一部上場 総合商社 IT戦略部門
大手ITベンダーグループのシンクタンク ITコンサルタント
寺村 昭夫 氏 35歳 / 男性
学歴:東北大学工学部 分子化学工学科 卒
私は大学を卒業した後、国内の大手ITベンダーのグループ企業であるシステム開発会社に入社しました。そして数年間、システムエンジニアとしてシステム開発に携わりました。大学時代の専攻は化学だったので、システムエンジニアとして必要な知識・能力は皆無。入社してからしばらくは、ただひたすら目の前の仕事をこなす毎日でした。
徹夜でプログラミングやバグ潰しをすることもありましたし、システムが本番稼働した直後にストップしてお客様から叱責されることもありました。しかし、システム開発の現実を自分の目で見て、現場で泥臭い経験を味わったことが、ITに携わる人間としての基礎体力を養う上で重要だったと考えています。
システムエンジニアとしての経験を積んだ後、コンサルティング部門に異動しました。26歳の時の事です。それから約10年間、流通業のお客様を対象に業務改革やシステム企画を手がけるコンサルティングに携わりました。
コンサルタント時代はとにかくハードな毎日でした。経営層とのコミュニケーションや、経営企画部門や事業部門の方とのディスカッション、最終報告前にはオフィスにこもって企画書作り。システムエンジニア時代とはまた違った類のプレッシャーと格闘していました。しかしその恩恵として、少しの事ではへこまない精神的・肉体的なタフさは備わったのかなと思います。
コンサルティングの経験も増え、リーダーとしてプロジェクトを一任してもらえるようになり、マネージャーへの昇格が見えてきた頃、芽生えてきたひとつの疑問。
—私はこの先40歳、50歳までコンサルタントを続けるべきなのだろうか—
コンサルタントは3〜6ヶ月というスパンで時限的にプロジェクトを組み、その期間、対価を頂戴してお客様の経営改革支援に集中します。一方、その後の実行フェーズは、当事者意識を持って最後まで改革を牽引し、定着化を見届けるのはお客様。コンサルタントが最後まで立ち会うことは極めて稀です。そこに、コンサルタントとしての仕事の限界、ジレンマを感じていました。
そして、自分の中で出した結論は事業会社への転職。10年以上、IT業界に身を置き、システムエンジニア、ITコンサルタントとして積んできたキャリアを活かし、事業会社に行くこと。そして、ITを使った事業変革や新規ビジネスの企画・開発を、当事者として実行する立場になりたいと考えるようになりました。
転職先として志したのは総合商社です。その理由は、いつか海外、特に東南アジアを中心とする新興国で仕事がしたいと考えていたから。そして、
・人と人、会社と会社を繋いで新しい仕掛けを生み出せる環境であること
・コンサルタント時代に一緒に仕事をした、ある商社マンの強烈なバイタリティ
に魅力を感じていたから。私の総合商社への想いは日増しに強くなっていました。
本格的に転職活動を始めたのは35歳。一般的には転職の限界と言われる年齢ですので、かなりの不安がありました。しかし、チャレンジせずに終わるより、結果がダメでもチャレンジしてみることが大事。そう自分に言い聞かせながら転職活動に臨みました。
実は、(株)エリートネットワーク様の事は知りませんでした。今だから言えますが、(株)エリートネットワーク様の事を知ったのは、検索エンジンで何気なく打ち込んだ 「商社 転職 IT」 というキーワード。そこでヒットしたのが(株)エリートネットワーク様。出会いはつくづく不思議なものです。
その後、(株)エリートネットワーク様が、私のようなITコンサルタント経験者のための転職求人も多く取り扱っている事を知ります。そして、私をご担当して頂いたのが(株)エリートネットワークの転職カウンセラーの岩川様でした。岩川様には、書類作成、書類選考、面接期間中と一貫してフォローして頂きました。特に、私が書いた職務経歴書をチェックして頂き、ご指摘を頂きながら追記・修正を繰り返し、ようやく提出に至った事が印象に残っています。
私のキャリアの軸になるのはITですので、岩川様には事業会社のIT戦略・企画機能を中心にご紹介頂きました。そしてその中から、私の念願である総合商社のIT戦略部門に応募。適性検査のSPIと数回の面接をパスし、内定を頂戴することができました。
私の場合はタイミング良く求人をご紹介頂きましたが、総合商社はそもそもキャリア採用の求人枠が少ないこと、求人があっても倍率が高いという理由から、内定までの道のりは決して容易ではありません。だからこそ、当たり前ですが常にアンテナを張って、根気よく続けることが重要だと思いました。
今回、ITコンサルタントから事業会社の転職を目指すという観点から、私はこれまでの仕事を徹底的に棚卸しした上で、
・自分が手がけてきた仕事において、何が価値だったのか
・その価値を、事業会社で具体的にどう活かせるのか/活かしていきたいのか
・その価値を活かせるのが、コンサル会社ではなく、なぜ事業会社なのか
を徹底的に考え、「自分の言葉で」 語ることを意識しました。自分の言葉で語ることが重要なので、世間に公開されている面接テクニックは個人的意見ですが全く参考になりません。競争率の高い総合商社ですので、特に他の応募者と何で・どこで差別化するのか、これを常に頭に入れていました。
また、総合商社の場合、日頃から準備しておくべきだと思うのは 「英語」。これは、総合商社の応募条件として最早当たり前になっています。私は、海外留学や駐在の経験がなく、英語も決して流暢に使えるほうではありませんでしたが、応募条件に少しでも近づけるよう、毎日のオンライン英会話と定期的なTOEIC受験を続けていました。
このたび、(株)エリートネットワークの岩川様のご支援を賜り、35歳にして総合商社のIT戦略部門に転職することができました。今回の転職活動をきっかけに、自身のキャリアプランを真剣に考えました。平易な言葉で言えば、この先どういう人生を歩みたいかについて真剣に考えました。そこから導いた結論が、「今の会社・ポジションに安住することなく、新しい環境で自分を試すこと」。
日々の仕事に忙殺されていた私には、自身のキャリアプランを考えるきっかけがありませんでした。今回の転職活動がその良いきっかけとなりました。これから転職を目指す方も、そうでない方も是非、意識してこのような時間を作ることをお勧めします。
自分を親身になってサポートして頂いた(株)エリートネットワークの岩川様には本当に感謝しています。 ありがとうございました。 この体験記がこれから転職を目指す皆様にとって少しでも参考になれば幸いです。
以上