一部上場 総合商社 金属本部 海外営業
一部上場 非鉄金属メーカー 海外営業
山添 也寸志 氏 33歳 / 男性
学歴:慶應義塾大学 総合政策学部 卒
(ペルー) カトリカ大学 文学部 スペイン語学科 卒
TOEIC 835点
スペイン語検定 DELE B2
大学卒業後、非鉄金属のメーカーで10年間働きました。部署は4箇所ほど転々としましたが、基本的には営業職で、海外駐在も経験しました。入社のきっかけは、就職活動中に同社が企業スポーツとしてバスケットボールに力を入れていることを知って、会社説明会に行ったことがきっかけでした。業務の内容は、石油や銅、資源開発といった地球規模のスケールの大きい業界だなといったぐらいの漠としたものでした。当時他の会社と違ったのは、採用が一人一人丁寧だったこと。自分の場合は、年齢が一回りも上になる管理職社員にはなかなか聞きたいことも聞きにくかったので、年齢の近い営業担当の方と話をさせて頂いたり、メーカーのイメージを具体的に持つために、生産現場の見学までさせてもらいました。
ここまで学生相手に丁寧に対応してくれる会社は私の経験上はありませんでした。社員に会えば会うほど、雰囲気や価値観を共有できる方が多いことに気づき、仕事の内容は正直すべてを理解してはいなかったと思いますが、基本最低でも月曜日から金曜日は一緒にチームとして働くことになるので、人間関係でストレスがないような環境で働くのが良いかなと思い入社を決めました。仕事はどの会社に入っても大変だと思っていたからです。この時点では自分のやりたいことが、明確ではなかったというのもあるのかもしれません。川上の産業であるが故に、一見地味且つニッチな業界だが、資源・素材関係の世界ではリーディング・カンパニーで、インターナショナルな仕事ができるという理解でした。
かくして私は銅精錬の国内トップ、世界でも有数の銅精錬会社に就職をしました。
入社後、環境・リサイクル事業部の営業部に配属になりました。どのようなことをするかと言うと、銅スクラップや貴金属を含有するリサイクル原料の購入でした。銅精錬の主な原料は、南米やインドネシア、豪州等から購入している銅鉱石です。それに加え2次原料としてスクラップを再処理しています。
スクラップと言うとどういうイメージをお持ちでしょうか? 汚いイメージがあるのかもしれませんが、ほぼ製品同様のものから、ご想像通りの汚い金属屑や、一見産業廃棄物と見えるような汚泥、スライムに高価格の貴金属が含まれているものもあります。当時メディアにも取り上げられ、携帯電話やPCの基板から金がリサイクルされていると報道され、リサイクル業は 「都市鉱山」 とも呼ばれました。当時会社のホームページに若手社員の紹介ということで、リサイクルの仕事の紹介をしたが、自分の仕事を 「トレジャーハンター」 と呼んでおりました。
社会人生活10年目を迎えた年のGW、ふとこのままで良いのだろうか? と思いました。今何となく仕事をしていないか? 情熱を持って仕事に向き合っていないのではないだろうか? 学生の時に憧れていたグローバルな仕事、資源の仕事には関わっている。部署も4つ目で、海外駐在も経験しました。もしかしたら人からは羨まれるようなコースを順調に歩んでいるのかもしれない。でも何か今会社のために、新しい挑戦をしているのか? 自分の能力を全開し、パンクするぐらいがむしゃらにやっているか? 答えはNoでした。
自分は何をすべきなのか。法人営業担当として、毎日のトレーディング業務、顧客との価格交渉、収支管理等、営業担当として一通りのことは学んできました。今何をしなければならないのか。サラリーマン人生残り30年ほどあります。僕らの世代は、もしかしたら40年ほどあるかもしれませんが、 (笑) サラリーマンのゴールは、経営者として情報・経営資源・人材をうまく使って、新しい事業を作り、儲けて、そして社会に貢献することだと考えています。今の出来上がった仕組みの中で、売買、月次伝票処理、コスト改善、新規顧客開拓、収支管理・報告、予算作成を行ってきました。
