独立系自動車部品メーカー 経理担当
一部上場 専門商社 経理部資金課
平元 滋次 氏 35歳 / 男性
学歴:明治大学 政治経済学部 経済学科 卒
初級システムアドミニストレータ—
2008年10月、31歳の時に家庭の事情で一部上場の専門商社を退職 (本社経理部資金課主事、課員5名のマネジメントをする立場でした)。しかし、私が2008年7月に退職を願い出た直後、リーマンショックが発生。一気に状況が悪化し、当時はタイミングの悪さを嘆きました。しかし、ここは下手に焦らず、もう一度自分が何をしたいのか、どうやって社会で身を立てていくのかじっくり見詰め直す逆にチャンス、と捉え様々なことを考え続けました。
そして、出した結論は 「司法書士にチャレンジする」 ということでした。経理部資金課ということで財務関連の業務を主に行っておりましたが、常々法務に興味を持っており、どうせやるならプロと言える資格を目指し、将来的には独立開業も考えようと決意しました。専門学校に入学し1年半勉強、2010年度に初受験しました。しかし、結果は不合格。その後は専門学校も1サイクル終わったため、退校。独学で2011年度、12年度と再受験しましたが不合格。段々と貯金も厳しくなり、アルバイトをしながら勉強を続ける毎日でした。周囲の大学時代の友人たちは結婚や昇進など、社会人として脂の乗ってくる時期に私一人、取り残されたようなそんな焦りを感じながらも日々が過ぎていきました。
三度目の正直で臨んだ2012年度の試験に落ち、自身の才能の無さと見通しの甘さを痛感。もう諦めた方がいいという周りの声と自分自身はまだ諦め切れない、そんな葛藤の中で勉強とアルバイトを続ける毎日でした。
2012年度試験に落ちてから13年の冬になりました。最早、貯金も相当厳しいためより時給の高い体力を使うハードなアルバイトに転職していました。毎日、疲れ果てて眠り勉強との両立に厳しさを感じる日々。
そんな状況の中で仕事終わりの唯一の楽しみ、喫煙所でタバコを吸いながら缶コーヒーを飲む時間に親しくなった私より5つ年上の先輩に言われました。「もう司法書士は諦めて転職活動したほうがいい。35歳と36歳は全然違う。35を超えると一気に求人はなくなる。現実を見ないと、必ず後悔することになる。俺はもうずっとフリーターかもしれない。俺のようになりたくはないだろう?」 胸に突き刺さりました。いつも冗談ばかり言っている方が本当に真剣な目つきでした。家に帰り、今までの日々やその方始め、周りからのアドバイス等諸々考えると、涙が出てきました。一晩悩んだのですが、司法書士を諦め転職活動を決意しました。
2013年3月上旬より、アルバイトも退職し転職活動を開始。覚悟はしていましたが、厳しいものでした。まず某転職サイト3社に登録しましたが、「紹介できる個別の案件はございません」 とのこと。35歳、特にこれといった資格もなく、4年半のブランクです。至極当然のことでした。志望業界は絞れる状況でないため、職種のみ、財務・経理部門もしくは法務部門に絞って当たることにしました。毎日送られてくる新着求人メールなどをチェックしながら、まず自己エントリーで8社申込みましたが、一次面接に進めたのは2社でした。その2社も一次面接で敗退。ただ一つ分かったことが、勉強していたということしか実績がない司法書士=法務よりも実際に仕事をしていた財務・経理部門のほうが感触が良い、ということでした。やはり未経験も可、とあっても実際には即戦力=経験者が求められるのが転職市場です。法務部門より経理部門の方が求人案件も多いこともあり、経理部門に絞り転職活動を続けていくことにしました。法務部門の方がより志望度は高かったのですが、現実を見て可能性の高い方にシフトしました。長期戦は覚悟の上でしたが、夏の36歳の誕生日までにはなんとしても決めなければ……という思いの中、某転職サイトの求人情報を当たっていました。
そんな時でした。(株)エリートネットワークの岩川様より 「某転職サイトを通じて私の職務経歴書を見た。一度会いませんか」 というご主旨のメールを頂きました。3月中旬のことです。某転職サイトは 「紹介できる案件はありません」 というリアクションだったので、転職エージェントの方にお会いできるだけでも嬉しかったです。ただ、実際に会ってがっかりされないか、やはり紹介できる案件はありません、と言われるのではないか、という不安も少しありました。
そんな不安を抱えながらも、メールでやり取りをしてからすぐにお会いできるよう日時をセッティング頂きました。お会いしてみると、大変フランクな方でざっくばらんに飾らずお話できる方でした。私の退職理由 (家庭の事情ですが詳しくは伏せます) や前職での経験、4年半のブランク、その他様々なことをしっかり聴いて下さり、2社ご紹介頂けるとのことでした。お話からその2社とは相当親しい関係を築かれている (上層部との親しい付き合いや事業内容はもちろん、会社の雰囲気なども熟知されている) が伺え、この方に推薦を頂ければ大きなアドバンテージになると感じました。是非ともお願いします、と答えその2社にまず私のことを紹介し、1次面接の機会を頂けるかどうか確認する、という流れになりました。
