30歳SE、転職体験記600名全員を読破し、転職活動に。

30歳SE、転職体験記600名全員を読破し、転職活動に。

No.677
  • 現職

    東証一部上場 電子機器メーカー 社内システム部門 システムエンジニア

  • 前職

    財閥系大手化学メーカー システム子会社 システムエンジニア

前田 秀雄 氏 30歳 / 男性

学歴:東京大学 農学部 応用生命化学専修 卒
東京大学大学院 農学生命科学研究科 応用生命化学専攻 修了
TOEIC 960点
ITIL ファンデーションV3

はじめに

新卒で入社した大手財閥メーカー傘下のユーザー系IT企業におよそ3年半勤めた後、私は転職活動を開始しました。
私が新卒で入社した年度は、2008年9月のリーマン・ショックの影響を大きく受けて新卒採用が前年に比べて大きく減った年です。
当初は大学で専攻した有機化学系の研究職を志望していましたが、希望の会社には最終面接まで進んだものの内定には至りませんでした。
修士2年時の4月が過ぎ、大手企業をはじめとした研究職の募集がほとんど終了したものの、私は内定が1つもない状態でした。
博士課程に進む資金的な余裕もなく、また大学入試で2浪して年齢が高かったこともあり、修士卒で何とかして内定を得ようともがいていました。
研究職以外にも道はないものかと模索し、今の職業であるSEだけでなく、技術営業や特許といった職種の説明会にも足を運んでいました。
そして、最終的には7月に新卒で就職したシステム会社から内定を頂き、SEとして就職をすることに決めました。

転職に至るまで

2か月間の研修後、親会社のアジアグループ子会社向けの、インフラ業務を担う部署 (主には調整業務) として配属を受けました。
親会社は国内最大手の化学企業群であり、グループのネットワークインフラを利用する会社は、現在アジア地域だけでも50社以上ある大規模なものです。
入社前には一度も海外に行ったことがありませんでしたが、アジアの複数の国において業務を行う機会を得ることができました。
業務で必要になる英語力も独学で少しずつ改善し、実務での利用だけでなく、会社が推奨する外部団体の公開試験においてもそれなりの点が取れるようにもなりました。
アジアグループ企業の様々な国籍のIT担当者とも知り合うことができ、忙しいながらも異文化と接しながら色々な経験をさせて頂けたと思っています。

一方で業務を続けるうちに、そのあり方について違和感を感じることも多くなりました。
それは大きく分けて2点あります。

1点目は自分の業務が本当にグループ全体やユーザーの役に立っているのかよく分からない、ということです。
グローバルを掲げているものの、親会社の国内事業が大き過ぎるが故に、それに対応してシステムも国内に特化し過ぎたものになっていること。
海外グループ会社の日本語ができない現地担当者やユーザーに、日本語のシステムを横展開せざるを得ないこと。
当初に比べて利用者側に立ったシステム環境になってきてはいますが、会社としての海外に対する方針とその実現性や、自分の役割の不明確さに疑問を持つことが少なからずありました。

2点目は資本関係上致し方ないことではありますが、管理職以上が親会社出身者で多く占められており、将来的なキャリアに閉塞感を感じた、ということです。
そして基本的にITの方針を決めるのは複数の親会社の情報システム部であるというのが現実でした。
複数の親会社のITをまとめる立場の方から 「所詮ITだから」 という言葉を直接聞いたことがあり、非常に残念に感じたこともありました。

毎日もやもやとした気持ちを持ちながら年月が経ち、そろそろ30歳に差し掛かろうとしていました。
私は会社で新卒向けのリクルーター活動 (学生向け就職説明会での業務紹介や質疑応答) も行っていましたが、違和感を持ったまま業務のやり甲斐を学生に語る自分がいました。
そんな中、(株)エリートネットワーク様の 『転職体験記』 を再度読むようになりました。
実は私が(株)エリートネットワーク様に転職相談をしたのは2回目になります。
1回目の転職相談の理由は、新卒での入社後しばらく経った後でも、研究職への未練がまだあったためです。
しかしながら、新卒で一旦他分野に就職した場合は、勿論既卒扱いであり、希望の研究職はないというのが現実でした。
このため、その後は現実を見据えてSEとして働いていくことに決めました。

