日系 大手銀行 ストラクチャードファイナンス担当
株式上場金融機関 投資銀行本部 ストラクチャード・ファイナンス
NY 日系会計事務所 (J‐ビザによる) 経理・管理会計コンサルタント
石塚 健次郎 氏 27歳 / 男性
学歴:慶應義塾大学 法学部 政治学科 卒
私は2009年3月の大学卒業を前にして、2008年の冬頃から就職活動を開始しました。2008年当時は所謂 「売り手市場」 であったため、気分的には比較的余裕を持って就職活動を行っておりました。その為、志望業界を特に決めることもなく、非常に幅広い業種の説明会に足を運びました。大手有名企業の社員になりたいと思ったこともありましたが、ゼネラリストになるよりも、何か一つ尖がったスキルを持つスペシャリストになりたいと強く思うようになりました。そこで出会った業界が金融であり、ストラクチャードファイナンスの世界でした。その後、縁があり、ストラクチャードファイナンスに強みを持つ上場企業から内定を頂く事ができました。
2008年の秋に所謂リーマンショックが起こり、世界的な金融危機が発生した後の2009年の4月に私は入社致しました。取引先が経営の危機に瀕している中でどのように収益を稼ぐかという非常に切迫した雰囲気の中で社会人生活をスタートする事になりました。研修も早々に切り上げてどんどん仕事を任されました。上司は非常に優秀な方ばかりで、すごく貴重な経験を積まさせて頂きました。
仕事自体は大変でしたが、とてもチャレンジングな内容で面白かったです。ただ業績が悪化するにつれて社内の雰囲気 (人間関係も含めて) がどんどん悪くなるのは辛かったです。その後業績悪化に伴う早期退職制度に応募する形で会社を去る決心をしました。
退職した後は、漠然と金融を体系的に学ぶべくオーストラリアの大学院に進学しようと考えておりました。進学準備を2ヶ月程した時に、大学院への進学は 「中途半端なプライドを支えるための手段」 としか思えなくなってしまい、 「海外勤務が可能」 という条件の下に転職活動を開始しました。その間、起業した友人を手伝ったり、アルバイトをしたりしておりましたが、正直この頃の自分は今後一体何をしたら良いのかがよく判らなくなっていました。
大手の人材紹介会社のお世話になりつつ、転職活動を行いましたが、 「海外勤務が可能」 という条件に合う求人は中々見当たらず (当時英語は全くしゃべれなかったので当然と言えば当然ですが) 、海外での就職を考えるに至りました。結果的に 「J‐ビザ」 という18ヶ月のインターンビザの存在を知り、NYの会計事務所で18ヶ月間働ける事となりました。
当時は全く後先を考えずに行動した無謀な一年間ではありましたが、今思えば自分を見直す良い機会であったと思います。そして、日本にいた時に持ち合わせていた妙なプライドがなくなった気がします。
NYでは主に日系企業の駐在事務所及び米国子会社の財務諸表の作成及び確定申告書の作成を行いました。一番の不安であった英語は税務当局との電話、関係会社への電話や顧客とのやりとり等日常的に使用できる環境 (当然ながら各種レギュレーションに関する資料は英語で読み込まなければならない) の中で、次第に苦にならなくなっていきました。
各企業の人事部や経理部門の方々とお話しする機会が多くあり、バックオフィスの方々の仕事についての理解も深まったのも良い経験になったと個人的には感じております。
今思えば本当にNYにあの時行く決断をして良かったと思っております。
海外に一度は出てみたいけどMBAだと語学力、資金面でハードルが高いという方は海外インターンシップという選択肢も考えられてみたら如何でしょうか。MBAだけが海外で経験を積む手段ではない気が致します。
