当事者としての危機感」についても、イヤというほど味わいました。

サービスは無事に立ち上がり、ある程度の収益が得られるようになってきました。このサービスは、企業のマーケティング活動のある一端をピンポイントで支えるものなのですが、この狭い領域だけを行うことにもどかしさを感じるようになり、一生この仕事を続けて行くことは難しいと考えるようになりました。加えて、30代中盤に差し掛かったこともあり、このタイミングで転職しようと決意しました。

●実際の転職活動

転職先としては、ある程度の規模があり、また既に社会から信頼を得ていることで良い仕事に巡り会えるチャンスを感じられること、そして長く勤められる環境であることを条件にしました。
転職活動は、大手のエージェント会社へ登録することで開始しました。しかし、当時はリーマンショックの影響で転職市場は冷え切っており、案件は非常に少なく、また、応募してもなかなか書類選考を突破できない状態でした。そのエージェントからは、私がベンチャー出身ということで、大手は大手からの人材を欲しがっており、書類が通りにくいのは仕方がないのでとにかく数を撃ちましょうというお話でした。しかし、これでは転職のための転職活動になってしまい、妥協をしてハードルを下げることにとても違和感を持っておりました。また、外資系の会社ですと書類が通ることもありましたが、ご縁を頂くには至りませんでした。もう少し今の企業にとどまって景気が上向くのを待つことを奨めるエージェントもいらっしゃいましたが、30代中盤という年齢であることと、ちょうど現職が節目の段階であったことから、それは考えにくい選択でした。

そんな中、この大手エージェントから、専門エージェントをいくつか紹介され、そこで(株)エリートネットワーク様と出会いました。最初の面談で、いつものように自分の希望を伝えるなかで、「あれ、なんかこれまでのミーティングとはちょっと違うぞ?」と感じる遣り取りがありました。
私は長く勤めたいこと、経営企画として社内の管理業務や事業開発を実施していきたいこと、外資系・日本企業には特にこだわらないこと等を伝えました。そこで「外資系でもいいというのはちょっと疑問ですね。」のひとこと。私は英語のレベルは、読み書きであればそれほど苦には感じていなかったのですが、外資系コンサルティング会社に居ながら、これまで業務で英語で話すことはほとんどなかったという状況です。長く勤めたいという考えで外資系を選ぶということは、例えば5年後のプロモーションのタイミングで本国の親会社と条件面など対等に渡りあえるだけの英語力・会話力が必要で、今の私の選択としてはお奨めできないというものでした。一生の仕事を決めようという考えを汲み取って頂き、真剣に考えてくれていることを感じました。
また、もうひとつ。ちょうどこの面談の時期は、私が希望する様な企業は新卒採用の最中で、良い案件が出てくるまで少し待って欲しいと言われました。実はこれまで、他のエージェントさんでは、とりあえず面談したその時点での案件の中から近いものを提示されるものの、積極的に応募したい内容とずれていることが多く、そのまま関係が途絶えてしまうこともあったため、ここは信じて待つことにしました。

時間が経ち、面談で言われた通り、いくつか案件を紹介頂きました。これはと思う企業に応募したところ、無事に書類が通過。面接については、小手先のQ&Aというよりは、面接官として想定されるかなり上の年齢の方から見た30代についてどう映るかをお話頂き、どのような態度で臨むべきかを叩き込まれました。その結果、面接も無事に通過。無事に希望の会社から内定を頂くことができました。

●転職活動を終えてみて

私は幸運にも無事に転職活動を終えることができましたが、重要だと感じたのは大変月並ですが、「いかに自分の将来にプラスになる案件に出会えるか」「いかに洗練された自己表現をできるか」です。そしてこの二点を達成するためには、転職エージェントと上手く付き合っていくことが私にとっては近道になったと思います。エージェントとの良いパートナーシップを築くために私が考えていたのは次の二点、

1. 真摯な対応
2. エージェント会社の見極め

でした。


1. 真摯な対応

よくエージェント経由だとより多くの非公開案件を紹介頂けると言われています。それはもちろんそうなのですが、問題は、その企業に入ることが自分の将来にプラスになるのか?どんなリスクを孕んでいるのか?を真剣に考えて頂き、また率直に話して頂き、お互いが納得して先に進むことができるかどうかということです。そのためにはエージェントとの信頼関係を構築することが大切なのだと思います。実は内定が出た後、(株)エリートネットワーク様から、「中途採用の案件が出てくるまで待って欲しい」と言われたことに私がOKして信じて待っていたことをとても感謝され、何とか良い案件を紹介しないとという気持ちがより高まったとお話頂きました。また、もちろんエージェントの方への普段のメールや態度についても、かなり気を使いました。私のことを真剣に考えて頂くために、こちらも真摯に接しようとしたことが少なからず良い方向に進んだのだと思います。


2. エージェント会社の見極め

大手エージェント会社と小規模エージェント会社には、それぞれに特徴があり、双方共にお付き合いがありました。
大手の場合、エージェントの方は皆さんしっかりと教育され、どの方からも一定のサービスを享受することができたと思います。応募書類に対してはかなり細かくアドバイスして頂くことができましたし、面接前の対策でも一般的な想定問答(自己PR・転職理由・志望動機など)に何度もお付き合い頂き、骨格はこの段階でしっかりと固めることが出来ました。その一方で、応募企業についての質問をすると、エージェントの方と実際の企業担当の方が異なるため伝聞形でお話し頂くことが多く、その企業が非常に遠く感じられていました。
小規模エージェントではこの反対で、エージェントの方が実際に法人営業として企業の担当になることもあるということで、各企業のカルチャーや雰囲気等より身近に感じ取ることができました。一方で、少人数のためサービスを提供する相手を選ぶのでしょう、まともに取り合ってくれないエージェントさんもいらっしゃいました。
どちらが良いというのではなく、それぞれの特徴を生かしてうまく付き合っていくことを考え、相性の良いいくつかのエージェントさんと最後までお話ししておりました。



転職活動を終え、これからがいよいよ本番です。新しい業界、新しい会社ということで緊張と期待とでいっぱいです。活動にあたってこれまでの人生を振り返り、最後の転職のつもりで将来のことをたくさん考えました。納得のいく人生を送ることができるかどうかはまだ判りませんが、これが良い転機だったと思えるように新しい職場でも精一杯努力を重ねていきたいと思います。

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