『転職体験記』 はバックナンバーを最初から最後まですべて読みました。
そこには実名で学歴や年齢や転職前後の業種などの情報が掲載されており、体験記の本文からは各人が転職に至った理由や転職活動の実情、
そして何よりも転職活動での各人の想いが綴られていました。
1回目の転職相談から2年経ち、2回目の転職相談にはなるものの、ここならばやはり信頼できそうだと改めて思い、8月中旬に(株)エリートネットワーク様へ登録をしました。

転職活動

8月中旬の夏季休暇明けに早速、(株)エリートネットワークの転職カウンセラーの安藤様からご連絡を頂きました。
安藤様はにこやかな紳士であり、それでいて鋭く正確に分析をしてはっきり言って頂けると感じました。
面談ではなぜ転職をしたいのか、どんな転職をしたいのか、をはっきりさせるために、自分の生い立ちからこれまでやってきたこと、心の中に引っかかっていること、これからもできれば海外に関わっていきたいことなど、ざっくばらんにお話させて頂きました。
転職相談というよりは “心理カウンセリング” のようにも思えましたが、私のこれまでの人生全体を客観的に見て頂きフィードバックを頂くことで、自分の適性や価値観など、前向きな方向で自分自身に気付きを得ることができました。
安藤様からは率直にさまざまなご指摘を頂きました。
その中でも、自分は過去にこだわり過ぎて、それを塗り替えない限りダメだと思ってしまっており、幸せのハードルを高く設定し過ぎている、という指摘は特に印象が強いものでした。

2度にわたって転職相談で話し込んだ結果、安藤様からは 「正直なところ、転職してもしなくても、どちらでも良いのではないかと思う。だけど現状に対して心が引っかかりを感じるならば、より高い領域を目指してみることは、絶対に無駄にはならないと思う。」 と指摘されました。
今の会社ならば一応海外に関わる仕事ができる。しかし不満は抱えたままである。転職をするのは不安があるけれど、心の中のわだかまりが取れるかもしれない。
そんなことを考え、“ITのインフラ系を軸に海外に関わることができる事業会社の情報システム担当” という方向で安藤様にお願いさせて頂きました。

私は転職活動を始める数ヶ月前に、会社の同僚の紹介で、妻となる女性と出会いました。
彼女ははっきりものを言う性格で、安藤様との最初のカウンセリングの結果を相談した私に 「そうやって迷っているままじゃもったいないね! 転職活動してみなよ。」 と言いました。
そしてその言葉が、転職活動をしようかどうか考えていた私の背中を押してくれました。
彼女を見て、こんなもやもやしたまま仕事を続ける情けない顔は見せたくない。そんなことを考えていました。

安藤様から紹介された会社は、希望通りITインフラ系の社内情報システム部で、海外に関連するものがほとんどでした。
対象リストを頂き、リスト中の興味のある会社を調べていたところ、安藤様から欧州駐在員案件のご紹介がありました。
これまではアジアにずっと関わり続けて欧米は関わりがほぼゼロで、前々からいつかは関わってみたいと思っていましたが、その機会が突如現れました。
世界中に事業を展開している東証一部上場の企業であり、事業内容や強みも明確で、調べていくうちに第一志望の会社となりました。

面接には第一志望も合わせて4社から声が掛かりました。安藤様からは各社について事前によく調べておくようアドバイスを頂き、実際にノートを用意して調べたことや考えたことや質問事項を書き込んでおきました。
面接官の方々が私に対して受けるであろう印象についても事前に細かくご説明頂き、お蔭で面接を自信を持って受けることができたと思います。
各面接後は毎日必ずフィードバックをして頂き、自分の何が良くて何が至らなかったか、について再確認することができたのは心強かったです。
各社の面接を受け、自分の今後のありたい姿を見直し続けることで、やはり海外で働く機会を得たいとの思いを再度強くし、最終的に第一志望の会社から内定を頂きました。
当時妻に、先々内定した会社で欧州に駐在することになるがどう思うか? と聞いたところ、一緒に行くと言ってくれました。
そして内定を機に婚約、入籍をしました。

転職活動を通して、この数ヶ月ほどの間に自分の人生で非常に大きな変化を経験しました。
自分自身このようになるとは、活動前に予想もしていませんでしたが、実際に一歩を踏み出してみて良かったと感じています。
内定を頂いた次の会社への初出勤はもう少し先になりますが、悔いの無いよう、前向きに精一杯仕事に取り組んでいきたいと思います。

転職カウンセラーの安藤様には、大変お世話になりました。 ありがとうございました。

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