東証マザーズ上場 コンストラクションマネジメント事業会社 経営企画部門
米系不動産サービス会社 アセットサービス部門 部門長
越田 広樹 氏 52歳 / 男性
学歴:慶應義塾大学 法学部 法律学科 卒
私にとって、実質的に3度目の転職でした。今回、外資化した不動産サービス会社の日本での事業部門責任者 (子会社社長) に4年余り就いておりましたが、グローバル視点からみた日本市場での事業展開や方針のところで本国法人等とそりが合わず、部門責任者を外れることになったのをきっかけに、自己都合退職することにしました。
過去2度の転職の際も、比較的経営に近いところで仕事をしていて、経営方針の点で 「上と合わない」 感じで辞めているので、今回いよいよ独立も含め検討しましたが、後述の通り、管理部門での経験が長いこともあって、個人よりも組織・企業で、より大きな仕事をしたいと考え、また自分の性格やタイプも改めて熟慮してみた上で、企業への転職をすることにしました。
一般的によく言われることは、自己分析をして 「自分が何をしたいのかはっきりさせる」 ということですが、52歳のベテラン社員としては年齢、キャリア、経験知をきちんと活かすことが重要であり、「自分には何が出来るのか」 を明快に整理し、第三者の判り易く説明できるくらいにする必要があると考えます。
私の場合は、まず新卒で入社した大手情報サービス会社にて、10年余り管理部門 (経理部門、経営企画、新規事業等) に就いた後、不動産関連子会社に出向・転籍し、事業・営業部門の責任者や取締役を経て、企業管理部門や当該不動産サービス部門の幅広い経験を積むことが出来たこと。最初に転職した会社では、約1年でしたが管理本部長としてIPO準備に入り主幹事証券会社を選定するところまで実行したこと。直近の会社でも事業部門責任者であった上にグループ経営会議のメンバーにもなったこと。等々、「色いろなことを何でもやってきた」、「かなり幅広い領域をかじった」 といったことが言えるかと思います。
自分のキャリア、年齢も考え合わせ、これらの経験が、企業の経営・マネジメントに近いポジションで活かすことできるのではないか、という点が、今回主眼に置いたポイントであります。勿論、経験してきた不動産サービス領域であれば尚更ですので、今回の私の場合、不動産関連の事業・営業部門、もしくは経営管理部門の2本立てで職場を求める、ということになって行きました。
2012年6月から、10社強のエージェントに連絡し、相談を開始しました。今回、10月末ぐらいまでの期間で、全く動きのなかったところも半数ほどになります。紹介案件があっても、年齢が高いとか、タイミングが悪いとか、オーバースペックとか、様々なマッチしない事情で見送られた会社も少なからずありました。
つまり、上手く行かなかったケースも多々あるのですが、その間、数人のエージェントは定期的に連絡をとってくれ、色いろ情報交換もしていました。その中でも、(株) エリートネットワーク・松井社長からは、継続的にフォローを続けて頂き、週に一、二度はお電話にてアドバイスを頂いていました。
実は今回、最終的に決定した会社は、私はその会社の社長とも十数年前から知り合いだったのですが、6月下旬に別のエージェントが紹介してくれていながら、その際には、ジャストマッチでないということで消滅していた選択肢でした。ところが9月になり、改めて松井社長から紹介案件としてお話を頂き、その経緯はお知らせしたものの、とりあえず久しぶりに会うだけでも行ってみるようにアレンジして頂いたのです。そこから先方社長と数回に渡り意見交換をし、ある役割を私に、というイメージを持って頂くようになって行きました。先方企業の内情や経営課題的なものをしっかりと把握されていた松井社長が、潜在的な人員ニーズを引き出してくれた、ということかと思っています。
前職の最終出社日が9月上旬で、そこまでは引き継ぎ等で転職活動はほとんど出来ず、9月中旬からの本格始動ではありましたが、正式な退職日が10月末日だったので、11月上旬に決着できたのは、上出来だったのではないかと思っています。
私は52歳ですので、一般的には厳しい転職環境だとは思います。幸いにして業界に多くの知り合いがいる立場ではありましたが、それよりも、「自分の出来ること」 や 「強み」 を先方企業のトップから理解して頂けたことが大きかったと感じます。「やりたいこと」 をメインに置くのはもう少し若い世代までで、我々ぐらいの年齢層になると、キャリア、経験を活かせる 「場」 を見つけることが重要です。その大きな手助けをして頂いた松井社長には深く感謝すると共に、52歳でもこうした転職が出来たことを素直に喜びたいと思います。