ベンチャーキャピタリストからM&A担当への転身

ベンチャーキャピタリストからM&A担当への転身

No.546
  • 現職

    一部上場投資コンサルティング M&A担当

  • 前職

    独立系ベンチャーキャピタル 投資担当

吉田 誠 氏 31歳 / 男性

学歴:慶應義塾大学 法学部 法律学科 卒
米国公認会計士
TOEIC875点

— 活動期 —

背景/出会い/活動開始/正念場/感謝

【背景】

国内の金融機関で新規の海外事業 (フロント) に携わってきて3年が過ぎようとしていた頃、以前から会社への貢献・人柄・専門性という点で尊敬していた方が率いる管理部門 (ミドル・バック) に異動しました。
1年ほど前から声をかけて頂いていたものの、市場環境が悪い時こそ実力を試されるフロントでやり続けたい、という思いが強かったため見合わせて頂いていたのですが、会社の中での業務のプライオリティやバランスが変化するなかで異動となりました。
フロントを続けられない形での異動は自分にとって大きなショックでしたが、これまで海外事業の先端を走らせてもらった会社への感謝の気持ちと、会社の中での管理業務の業務量・重要性が増してきていた 「組織としての流れ」 は頭では理解していたため、まずは腹を括って半年必死に頑張ってみてから考えよう、と思いそれを実行しました。
その結果、やっぱりフロントに戻りたいと強く思いました。しかしながら、「組織としての流れ」 は強まる一方で、少なくとも2〜3年はフロントに戻るのが難しいと分かってきました。

振り返って自分のこれまでの経験を考えると、新卒で入社した会社でも最初の配属は希望とは異なり、契約を申し込んで来て下さった顧客を日々断ること、そしてそれに対する顧客のクレームにひたすらお詫びをする、という仕事でした。
1日100本以上のクレーム電話にひたすらお詫びする、という過酷な業務環境下で体調を崩す先輩社員も多かった中で3年弱真剣に取り組むことで自信がつき、また、顧客サービス向上のための新しい取り組みや、業務改革などで実績を出し、全社的なプロジェクト等に貢献することで存在感をアピールすることで今でも尊敬する上司と巡り合い、希望のファイナンス関連の仕事へと異動が叶いました。

また、新しい部署では一見関連がなさそうな経験でもそれが活きて自分ならではの貢献ができることがありました。更に、入社後6年弱経過して初めての転職を、新しい分野に挑戦することになった際にも役立ちました。
そうした経験からすると、もう少し辛抱してみようという思いもあったものの、自分が仕事を通じて成したいこと、年齢と経験のバランス等を考えると、どうしても今フロントをやりたい、と真剣に悩みました。
今までが、基本的に常にポジティブ思考で前進することばかり考えていたので、社会人になってすぐにぶち当たった壁を乗り越えて以降は深く悩むことはなく、自分は超ポジティブ人間だと思っていました。

しかし、今回ばかりはどうもネガティブ思考で考えてはそんな自分が嫌になる自己嫌悪、悪循環に陥り、表情も冴えないし体調も悪い、とは言え職場は戦場であり神経衰弱的でもあり、多忙で睡眠時間は3−4時間しかとれない、という状況に陥りました。
今までにどんなに仕事がうまくいかなくても残業がもっと多くても感じたことのない種類のネガティブな感情を、毎日自分でポジティブ思考へと変換しては翌日またその繰り返し、という状況となりました。
上司や同僚、海外拠点の先輩や同僚に相談し、また、人事部で採用時にお世話になった方にも相談しました。また、家族や親しい友人にも相談しました。
様々なアドバイスを頂きながら悩んだ末、自分自身の判断として転職を考えることにしました。

【出会い】

強烈な印象、これが転職カウンセラーの高橋様との出会い、最初の面談時の印象でした。
自社と自分の強みを非常に明確に語る、こちらが多くを語らなくても断片的な情報から瞬時に理解する、耳が痛い内容でも直球勝負で投げてくる、という点で、自分がこれまでお会いしたことがある人材紹介業界の方とは一線を画す強いプロフェッショナリティーと個性を感じました。
同時に、これまで金融のフロント業務を通じて出会ってきた企業経営者、その中でも高い実績を挙げている確率が高いと感じていた(株)リクルート出身の強い営業力・リーダーシップ・個性を持つ経営者のイメージとも重なりました。