日本への帰国が近づくにつれて、日本での就職活動を意識し出しました。帰国前に始められることから始めようと考え、新卒で就職した会社の先輩の紹介で(株)エリートネットワーク様の事を知りました。先輩には、ファイナンス関連の求人にも明るく、転職カウンセラーの方の知識も深いと紹介されました。渡米前に大手のエージェントの方とお会いした際には、 「ストラクチャードファイナンス」 や 「アセットファイナンス」 という事についてあまりご理解がないという印象を持ちましたので、エージェントの社員の方の知識の深さはストレスなくコミュニケーションを取る際には非常に大事になると考えました。個人的な経験を元にお話をさせて頂きますが、ある大手のエージェント様の場合ですと、私 (金融出身者の転職希望者) には若い金融出身者のエージェントの方が担当して下さいました。私の場合のご担当者は大手銀行のご出身の方でした。勿論金融業界の出身という共通となるベースはあるものの、ある意味ニッチな分野の 「ストラクチャードファイナンス」 や 「アセットファイナンス」 という部分では話しを噛み合わせる事が出来なかった印象を持ちました。 (勿論、私のコミュニケーション能力の至らなさという点は否定できません。)
アメリカから何通かのメールのやり取りの後に、(株)エリートネットワークの杉本様とスカイプを行い (帰国予定日の約2週間程前になります。) 帰国後の転職活動について打ち合わせを行ないました。先輩からの評判どおり杉本様とはストレスなくお話をさせて頂く事ができました。当時の私の心境と致しましては、もう一度、ストラクチャードファイナンスの仕事に挑戦してみたいという気持ちが強くあったものの、一年間の無職だった上、NYでは直接ファイナンスに関係する仕事を行なっていなかったため、難しいだろうなと考えておりました。しかし、スカイプで打ち合わせした後にすぐに、ストラクチャードファイナンスに関する銀行の求人3件を含めた多くの求人案件を頂けました。これにはとても驚きました。帰国の翌日に杉本様とお会いし、具体的な打ち合わせを行いました。打ち合わせでは、年齢の割りには職務年数が短い事など、転職を行うにあたり不利になる事が予想される事柄も冷静な指摘を受けました。しかし具体的な応募先の社名を挙げて頂いた上で前向きな話をして下さり、私を励まして下さりました。
私は今回の転職活動では(株)エリートネットワーク様だけにお世話になりました。私は渡米前に大手の2つのエージェント様のお世話になった事もありましたが、非常に多くの求人を頂いてしまい収拾がつかなくなってしまいましたので、今回はいけるところまでは一つの紹介会社様のお世話になろうと決めておりました。具体的には前回大手エージェント様のお世話になった時には最初のミーティングでドサっと求人票の束を渡されました。その求人の中には明らかに私の志望とはかけ離れている求人も多くありました。勿論、他者から客観的に見て、私の適性が違う職種にあるように思えるというような話でしたら納得がいくのですが、あまり説得力のある説明はそこにはなかったように感じました。 (具体的には金融志望という事で単純にトレーダーの求人の案内を受けるなど) 個人的には求人案件の多さが大事なのではなく、あくまでも 「自分のやりたい事に合った」 求人案件をどれだけご紹介して頂けるのかが大事なのだと思いました。 (当然ながら 「自分のやりたい事」 を具体的にエージェントの方に説明するという作業は転職希望者側から充分な事前準備の上、丁寧に行わなければならない事ではあります。)
当初ご紹介頂いた案件の中から無事内定を頂けました。当初、日本に帰国してから3ヶ月くらい転職活動に時間がかかるのではないかと考えておりましたが、実際には帰国してから1ヶ月以内に決まりました。また当然ですが、転職活動では書類選考に始まり、段階毎に数多くの選考があります。恐らくほぼ全ての転職希望者が何らかの形で 「落ちる」 経験をされる事と思います。 「落ちた」 事の連絡をして下さる際にも杉本様は 「最後まで責任を持つ」 と力強いメッセージを下さりました。杉本様の丁寧なサポートがあってこそ今回の内定に至ったと感謝しております。本当に有難うございました。