しかしながら、新しく自分で商売の大きい仕組みは作っていないな と考えました。それは誰がしていたかと言うと、社長や役員、部長などの自分よりも二周りも上の人方が決めて、指示したことがほとんどです。うまくいったこともあれば、失敗したこともあります。もっと良いやり方があったのでは? と自分なりに思うこともありました。自分も将来的には経営判断を下すような立場になるのか。それまでは、言われていることを卒なくこなし、上司の機嫌を取りながら、社内のゴルフコンペで人間関係を構築しながらサラリーマンを続けていくのか。確かに、日本の会社にいるのだから付き合いは大事です。但し、日々の仕事に熱を感じない人生ほど無味乾燥なことはありません。週7日のうち5日は会社にいる訳ですから。その時考えたのは [1] 今の会社で環境が変わるまで待つ、[2] 自分の考え方を変えてみる、[3] 会社を変えてチャレンジしてみる。自分の年次ぐらいの中堅にも権限委譲して、マネージメントに関わる、新しいプロジェクトや、投融資案件に関われる会社は今の世の中あるはずだと思ったからです。
私は前の会社の先輩・後輩・同期にも恵まれ、非常に楽しい会社生活を送ってきたので、オプション3を選択するに至るまでは、非常に悩みました。仕事以外は特に不満があった訳ではないですから。仕事も別に人間関係で苦しんでいた訳でもありません。ただこのままのんべんだらりという気持ちで階段を登っていくのは危険だなという思いはありました。中途入社のリスクもあると思っていました。会社が変わったからといって、自分が思い描く仕事ができる保証はない訳ですから。結果的に生え抜きだけが評価されて、昇進していくってことはないです、と実際転職した先輩からそういう話を聞いたことがありました。
新しく会社を探してみると言っても、これまで転職活動をしたことないので、よく分かりません。とりあえずはネットで調べてみようと、検索エンジンにキーワードを打ち込むと、これでもかってほど就職サイトが挙がってきます。正直迷います。どれにするか。いくつか試して使い勝手が良さそうなところに最終的に決めればよいとは思いますが、エージェントにも得意な業界、会社があるようなので、自分の条件をしっかり決めて、相手のオファーする内容で自分の希望を変えないことが大事です。まずは履歴書と職務経歴書の作成でした。この二つはだいたい登録時必須になります。自分は日本語と英語、駐在中に習得したスペイン語でも作成しました。日本企業に限る必要はないと考えていたからです。
履歴書と職務経歴書を就職サイトに登録すると、そこを閲覧したエージェントから連絡が来ます。こちらが条件で絞っておけばその条件に合った会社をオファーしてきます。とは言っても、書類を見ただけではよく分からない部分も多いので、次はエージェントとの面談になります。エージェントによって面談可能な時間や会社の場所の制約により、電話面談もありましたが、自分の場合は直接 face to face で面談したエージェントにお願いすることにしました。なかなか顔を見て腹を割って話さないと自分も決断できないと思ったからです。
なぜ(株)エリートネットワーク殿を選定したかと言うと、連絡が早かったことと、紹介企業の対象が大企業だったので、受け入れ易かったのだと思います。自分の仕事観、家族のこと、年収、働く環境を考慮し、譲れない部分にはしっかり線引きしましたから。当然大企業であればどこでも良いのかと言えばそうではなかったですが。初回のカウンセリングを通じて、転職カウンセラーの岩川さんが紹介して下さった会社は、他エージェントで紹介されたものと一部重複した会社もありましたが、相対的に自分のスコープに一致するところが多かったので、(株)エリートネットワーク殿に絞り込みました。他のエージェントでは、自分のあまり興味がない会社でも、「活躍できそうだから」 「一押しだから」 という理由で推薦される場合もありますのでご注意下さい。
