一部上場 大手物流会社 経営企画部 スタッフ
大手監査法人 公認会計士 シニア
二村 道太 氏 31歳 / 男性
学歴:東京大学 経済学部 経営学科 卒
TOEIC760点
私は公認会計士二次試験合格後、大手監査法人に就職、7年間勤務しましたが、2010年10月末に法人の実施した早期退職プログラムに応募、監査法人を退職することとなりました。
大手監査法人では、勘定科目の監査から始まり連結も含め、インチャージも担当し、担当クライアントの規模も数十名〜数万名、業種もメーカー・卸・小売・建設・不動産・SIer等々多岐に渡り、経験の機会を得ることができました。
監査法人での仕事は基本的には後追い作業のためダイナミックとは言い難い面があり、また取り組み方によっては書類の作成に終始してしまうこともあるため、つまらない・やり甲斐がないと言った声も時折聞かれるのですが、そうした中、私は会計数値の基礎となる事実確認の方法や内部統制の整備・運用の手法等、経験を得ることができ、適度の緊張感と自負を持って仕事することができたことはよかったと思っています。
ただ、通常であればプロジェクトチームの形で1つ1つのクライアントに対し全体的かつ長期的に取り組む環境が与えられるところ、私の担当クライアントは民事再生法適用・上場廃止・他の法人及び部署との共同監査を行っている、といった事情があり、そのように通常得られる環境は得ることができませんでした。また、今後残ったとして、そのような環境を得られる見込みもありませんでしたので、早期退職プログラムに応募・退職を決意しました。
昨今、弁護士の合格者数急増に伴い価格競争の激化・弁護士の失業の急増といったことがメディアで時折取り上げられており、公認会計士も近い将来似たような状況を迎えると思い、公認会計士業界そのものの将来性に疑問を感じていたこともあって、転職活動は一般事業会社に絞って行いました。
転職にあたって、退職を決めた8月から実際に退職する10月までの3ヶ月間、仕事をしながらTOEICの勉強をしていたのですが、退職後はそれまでの疲れが残っていたこともあって、転職活動は11月下旬から開始しました。
11月中に転職エージェントを6社訪問し、30社程度の求人の紹介を受けました。転職活動を始めたばかりでもあり、当初は東証一部上場企業の経理・財務・経営企画に限定して活動を進めていました。訪問したエージェントはそれぞれに得意分野が異なっており、訪問した中で東証一部上場企業の経理・財務・経営企画に強みがあると思われた2社に限定して活動を進めることにしました。
まず活動を早く開始することに重点を置いていたため、履歴書・職務経歴書の書き方が少しアピールの弱いものになっているように後から感じました。私の場合、○○年入社・・・○○担当・・・・・といった具合に淡々と書いていったのですが、書類選考の段階からかなりの倍率かと感じましたので、例えば連結であったり、一部上場企業のインチャージであったり、外資系企業への往査であったり、監査法人に所属していれば誰もが担当したことがあるという訳ではない業務の経験があるのであれば、その点はアピールすべく履歴書・職務経歴書に織り込むべきだったというのは後から気づいた点でした。
12月に入り、応募した中の6社から書類選考が通過し、1次面接の連絡がありました。面接にあたっては、自己紹介・退職理由・希望動機等々、想定問答集を作成、リハーサルを行った上で臨みました。やはり面接は日常の仕事とは異なる独特の雰囲気がありますので、準備・練習といったことは必要だと感じました。本来であれば能力的に足りていたとしても伝わらなければ意味がないと思います。また、面接に行ってみると擬似的にではありますが職場の雰囲気も体験できますし、あまり乗り気ではなかった案件でも思っていたほど悪くはなさそうといったこともありましたので、志望度とは関係なく積極的に行ってみるといった姿勢も必要かと感じました。
面接では、早期退職制度に応募した背景として法人がどのような状況にあったのかといったことを多く聞かれましたが、法人の経営が悪化していたというのは事実であるにせよ前の職場の批判めいた発言がありますと好ましくないため、回答に苦慮しました。例えば、
ローテーションに関して通常は3〜5年程度のサイクルであるところ私の場合は半年〜1年程度で担当替えになっていた(担当会社が民事再生法適用・上場廃止等)ため、本来の仕事に集中して取り組める環境になかったといったような受け答えをしたのですが、言い方によっては前の職場のローテーションは計画性がないといった内部批判や自分が仕事に集中できなかったのは前の職場のローテーション制度のせいだといった愚痴・責任転嫁にも受け取られかねないため、回答には気を遣いました。
また、特に1回目の面接では想定していた質問ではあったけれども聞かれ方が想定していたものと違った、想定外の質問が来た、等でうまく回答できなかった質問も多々ありましたので、面接での質問事項を終わった後に家で取りまとめ、想定問答集の更新・再度のリハーサルといったことも行いました。
募集職種・応募要件と自分の経験・能力の紐付けといったことで回答できる質問に関してはそれほど苦にはなりませんでしたが、仕事の中で問題が見つかった場合にどのように解決を図るか?・仕事上の衝突があった場合にどのように対処するタイプか?・ガス抜きはどうしているか?といったような仕事への取り組み方に関する質問に関して回答に詰まることが多かったように思います。日々の仕事の中では、なかなか落ち着いて考えることがないような事柄ですので、こういう機会にじっくり考えてみることもいいことであったように思います。
面接では以上のような感想を受けましたが、内定が出ればどこでもいいというスタンスで進めていた訳ではありませんので、並行して会社研究・業界研究も行いました。会社四季報の他、ダイヤモンド社の「会社図鑑」という書籍、会社のHP、会社に関する掲示板の書込等をチェックし、職業柄、特に売上高・利益・主要株主・資産状況等はチェックしました。ただ、売上高等の数値に関する情報は公開情報からもかなりの程度得ることはできるのですが、職場の雰囲気・社員の雰囲気・人間関係(ドライor日本的等)といった公開情報からは読み取ることが困難で、会社に直接も聞きづらいことに関しては、転職エージェントから得られる情報の有用性は高かったように思います。普通であれば社内に知り合いでもいなければ分からないようなことも教えて頂くことができました。
こうして、面接・企業研究を進める中で、結果としては12月中に内定を受け、1月からの入社が決まるに至りました。振り返ってみると、私が紹介を受けた案件はいずれも会社のHPでは公開されていない非公開の案件で、転職活動は転職エージェント抜きでは成り立たないことを強く感じました。また、転職エージェントにより紹介される案件の募集企業・募集職種は大きく異なり、転職先を見つける前に、まず信頼できる転職エージェントを見つけることが極めて重要だと思いました。そうした中で今回は、(株)エリートネットワークさんという信頼できる転職エージェントを通じて、希望する職種・勤務条件の企業に転職することができ、良かったと思っています。