一部上場 金融機関 企業内弁護士
法律事務所 弁護士
山本 良子 氏 41歳 / 女性
学歴:慶應義塾大学 大学院 法学研究科 公法学専攻 修士課程 修了
New York University School of Law 修了(LL.M. in Corporation Law)
日本国 弁護士
米国 ニューヨーク州弁護士
2つ目の法律事務所での勤務弁護士生活も10年を超え、このまま所属事務所で企業法務系弁護士として骨を埋めるつもりでいました。ところが、リーマン・ショックや東日本大震災等を契機として取扱案件の質と量が変化し、所属事務所の経営状態が急激に悪化することになり、経営弁護士との話し合いによって、他の途を探ろうということになりました。
こういう場合の 「他の途」 として、他の法律事務所への移籍か、独立して事務所を構えるか、というところですが、いずれにしても顧客開拓能力が要求されることになります。けれども、この不況の中の弁護士大増員という状況下で一から顧客開拓できる自信はありませんでしたし、例え運良く開拓できたとしてもおそらくは個人顧客中心となって、企業法務の取り扱いはほとんどできなくなる懸念がありました。そうなるよりは、いっそのこと企業の中に入って一会社員となって企業法務を継続して取扱いたいと思い、いわゆる 「企業内弁護士」 に転身するべく転職活動を開始しました。
企業や役所等の組織内で働く弁護士の数は10年前に比較して10倍に増加し、既に企業内弁護士として活躍されている方々の講演や体験記などが披露され、法律事務所以外の弁護士の新たな活躍の場が拡がるなどと喧伝されていたこともあって、当初はせいぜい長くても3か月程度でどこからか内定を頂けるのではないかと安易な期待を漠然と抱いていました。
しかし、いざ複数の弁護士・法務職に特化した転職エージェントに登録して話を色いろと聞いて回ったところ、最近の企業側が求めているのは比較的経験年数が少ない若手の弁護士であって、40代や経験年数10年超えの弁護士を対象とする求人はそもそも非常に少ないうえに、40代ともなれば部下を持つ立場になることから、企業内でのマネージメント経験が重視されるようになり、私のような法律事務所のみの就労経験では特に国内企業への就職は相当至難の業であることが判明しました。
そして、それはやがて身をもって知ることとなり、マネージメント経験がないことを理由とする書類選考落ち、また、運良く一次ないし二次面接に進められたとしても、業界経験がある他の候補者を優先したい等の理由で最終面接に進めないといったことを繰り返すうち、5カ月もの期間が経過してしまいました。
転職活動では、精神衛生上とにかく持ち球を切らしてはいけないと思っていましたから、時間を見つけてはインターネット上で情報を検索し、今まで紹介を受けたことのない興味を引く案件が、まだ登録していない転職エージェントのウェブサイトで見つかれば、新たにそのエージェントに登録して推薦をお願いする、という方法を取っていました。(株)エリートネットワークさんもそうやって探し当てた転職エージェントであり、実に10社目の登録でした。
このように、(株)エリートネットワークさんに登録した時点では妙にエージェント慣れしてしまっていたこともあり、大変失礼ながら、たぶん他のエージェントと似たり寄ったりの事を言われ半分同情されて終わりだろうと思いながら登録時のカウンセリングに臨みました。ところが、お会いしてみると、良い意味で非常に率直な辛口トークが展開され、弁護士を雇用することに対して企業側が持つ懸念、それを取り払うための面接での立ち居振る舞い方等、熱心なアドバイスを頂きました。
その上で、ウェブサイトで当方が発見して推薦をお願いしようとしていた案件以外にも、それまでのどのエージェントよりも大量の法務部門の求人案件を一時にご紹介頂きました。これまでは平行して応募するにしても2、3社にとどめ、それ以上は紹介頂いても当方の判断で応募を見送るということもしていたのですが、(株)エリートネットワークさんの場合は、こちらが一度応募を見送った案件についても、先行して応募した案件の進捗状況が思わしくないと見るや、やはり応募すべきだと親身に説得するなど、他のエージェントとは異なる積極的なアプローチで支援して頂きました。
そのような中で、私の職務経歴に非常に強い興味を持って頂いた会社が現れ、面接に進むことになりました。その際も、面接時の心構え等を親身にアドバイス頂き、面接では、アドバイスを守って、変に取り繕わずに素直に自分を出すように心掛けました。結果、これまでの面接とは異なって不思議なくらいスムーズに事が進み、一次面接からほとんど間を置かずに最終面接まで到達し、早々に内定を頂くことができました。内定後も万全なフォロー・アップを受けながら、入社の日を今から心待ちにしているという状況です。
私は結果的に10社ものエージェントに登録をし、弁護士・法務職専門のエージェントがほとんどだったのですが、今にして思えば、そこではどうしても 「先生」 としての扱いを受けながらのどちらかと言うとやや遠慮勝ちなサポートを受けることになってしまい、こちらが一度決めたことについて異を唱えられたり説得にかかられたりという経験はあまりありませんでした。
ただ、法律事務所ではなく一般の企業に入ればもはや 「先生」 と呼ばれることはなく、自分では気づかないうちに長年の間染み付いた 「先生」 臭を消し去る必要があるのではないかと思います。その意味で、もし法律事務所における勤務弁護士から企業内弁護士への転身をお考えになっている方で、スキルも経験も十分有るにも拘わらず、なぜか選考が先に進まない方がおられたら、(株)エリートネットワークさんのような弁護士・法務職の転職に特化していない一般の事業法人に強い転職エージェントを利用し、「先生」 扱いを受けないで、一求職者として率直にアドバイス頂くことを一度検討してみては如何でしょうか。