岩川様からご紹介頂いた2社の内、1社(メーカー)から4月上旬に筆記試験を受けることになりました。若干、駅から距離のある会社のため時間や道順について詳しくアドバイス頂きました。当日、岩川様のアドバイス通り余裕を見て出発したのですが、ぴったり予定時刻着でした。実際、自分一人だったら予想以上の遠さだったのでもう少しぎりぎりで着いて、平常心を保てなかったかもしれないので、細やかなお心遣いが有難かったです。
そして、その1社(メーカー)の筆記試験の結果を待っている間に、もう1社も1次面接に進めると連絡を頂きました。4月上旬のことです。こちらの方も面接での勘所を細かくご指示頂き、無事面接終了。結果待ちとなりました。
4月中旬、2社共2次の最終面接に進めるという連絡を頂きました。その間、某転職サイトから私個人で進めていた会社の進捗やその他連絡等含めて、何回も岩川様と電話でやり取りする機会がありました。一度、着信に気づかず、電話に出られなかったこともあったのですが、留守番電話を聞いて緊急の件と判断したため、夜分遅くに止むなく折り返しをしたことがありました。そんな時にも快くご対応頂いたことやレスポンスが早いこと、その他多くのアドバイスを頂いたこと、感謝しております。3月、4月と言えば、転職活動が最も盛んな時期、どれくらいの転職希望者を抱えていられるかは分かりませんが、相当な数に及ぶことは想像できます。その中で、取り立てて特技のない私に真摯なご対応を頂けたこと、いい方にお会いできたと心から思います。
その後紹介頂いた2社の最終面接が終わり、結果は2社共内定を頂きました (1社は4月中旬、もう1社(メーカー)は4月下旬)。特に1社目の内定通知を頂いた時は家族含めて大変な喜び、忘れることができません。4月中旬から私個人で某転職サイトを通じて進めていた1社もあり、そちらも最終面接まで行っていましたが辞退し、最終的に岩川様からご紹介頂いたメーカーに決めました。理由は、経理として今後スキルを伸ばしプロになっていこうとする時、一番それに適したフィールドであると感じたからです。事業内容が一番堅く、硬派な社風であると感じ、そこに何より魅力がありました。また、面接頂いた経営陣も経理部門のトップが列席され、この方の下でなら学べることが多々あるのでは、と考えました。会社の雰囲気=社風というものは経営陣によるもので、それは実際にお会いしてみないと分からないものだと考えます。老舗で堅い雰囲気の会社、若く柔軟な会社、色々な社風があると思いますが、実際には経営陣にお会いして、どういう雰囲気かまたそれが自分に合っているか確かめるということは、面接の非常に重要な一端である、と考えます。
3月上旬から始めた転職活動。35歳、特に資格なし、4年半のブランク。長期戦、あるいは全く決まらないまま月日が流れる最悪の展開も覚悟していました。しかし、4月中旬には1社目の内定を頂き、同下旬には2社目の内定。これほど短期間で決められるとは正直思っていませんでした。よく人との出会いは 「縁」、会社との出会いも 「縁」 と言います。20代の頃はそんな 「縁」 など全く信じていませんでしたし、考えたこともありませんでした。
今、35歳になってそういうことを信じるようになりました。人との出会いは何らかの意味があるし、だからこそ出会いを大切にしなければいけないと思います。私が転職活動を決意したのは、前述のアルバイト先の先輩からの言葉です。同期の大学時代の友人や家族にそろそろ司法書士諦めたほうがいいのでは、と言われてもなかなか決心がつかなかったのですが、現実を見ないと後悔する、俺のようになりたくはないだろう、というあの言葉は本当に響きました。あの言葉がなかったら、今でもアルバイトと司法書士の勉強を中途半端に両立する生活を送っていたと思います。
そして、(株)エリートネットワークの転職カウンセラーの岩川様との出会い。恐らくは相当多数の転職希望者が登録している某転職サイトからなぜ私に連絡を下さったのか、これも一つの 「縁」 があったから、ということだと思います。また、岩川様からご紹介頂いた某メーカーにもやはり 「縁」 があったと考えたいです。全ての 「縁」 に感謝致します。
今後もひとつひとつの 「縁」 を大切にしていこうと思います。これから転職活動をされる方ももしこの体験記を読んで、35歳、資格なし、ブランク4年半でも内定を頂けたことが何かの勇気づけになれば幸いです。いい 「縁」 があることをお祈りします。