会社によって求める書類が異なりますので、応募する会社ごとに書類を作成していきました。大学生の頃の就職活動の時に比べて、自分の能力やスキル・経験と会社側で求めている人材像がより明確なので、特に悩むこともなく書きました。中には今時手書きオンリーの会社もあって、それはそれで大変でしたが、 (笑) 正直年齢や学歴・職歴で書類選考すらも通らない会社もありました。まあ仕方ないです。その辺は割り切るしかないですね。別にまだ失業している訳ではないので、焦る必要は全くありません。書類選考が終われば、ウェブ試験がある企業もあります。中にはTOEICの成績やウェブ試験も行う企業もあります。前者は送るだけなので、良いのですが、後者は久しぶりにSPIの対策をしました。
この点も転職カウンセラーの岩川さんにお奨めの参考書を紹介され、スムーズに進むことができました。次は面接ですが、聞かれることはどこも同じで 「これまで何をしてきたか」 「なぜ転職を考えたのか」 「なぜこの会社を志望するか」 の3点に集約されかと思います。
もちろん勤務地や年収等の人事的な処遇に関する質問もありますが。流れとしては、人事担当者、募集をしている担当部署の管理職 (ここで複数回ある会社もあります)、その他の部署の管理職、役員面接 (最終) という感じじゃないでしょうか。会社と転職者のスコープが合えば、特に問題なく進んでいくと思います。自分の場合は、メーカーから総合商社への転職だったので、商社マンとしての素養のような面も確認されていたような感じもしますが、前職での社風や海外経験も多かったので、特に困るような質問はありませんでした。
面接の中で印象的だったのは、今の部長との面接でした。部長は 「自動車リサイクルの分野でNo.1を目指す」 「我々はリサイクルに夢を持って仕事をしている」 「若いうちから海外の関連会社に経営層として送り込む」 ということを仰っておりました、自分の転職先に求めていたのは、[1] 金属・資源を扱う、[2] マネジメントに関われる、[3] 海外との関わり、[4] プロジェクトに携われる の4点なので、天然資源ではなくリサイクル原料を扱うという点以外では全てマッチングしました。幸い、自分のキャリアの中でスクラップを扱うことがあったので、特に抵抗はありませんでした。
結局今の総合商社に入り、鉄鋼原料 (スクラップ) を扱う部署に配属されたのですが、トレーディングを行う営業部と言うよりは、世界22拠点ある関連会社の収支管理・投融資案件担当という企画、プロジェクト寄りの仕事でした。海外とのやり取りも多く、まさに自分の望んでいた職種に就くことができました。もっとも最終面接では、人事部の方が、常にプロジェクト関連の仕事をする訳ではなく、異動はあり得ると言われましたが、そこはサラリーマンとして仕方がないと心得ました。人的資源のやり繰りやローテーションは企業には必ず必要なものだからです。
総合商社を選んだということで、例え他部署への異動が将来あったとしても、自分の第2外国語であるスペイン語、資源開発・非鉄売買・国際物流のバックグラウンドを活かして新しい分野で戦っていけるフィールドは多いと思ったことも最終的な決断材料になりました。給与・福利厚生で自分の条件をクリアしていたことは、言わずもがなです。現在働き出して1か月半ですが、社風や仕事の仕方など面接時にはまだ把握し切れていなかった部分はあるにしろ、仕事面でのスコープは合致しており、毎日充実して業務を行っております。
自分の希望と企業側のマッチングをこれほどまでに成功させたのは、ひとえに担当して頂いた(株)エリートネットワーク殿の岩川さんのお陰です。自分の場合は仕事への想い、家族の都合、経済条件、その他趣味や出身地の他愛もないことまで色々全てを包み隠さず話しをすることで信頼関係が生まれたのだと思います。自分の場合は家族の都合もあり、企業側の条件と折り合いが付かない部分があったのですが、岩川さんが親身になって対応して下さった結果融通を利かせてもらえました。
また、いつの日か職を探す日が来るのであれば、是非、また岩川さんにエージェントをお願いしたいと心底思っております。
それでは、皆さん後悔しない職探しを楽しんで下さい。