法科大学院卒業後、司法試験挫折を経て提案営業職へ

法科大学院卒業後、司法試験挫折を経て提案営業職へ

No.432
  • 現職

    株式上場 ITソフトウェア会社  提案型法人営業職

  • 前職

    未就労

外村 久司 氏 27歳 / 男性

学歴:都内有名大学 法学部 卒 → 都内私立大学 法科大学院 修了

1、はじめに

私は当初法律家を目指し、都内私立大学法学部卒業後、都内私立大学法科大学院に進学、卒業し、司法試験を2度受験しましたが不合格となり、就職活動を始めるに至りました。つまり、実質的には転職活動というより未就労・未経験の初めての就職活動ということになります。
そして、試験の発表で不合格となったのは2010年9月9日であり、最終的に内定を頂いたのが11月の上旬でしたので、就職活動期間は正味2ヶ月ほどです。以下は、この期間の活動を4分割にしてお伝えしたいと思います。

2、2010年9月

先述の通り、私は9月9日の司法試験合否発表で不合格となり、この日の2、3日後から就職活動を始めました。
この時、私には①来年もう一度試験にチャレンジするか、②法律家の道を断念して別の就職先を探すか、の二つの選択肢がありました。しかし、私は不合格発表前から、不合格になれば②の選択をし、就職活動をしようと決めていました。理由は複数ありますが、主には(a)来年の向上可能性も含め、力を出し切ったと思えたこと、(b)周囲の支えてくれる人々への精神的負担、(c)経済的理由、です。ですので、不合格となってからは何ら未練を残すことなく就職活動に移行できました。

尚、同じように法科大学院を卒業し、今後司法試験を断念される方にこのページを見て頂けているかもしれませんので参考にして頂ければ幸いであると思いますが、今まで司法試験にチャレンジされている方々は来年も受けるか否か迷いつつ保険の意味も兼ねて就職活動をされる方が少なくないものと聞きますが、やはりいずれも集中的に取り組むことができず、ポジティブな結果には結びつかないことが多いと聞きます。ですからいずれにするにせよ、思い切りのいい判断が求められることは周囲の一致した意見です。

まず私は、実際に就職活動の経験があり、現在就労中の知人に活動方法の詳細を尋ねました。やはり今までしたことのないことをする場合、実際したことのある人に話を聞いてみることが近道であると思います。皆様も私のように未経験で初めて就職活動をなさろうとする場合や初めて転職活動をなさろうとする場合には、実際に働いている周囲の方々や実際に転職経験がある方にまず相談されてみることをお勧め致します。
そして、その知人がまず複数の人材紹介会社の転職サイトに登録すべきだと教えてくれました。理由を尋ねると、①情報が得られること(就職活動のノウハウのみならず状況、分析も含む)②求人案件を紹介してもらえること、の二つでした。

①については、確かに本や就職情報誌でも得られる部分は少なくないと思いますが、自分が興味のある分野の情報を端的に提供してくれるものは多くありません。この点紹介会社のエージェントの方にはこちらの希望分野に特化して情報を提供して頂けるのみならず、手持ちのスキルも総合的に考慮してあり得る選択肢を示して下さるので、とても有益です。

②については、紹介会社に登録しなければ、自分で興味のある会社のホームページから直接エントリーすることが主な活動スタイルになるものと考えられますが、自分の興味のある分野とはいえ知っている企業の数はやはり限界があります。つまり①とも関連するのですが、積極的に求人を出している企業を知り易いことが大きなメリットであるといえます。

更に、私が実際に(株)エリートネットワーク様のお世話になり感じたこととしてもう二つあります。一つは、③数ある企業の中で積極採用企業を紹介してもらえることです。②でも先述したとおり、就職活動の方法として確かに各企業のホームページから直接エントリーする方法もあるのですが、企業の真の求人状況は外観からは判断し難いです。つまり、就職困難が叫ばれる現在の不況下でも、ほとんどの企業は採用活動を行っているので、個々の企業が積極採用するつもりであるのか、自社のホームページに求人は掲載されているものの率直に言えばほぼ採るつもりがないのかは判らないのです。この点紹介会社に求人を出している企業の場合、やはり自社ホームページのみに求人を出している企業に比べ、積極採用の意欲が強いと考えられるのではないでしょうか。どうしても自分の行きたい会社しか就職活動するつもりがないという人でもない限り、この線引きはとても重要であると考えられます。

また、もう一つは、④人材紹介会社の「紹介」としての意味合いです。確かに、紹介会社は就職活動の「お手伝い」をするスタンスであり、実際の企業の選考が何かしら免除される訳でもなければ、紹介して頂いたにも拘らず書類通過しないこともあります。しかしやはり、直接企業のホームページからエントリーしてきた方は、誰か第三者のフィルターを通過した訳ではなく、企業から見れば言わば海のものとも山のものとも分からない状態です。紹介会社は応募先企業とは関係ない独立した組織であるとはいえ、「紹介」するにはある種の責任をお持ちになっているはずであり、そのことを企業側も信頼しているはずだと思います。実際(株)エリートネットワーク様が転職カウンセリングを通して人柄やコミュニケーション態度などを見て最も合う企業を紹介するスタイルからも、このことは言えるのではないでしょうか。

