組織・人材開発コンサルティング会社 人材開発コンサルタント
外資系 有名金融機関 セールス・トレーナー責任者
樫山 隆 氏 47歳 / 男性
学歴:産能大学 経営情報学部 情報学科 卒
私は大学卒業後、9年間、自動車関連の会社にて人材教育の担当をしておりました。
その後、外資の金融企業に転職し、そこでも同様に、営業スタッフの品質向上、及びスキルアップのための人材教育を中心に行ってきました。
外資系企業は一般的に長く続く人もさほど多くはありませんが、私は17年間在籍しておりました。理由としては、会社の考えやカルチャーが好きでしたし、何よりも経営陣の考え、方向性に納得が出来て尊敬もできる存在であったため、期待に応えたいという気持ちで仕事をすることが出来たので、良い結果を出すことが出来たからだと思っています。
自分が働き甲斐を感じることが出来ることや、志、企業カルチャーが近ければ、高いパフォーマンスを出すことが出来るため、良い結果も出せると思います。
では、なぜその会社を退職するに至ったかと言うと、尊敬していた経営陣が変更となり、会社の考え方、方向性が大きく変わってしまったことで、納得出来る業務が出来なくなってきたことにあります。
そうなると日々の業務がマンネリ化し、モチベーションが低下し、やり甲斐を感じることが出来なくなったため、やり甲斐のある新たなお仕事として、今までの人材開発、育成の経験を活かしつつ、新たな業務へチャレンジしたいと考え、人事やコンサルタントの業務を中心に転職を検討することにしました。
しかし、転職先を探している段階で、現在の収入を確保できる企業も多くはありませんでしたし、あったとしてもその企業に入れる保証もありませんでしたので、転職をせずにそのまま会社にしがみつき転職を諦めるという選択に戻ることも考えました。
しかし、この先10年を考えた時に、このまま納得いかないまま続けていくことが本当に自分のためになるか葛藤もありました。
日々の生活を振り返った時、寝ている時間を除くと、ほとんどの時間は通勤と仕事に費やしていることを考えると、人生を楽しむためには仕事が有意義であるということが絶対条件であって、“人生を楽しむ”=“仕事が充実している” ということで、自分の人生を充実させる条件であると考えたのです。
やり甲斐があり、同じ志を持っているということは非常に重要なことだと思いますし、充実感が大きく変わります。
そう考えた時に、自分がこだわっていることや、好きなことができるかということが非常に重要で、譲れない部分であると思い、そのような企業を改めて探すことにしました。
いくつかの企業とお会いすることになりましたが、やはり考え方や方針などに共感できる企業ばかりではありませんでした。そうしている中、今までのこだわってきたことや考え方を捨てた方がうまくいくのではないか? と悩むこともありましたが、最終的には妥協することなく、転職に本腰を入れ、活動に邁進することにしました。
私は、25年近く仕事をしてきましたが、過去に一度しか転職する機会がなかったので、正直、転職活動には慣れていなく、どのような準備が必要なのか、何を面接で話せば良いのか? など、正直あまり理解していませんでした。
ただ、いくつかのヘッドハンターの方や企業とお会いしているうちに、いくつか大切なことに気づきました。
まずは、どこの人材紹介会社に登録をするかということは非常に大切なことです。
私は(株)エリートネットワークさんのサイトをweb上で見つけ、登録をし、入社決定するまでに2週間前後と非常に短期間で就職を決めることができました。
同社以外にも大手2社へ1ヶ月ほど前から登録しておりましたが、ほとんど気に入った紹介を頂くことがないままでした。
運や相性、その他タイミングなどがあると思いますが、どこの紹介会社が自分の良いところや強みを見極めてくれ、的確なアドバイスや見合った企業紹介をしてくれるのかということを、転職者自身が人材紹介会社を見極める必要があると思いました。
そのために重要なことは、やはり提出する履歴書及び職務経歴書の内容です。
提出した職務経歴を前提に、どれだけ見合った企業を紹介して頂ける事が出来るか、ということを考えると、それは自分自身の紹介状になる訳です。
提出した書類の内容に対し、判断する企業側の考えや受け取り方は様々ですので、インパクトが必要です。職務経歴書は紹介先企業の各採用担当者に対しても、大きなインパクトを与える必要があります。
また、人材紹介会社での面談時にいかに自分自身のことを理解してもらって、的確な企業を紹介して頂けるかということが重要なことだと思います。自分自身の良いところや具体的な特徴は1時間程度担当者と話したからと言って、十分に理解されるとは限らず、職務経歴書に書かれている内容に対して、ハマる人もいれば、全く興味を持って頂けないこともあります。
よって内容については、出来れば周囲の信用できる人に見て頂き、少しでも多くの第三者の意見を取り入れ修正していくことが必要だと思います。
また、職務経歴書は、企業が求めている人材、業務とどの程度自分の行ってきた業務がつながっているのか、イメージ出来るかが大切だと思いますので、使い回しするのではなく、応募企業、業務内容によって都度修正する必要があると思います。
最後に、今回ご採用頂きました企業との面接を通じて重要だと思ったことは、志望動機や自身の強み、弱みなどに対して応募者は、ほぼ在り来りの回答を準備しているため、さほど違いがないと思いますので、それ以外に、いかに自分自身の差別化を出来る内容を持っているか、また、それがどれだけ求められている人材像と近いか、という点が一致していることが大切だと思います。
私自身が意識した事としては、自分が行ってきた業務と、募集要項から新たな企業で役に立てることがどれだけ直結しているかを整理し、自分自身の志とその会社の志がどの程度一致しているか? ということを明確に自分の言葉で語れるように意識しました。
企業は多様性を実現するため様々なタイプの社員を求めておりますが、ただしその前提として根本的なカルチャーが違う人材を好んで採用することはないと思います。
なぜならば、企業文化がその会社を成長させる基盤となりますし、そのカルチャーが合わないと根本が合わないため、入社したとしても周囲とも上手くいかず、今まで培ってきた企業の基盤が崩れてしまう可能性も高く、結果的に応募者、企業、お互いにとって失敗となってしまうからです。
なので、本当に自分がやりたいことがその企業で出来るのか? 志が一致しているのか? という基本的なことが共感できるか、否か? まずはその点が一致している企業を選ぶべきと考えます。
そのような考え方が合う企業でないと、面接でも熱い気持ちを語ることができませんし、他者との差別化にはならないと思いますので、面接官にも自分の気持ちは伝わりません。自分自身の考え、強い意志を明確にし、熱い気持ちを伝えるには、作り物の文章ではなく、自分の本心からの言葉で、且つ本音の思いがその企業と一致していることほど強いものは無いと思いました。
最後に、今回、転職を決めた企業は、企業カルチャーや考え方の土台が自分自身の考えに非常に近かったことに加え、なぜ私が必要なのかということも併せて理解することが出来ました。
今振り返ると周囲からは、転職に対して反対の声を多く受けましたが、自分が決めて進んできたことに後悔はありませんし、むしろ今は非常にポジティブな気持ちで嬉しく思っています。
過去にはいくつかの企業から積極的にお誘いを受けたこともありますが、自分を必要と思って頂ける企業に巡り合うことは年齢と共に減少していくと思いますし、なかなか相手からお声が掛かることは徐々になくなってきます。
守りの姿勢ではなく、自ら積極的に前に進んでいかないと、タイミングを逃すことになりますし、本当に働き甲斐を感じる新たな出会いを見逃してしまうものだということも分かりました。
転職先の企業に対しては、即戦力として期待されていると思いますので、期待に応え、企業の発展につながるよう気持ちを引き締めて行きたいと思います。