一部上場大手通信会社グループの新電力会社 渉外部門 渉外担当
一部上場 大手電力会社 地方支社 高・低圧電気工事の工程管理
土山 清丈 氏 26歳 / 男性
学歴:東京大学 教育学部 総合教育科学科 卒
第三種電気主任技術者
体育会合気道部 卒部
私はこの度、大手電力会社から中小規模の新電力会社へ転職を決めました。もともと離職率も低い会社なので、新卒で内定を頂いた時には 「この会社で一生働くのだろうな」 と考えていました。しかしながら2011年3月11日の東日本大震災をきっかけに、電力業界は大きな変動の時代を迎えております。その中で、私自身も会社や仕事に対する考え方を見つめ直し、転職するに至りました。
私の場合は電力会社ですが、どのような会社についても、こういった大きな変動の時期はいずれ訪れるのではないかと思います。その時にどう行動するのかは、置かれている立場等によって様々だと思いますが、一つの選択肢として 「転職」 という道は常に考えるべきだと思います。考えた結果転職しないとしても、その判断によって、今そこで働いていること自体について、きっと自信と確信を持てると思うからです。
周囲の変化に対して自分も対応していく、ということは何事にも必要です。そのために今回私のとった行動が転職でした。以前の職場に不満があって辞めたいと思った訳ではなく、あくまでも会社の将来性と自分のキャリアプランについて模索した中での一回答であると考えております。転職に対してもそれほど積極的ではなく、エージェントに任せていた面が大きかったように思われます。
しかし、時間はかかったのかもしれませんが、結果的に良い転職先を見つけられたのは「一つの選択肢としての転職」 を早い段階で考えていたからだと思います。ですので、私の体験記は 「仕事に対してどう考えてきたか」 ということを中心に書きたいと思います。
新卒の就職活動の時、私は正直なところ特にこだわりもなく、大手企業を見て回っていました。当時は 「なんとなく安心できる」 と思い、インフラやメーカーを中心にエントリーをしていました。「どんな仕事も面白い所・つまらない所はあるのだから、仕事の内容ではなく、企業のブランド力や環境などが有利な会社を選ぼう」 という考え方をしていたのだと思います。
前の会社とはインターンなどで縁があり、内定を頂くことができました。それからは商品である “電気” についてよく知っておこうと思い、時間を見つけて勉強していました。私は元々理系だったこともあるので、事務系では取る人がほとんどいない、電気主任技術者の資格も少しずつ勉強し始めました。
入社直前の3月11日に震災が起きました。私は当時東京に居ましたが、地震の直後はこれほどの被害になるとは思っていませんでした。帰宅難民となり翌日に帰ってきてから、ニュースを見ることになります。津波の被害、そして原子力発電所の事故の報道は、皆様にも衝撃的で記憶に新しいでしょう。報道を見ながら 「これからの電力業界は原子力発電所にかかっている」 と内定時に社員の方に話して頂いたことを思い出しました。そして、その危険性に対しても十分認識し、放射線に対する過度とも思える安全対策を講じているということもよく説明してもらっていました。その根底が否定されたことで、電力業界の人間なら誰もが描いていたであろう将来像は崩れ去ったことになります。
私は正直 「選択を失敗した」 と思いました。初めて社会に出て働くという何の経験・ノウハウを持たない状態で、勝算もなく敢えてこのように先行き怪しい業界に飛び込むのは無謀と言えるでしょう。しかし、私には内定辞退をするつもりはありませんでした。先行きが見えないからといって電力業界の重要性は変わらず、むしろ強まったと思っています。そこに携わる機会を与えられたにも拘わらず放棄するというのは社会人 (となる者) として無責任だと思われました。そして何より、ここで逃げるのは採用して頂いた関係者の方に合わせる顔がないと思い入社を決めました。
入社から3年間で私は3つの事業所、3つの職種を経験しました。これは私としては非常に良かったと思っています。この経験から現場における各部署の関係やそれぞれの違い・共通点のようなものが見え、今後に活きてくると感じました。一方で、現場に居ることにより自分の視野の狭まりをしばしば感じました。地方に居たことで閉塞感もあり、このままではいけないと思いました。また、大きな会社で有るが故の動きにくさ・裁量権の少なさといったものはよく感じました。
そのような中で同期や先輩が何人か転職していき、周りからも 「お前はどうなんだ?」 とよく聞かれました。私は入社する時、前述の通り電力業界に関わって行くことを決めました。しかし、「この会社にずっと居続ける必要はないのではないか? 」 と心のどこかで思っていました。入社当時は社会へ与える影響力も考えると現在の会社にいる方が良いと考えていましたが、そのデメリットもよく分かるようになってきていました。だからと言って具体的なビジョンは特になく、積極的に 「転職したい」 とは思いませんでした。
とは言え、いずれその判断をする時期が来ると思い、情報収集のために入社3年目の頃から数社の転職エージェントと接触するようになりました。そして知人の紹介で株式会社エリートネットワークに出会いました。
11月頃に一度面談し、自分の仕事観を伝えると、担当の転職カウンセラーの小中出さまは献身的に自分に合いそうな会社の情報提供をして頂きました。また、他業界へ移ることも視野に入れ、私と共にもう一度仕事に対する考え方を見詰め直してみませんか、といった提言も頂きました。私は 「会社を辞めたい」 訳ではなかったので、じっくりと時間をかけさせてもらったのはありがたかったです。
そして3月初旬 「あなたに興味を持った会社があるので、面接を受けませんか?」 という連絡を頂きました。同じ業界ということで会社の名前は知っていましたが、この時点ではそれほどの興味もありませんでした。しかし 「そろそろ面接を受けてみたい」 と思っていたので、軽い気持ちで受けることにしました。それが次の転職先となる会社でした。
実際に面接を受けると驚くほど話が噛み合い、急に興味を持ち始めました。先方からも高く評価して頂き、選考を進めたいという話を頂きます。しかしながら、まだ転職の意思が固まった訳ではありませんでした。そこで小中出さまの協力もあり、1ヶ月ほどの猶予を頂きました。
そこから真剣に転職を考え始めました。信頼のできる社内外の人に相談したり、他の会社も4〜5社受けさせて頂きました。最終的に転職の決め手となったのは二点あります。一つは今までの経験を最も活かせそうであること、もう一つは電力業界の新しい未来を切り拓き先導しうる会社であると思ったことです。地方に居たこともあって地理的・時間的な制約もあり、十分な転職活動ができたとは言い難いのですが、その分よく考えることができました。こうして私は転職を決意しました。
転職先を決めその旨を前職の上司や職場のメンバーに伝えた時、慰留の言葉を頂きましたが、決意の固さを示すと温かく送り出して頂きました。申し訳なさと心苦しさを感じながらも、決断したからには次の職場で活躍しなければいけないと改めて思いました。
私は受けた会社が少ないこともあって、面接などの選考を受けた期間は一ヶ月程度で済みました。面接や筆記試験は基本的に平日になるため、仕事をしながらということを考えると期間が短いのはかなり大事になってきます。そのためには冒頭で申し上げたように、早い段階からよく考えておくことが大切だと思っております。
そして株式会社エリートネットワークの小中出さまには、考えをまとめるところから具体的な情報収集、面接の対策まですべてについて懇切丁寧にアドバイスを頂きました。自分の足りない所を補って頂けたので、スムーズに転職を決めることができたと思っております。誠に、ありがとうございました。