直観的に 「信頼できる」 と感じたものの、当時の自分は、もっと前に前に攻めて自分を成長させるために転職したい、という切実な気持ちと、転職するかどうかも含めて真剣に悩んでいるのでまずはお悩み相談的に話を聞いて頂きながら気になった1つの求人案件について考えてみたい、という中途半端な気持ちが混じっていたためか、アドバイス頂いた内容の一部は正直に耳が痛い、とも感じました。
「多くを語らなくても断片的な情報から瞬時に理解する」 という点では、自分が意図的に作った経歴書の行間こそが自分にとっての最大の課題でしたが、その点も瞬時に見抜かれました。ただ、その点を詳しく話そうとするとどうもあまり話させてもらえない、と感じました。

後から振り返って考えると、それはポジティブ思考・ネガティブ思考の分岐点でした。その時の自分がそのまま話すと無意味なネガティブ思考に陥っていたことは容易に想像できるので、そのあたりの相手の急所を行間や表情から読み取ったうえで、長所を引き出せるようなポジティブ思考での話し合いの場へと導いて下さったのだと思います。ただ、当時の自分は自分で自分を心理的に追い詰めてしまっていたので、そこまで思いが至る心の余裕や平静心もありませんでした。
総じて、転職の相談に行ったら説教をされたと感じた部分もあったものの、言っていることは本質的でもっともなことだし、それをストレートにぐさりと心に刺さるアドバイスを下さるコンサルタントはなかなかいないだろう、という思いでした。

また、ビジネス的な視点では、採用する企業側にとって(株)エリートネットワーク社が中途半端な気持ちの候補者を避けて質の高い候補者を紹介してもらえるエージェントであるという信頼があれば、応募者にとっても(株)エリートネットワーク社に推薦してもらうことは、他の人材紹介会社経由よりもアドバンテージを得られるのではないか、とも思いました。

【活動開始】

最初に気になった企業への応募は、書類選考で落ちてしまいました。
景気が悪いなかでも特に環境が悪化している分野での数少ない求人だったことと、自分の経験が活かせそうだと思っていたので書類だけで落ちたことはショックでした。
「候補者を厳選する(株)エリートネットワーク社のことなので、応募先に断られたのはもちろんだが、それ以前に私自信の中途半端さを考慮して(株)エリートネットワーク社の判断で強い推薦が得られなかったのではないか。」 などと邪推してみたりしました。ただ、高橋様と再度面談頂き力強いアドバイスを頂き、腹を括ってポジティブ思考で続けることにしました。

いざ本気で活動しようにも、業務の繁忙期のピークが約2カ月後に控えていたので、何とか早期に大部分を決着したうえで業務のピークを落ち着いた精神状態で乗り越えたい、と思っておりました。
しかし、業務で突発案件なども増えて活動はかなり制限せざるを得ない状況でしたので、高橋様に厳選頂いた求人案件と、あとは親しい友人や業務を通じて信頼関係を築いた知人経由の人脈を頼りに活動を開始しました。

【見えてきた光】

2件目以降の求人案件に対しては、高橋様のアドバイスを元に経歴書の体裁を見直し、書類選考を通過しました。面接前には、かなり定性的で職場の状況がイメージできるような情報を頂けたと共に、自分の思いを伝えるばかりではなく相手と 「会話」 することに重点を置くことや、志望動機以外に先方への質問を30以上考えておくようアドバイスを頂きました。

その時の自分は、日々の業務に追われており、気持ちの面でも切羽詰まっていたため、基本的なところもおろそかになるリスクがありましたが、こうした高橋様のアドバイスは後から考えても大変有意義でしたし、全てすぐに実行しました。
そうは言っても、すぐには面接でも思うように自分を表現できず苦戦しましたが、なんとか面接プロセスが進み、業務内容がマッチして志・社風も非常に共感できるA社と巡り合いました。