そして、実際に私は10社ほどの紹介会社に登録させて頂きました。その中でも(株)エリートネットワーク様にはいち早くお返事を頂け、すぐにご面談させて頂けることになりました。そこで転職カウンセラーの廣重様に初めてお会いし、希望業界・職種を尋ねられました。私は法律家を挫折したこともあり、専門の法務よりも提案やコンサルティングの仕事に興味があることをお話ししました。そこでは、現在の転職率や募集状況も含めた転職マーケットのお話しを伺えた他、2、3の求人案件をご提案頂けました。
私は、その内の一つの大手企業の法務担当の案件に応募させて頂くことにしました。その際、私が希望する提案・コンサルティングの職種も紹介して頂いたのですが、そちらは既に自ら企業のホームページで直接応募してしまっていたので、お断りしました。そしてその上で、もう一つの選択肢として「希望職種」を重視するのみならず、法科大学院卒業という今あるスキルに着目して法務担当の案件に挑戦してみては如何ですかと提案して頂き、挑戦させて頂くことにしました。

3、2010年10月前半

結果的に、この会社の法務担当の選考は2次面接で御断りのご連絡を頂きました。理由は年齢的な問題で、今現在唯一この会社で法務担当としてやられている方と同い年であり、部下としてついて二人きりでやっていくのは厳しかったのではないかと転職カウンセラーの廣重様からフィードバックして頂きました。私としてもそれが企業様側の理由であったのかは判りかねますが、少なくとも就職活動は様々な要素で通過の有無が決せられるのであり、通過させて頂けなかった企業様については反省すべき点があれば真摯に反省すべきですが、自分としてはある程度企業様への意欲を表せたと思えており、エージェントの方に頂いたフィードバックで改善し得る内容でないものであれば、気にせず次の活動先に集中することが得策であると思います。特に採用枠が1名しかないような求人案件では、企業としても想定する人物像にほぼ完全に合致しているような人材しか採らないような案件もあり得ると思います。

4、2010年10月後半

次に、結果として最終的に内定を頂けることになるITソフトウェア会社の提案営業職の案件を廣重様からご提案頂きました。私は2でも先述したとおり、法務専門であったとはいえ法務担当よりも提案・コンサルティング業務に強い興味を持っており、そのことを廣重様にもお伝えしていたのであり、これを覚えていて下さり、提案して下さったのです。更に、この案件は本来大学院を卒業し1年半経過し、未経験である私でも新卒枠で応募できる貴重な求人であり、自信を持ってお勧めしたいとのお話を頂戴し、迷わずチャレンジさせて頂くことに致しました。
少し話がそれますが、(株)エリートネットワーク様が信頼できる大きな理由の一つには、私の活動に少しでも役に立てばよいとの思いから、耳の痛いことも率直に話して下さる点です。私の場合は大学院を卒業し1年半経過し、全くの未経験である27歳であり、非常に厳しい状況にあることは認識して下さいと念押しされました。実は就職活動を終了した今になってみれば当たり前のこうしたお話でも、その時点では当人は楽観的に考えてしまっているものであり、第三者の立場から忌憚なくご指摘頂くことは大変重要であると思います。
そして、まず筆記試験を兼ねた説明会に伺わせて頂き、できる限り情報収集をしてその後の選考に臨みたいと考えていました。

5、2010年11月前半

幸運にも筆記試験を通過させて頂けた後、都合6人の方と一人ずつ、6次面接まで選考して頂き、内定を頂けました。
この間も廣重様とは密に連絡を取らせて頂き、一つ一つの面接について企業様からフィードバックを頂き、改善できる点があればできる限り改善していくことを繰り返しました。

6、最後に

今になって就職活動に重要な要素であると思うのは、その会社に入りたいという熱意と素直さであるように思います。勿論個々人が培ってきた能力やスキルは基礎となりますし武器にもなり得るのですが、ある意味選考の入口で主に要求されるのみで、ある程度進むと最重要視されるのはやはりこれらを含めた人柄であるのではないでしょうか。
熱意がなければそれが面接ですぐに伝わりますし、事前の企業の情報収集にも十分な力を入れることができません。そして何よりも活動中に熱意を持てない会社に本当に勤めたいでしょうか。選んで頂く側の立場であるとはいえ、熱意を持てない会社の選考に無理して参加させて頂くことはお互いに時間と労力と費用の無駄に他ならないのではないでしょうか。

また、素直さが重要であることも言うまでもありません。その理由は、謙虚で素直な人でなければ人は信頼しないし、一緒に仕事をしたいと思わないと考えられるからです。結果として選考においてもポジティブには評価して頂けません。また、自分自身としても他の人から頂いた意見を真摯に受け止められず自分の肥やしにできないため、向上の機会を失い続けるように思います。おそらく就職活動中は人間的成長も期待されるものと考えられるので、周囲の意見を正面から受け止め、肥やしとしていくことが強く要求されると思います。幸か不幸か私の場合、試験に挫折して就職活動に移行したので、自分としても何も知らず、完全な未経験・未就労の出遅れスタートであると自覚していた分、転職カウンセラーの廣重様をはじめ、比較的素直に周囲の方々の意見に向き合えたものと思っています。

最後になりますが、この拙い体験記が、今から就職・転職活動をお考えになる皆様に少しでもお役に立ち、最適な勤務先に進まれる一助となることを願って止みません。
また、お世話になった(株)エリートネットワーク様、特にご担当頂いた廣重様には大変感謝致しております。本当にありがとうございました。

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