【正念場】

しかし、良い感じで進んでいながら、それより先の連絡がA社からなかなか来ません。さすがに不安になっていたところ、前職の同僚を通じて少し進んでいたB社との話がにわかに具体化してきました。
そのB社の話もフロントでありこれまでの経験が活かせるポジションという点では魅力的でしたが、安定した大企業であり、よりリスクが大きくても少しでも裁量が大きい会社・ポジションで攻めたい、という自分の志向からすると若干毛色が異なる面がありました。

B社からオファーが決まる一歩手前とはいえ、実際にオファーが来るまでは定かでないため、高橋様にその話をその時点ですべきか一瞬迷いました。不愉快に思われると思ったからです。ただ、信頼関係を第一に考えると、話すべきだと決断し、意を決して話しました。
高橋様は、最初の面談の時に根詰めてみっちり話し合った志向と異なるのではないか!?と疑問を露わにされました。ただ、私自信、高橋様のおっしゃる意味は痛いほど分かっていたので、その日はただ謝ることしかできず、次の日改めて状況や経緯を話し、今後のA社との進め方を話し合いました。

B社からオファーが決まると1週間で回答を求められることになっていました。よって、A社の進捗を急ぎたかったのですが、社風としてもじっくり時間をかけて候補者を見る会社ということであり、なかなかゴールが近づきません。
そうこうしているうちに仕事も繁忙期のピークに突入し、面接の日時調整も容易ではなく胃が痛くなるような状況が続きました。そして、ついにB社からオファーが決まり、通常の想定スケジュールではA社は多忙な経営者との面談の調整等考えると間に合わない可能性が高い状況となりました。
ただ、高橋様は 「この日までに結論を出させてみせます。それが私の仕事です。」 と言い切られたので、私自信も信頼する覚悟ができ、B社への回答期限もぎりぎりまで伸ばしました。

週末に家族とじっくり話し合いました。妻は子供2人のことを考えて育休中で職場復帰の可能性もあり、また、近くに住む自分の両親にも子育てでは協力してもらっているので、それぞれに相談しました。
A社はまだオファーが出ていなかったので、転職自体とオファーが出ているB社について主に話し合い、いずれも転職を決断すること自体には理解を得られ、また、B社は安定していて良さそうとの意見でした。

A社からオファーが出れば、あとは自分でどちらを選んでも家族の理解は得られる、という感触は得られたものの、A社からオファーが出るか否かはこれから実施される最終面談 (社長面談) の結果にかかっており、際どい局面でした。
高橋様の 「大きく深呼吸をして堂々と会話すること。」 というアドバイスを念じながらA社との社長面談に臨みました。相手の感触までは分からなかったものの、自分自身のことはうまく表現できたので後は結果を待つのみ、という気持ちでした。

結果は、社長との面談は終わったが、会長とも面談して欲しいというものでした。A社は通常社長面談が最終と聞いていたので、有難いお話であるのは間違いないものの、もう一度試される、という緊張感と、スケジュールが調整できるかという不安がありました。
何とかスケジュールを調整頂き、「相手の高いエネルギーに負けないようしっかり会話してきて欲しい。」 という高橋様のアドバイスを胸に面談に臨みました。圧倒的なバイタリティと志に共感し、自分自身の腹が決まりました。結果、A社から正式にオファーを頂き、即答しました。また、B社のオファーは丁重にお詫びのうえお断りしました。

職場では、繁忙期のピークを丁度無事乗り切ったため、すぐに上司に退職を申し出ました。ピークを越えたとはいえ、職場に負荷がかかってしまうことには変わりないため、退職日は余裕を持って相談のうえ決定し、円満に退職できることとなりました。

【感謝】

転職カウンセラーの高橋様に心より感謝しております。自分にとっては、転職コンサルティング、というよりは、志を貫くために必要なチャンスを掴むために不可欠なコンサルティングをして頂いた、と思っております。特に、きっかけを掴むのに必要な気持ちの入れ替えや面接準備のアドバイス、また、交渉の重要な局面で明暗を分けるような要所でのサポート力などプロとして、人間として尊敬しております。
また、相談に乗って頂いた職場の上司や同僚、家族や友人にも改めて感謝の気持ちです。この気持ちを胸に刻んで、新しい職場での仕事に邁進したいと思います。

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