一部上場大手広告代理店系 デジタルエージェンシー プロジェクトマネジメント職
映像・WEB制作会社 取締役 兼 事業部長 (プロデューサー職)
石川 泰治 氏 31歳 / 男性
学歴:米国短期大学 映画製作専攻 卒
英語力ビジネスレベル
広告賞受賞 (複数回)
20代で小規模ながら会社役員となり、3年を迎えようとしていた時期に今後の自分自身について見つめ直すキッカケがありました。会社の業績も人員も成長している中、様々な制作案件を経験し、個人的な伸び悩みを感じていた矢先、31歳という年齢もあり独立するか転職するか迷っていました。
独立するなら制作会社、今の延長線上にあることをする。転職するのであれば、今迄に得ていない可能性に挑戦することが出来るかもしれない、そう思い転職することに決めたのです。単純に目先の売上や所得だけを考えるのであれば独立する方が自分個人の生活のためには近道だったかもしれません。ただより多くの人材・より多くの業務と接点を持てる環境において、30代前半という大事な時期を送ることは、私にとって非常に重要な要素でもありました。
これまで私自身就職活動・転職活動といったものを、じっくり腰を据えて行ったことがなく、知り合いからの紹介やアドバイスによって就職してきました。前職への入社当初は、アメリカから日本に帰ってきて間もないこともあり、日本での一般的な社会人の接遇やアプローチ方法に様々な刺激を受けつつも、非常に戸惑いの日々であったことを覚えています。創立間もないベンチャー企業で、制作会社としての軸はあるものの売上が作れそうな商材であれば何でもトライするような環境でした。映像にはじまり、Web制作・グラフィック制作・イベント制作など多岐に亘るベクトルの制作ディレクターとして、媒体を問わず制作経験を積んでいく中で、自然と専門知識や技術が備わっていきました。
徐々に大きな規模の業務委託を得るようになり、業績も上がってくると社内インフラの整備が必須になっていきました。一般的に 「制作会社」 とカテゴライズされる事業分野は、各人材のスペックや受注状況によって労働時間が大きく左右されるものです。私の前職も同様な環境であったため、就業規則や給与制度、セキュリティ関連においても整備する必要がありました。他社の制度や仕組みを参考にしながら、外部の弁護士・社労士と調整し、徐々に整備していく中で、より優秀な人材を獲得できるようになっていきました。
ベンチャー企業における最大のメリットは、若いうちから多岐にわたる業務に携われること。私自身も自然と会社全体を見渡すようになり、人員配置のバランスや制度の時代適合なども見るようになり、入社5年目で事業担当役員まで昇格することになったのです。
役員経験を3年経て、入社8年目を終えようとしていた時期に、今後の将来のことも考えるようになりました。日本だけではなく、海外でのイベントや制作事業も行うようになり、制作に関することは広く携わってきた自負はあったものの、より全体を見ながら上流に携わることが出来なければ、今後40代・50代と体力が衰えていく中で、難しい局面が出てくるだろうと考えました。私にとって独立して自分の形を作っていく選択肢も難しいものではありませんでしたが、昨今様々な形で顧客の統計データや志向性がデジタルに測られる中で、クリエイティブだけではなく、確かな裏付けデータと共にプロジェクト自体をビルドアップさせていく必要性を感じていたのです。
転職活動をするにあたり、自己分析した上でポイントとなる事柄が、良くも悪くも何点かあると考えました。まずは日本に於ては、私の得意分野では、実年齢の割に給与・待遇が高いこと。次に役員を経験していること。そして、これまで 「制作」 分野しか関わってきていないこと。実際の実務内容を精査すれば、実制作だけではなく幅広くディレクション業務も経験してはいますが、それを履歴書や職務経歴書にまとめた書類内容から紐解き私の強みを理解して頂くことは、数多くの候補者がいる中で容易ではないと感じました。
前職で自社の採用にも携わっていたため、媒体掲載物へのエントリーよりもエージェントの方とより深く進めることで、書類内容+α を伝えて頂く方がベターであるという結論は比較的簡単にはじき出されました。転職活動開始当初は、失礼ながら何人かの紹介会社・エージェントの方々とお会いし、同じような説明を毎度行いながら、本当に自分を活かしてくれる方なのか観察していた覚えがあります。要望をヒアリングして頂いた上で、完全な受け身になる方と経験に基づいた公平なアドバイスや質問を投げ掛けて頂ける方と、面白いことに二極端であったと思います。
(株)エリートネットワークの転職カウンセラー・安藤さんと面談をした際、彼は完全に後者でした。実務経験の幅は広かったものの、転職経験はほとんどない私にテンポ良く回答を頂けました。ある種ベクトルを固めていくというプロセスだったのかもしれませんが、シンプルに私が好印象だった点は、スピーディーであることでした。また、私に対しても、対企業に対しても関係性構築も含めて交渉が得意であること、が次点として挙げられると思います。
安藤さんからご紹介頂いた求人案件も含めて、複数社から内定を頂くことができました。内定後のオファー面談のセッティングも含めて、非常にスムーズに調整して頂き、最終的な決断は非常に悩みましたが、電話での意見交換なども交えて良い結論を導き出せたと考えています。
新しい環境では、ある意味 「修行」 という言葉が正しいかは分かりませんが、これまで得てきたクリエイティブな知見を活かし、マーケティングに長けた人材やプロジェクト統括に長けた人材たちと寄り添い、切磋琢磨することで、より充実した 「モノづくり」 に関われるのではないかと考えています。
この転職が成功であったかは、私自身のこれからの頑張り次第であると考えています。転職活動を行っている最中で、これまでに経験したことのない自分自身への確信に対するブレを感じることがありました。様々なアドバイスを頂き少しずつ修正しながら、このような満足出来る結果にまで至れたことは、ただただ感謝するばかりです。
非常に移り変わりが激しい現代社会に於ても、人生の大半を占める 「仕事をする」 という時間は 「転職」 を通して様々な新しい可能性を得られる機会なのだと思います。ただ、その可能性を得る転職活動すら日々競争が激化しているものと考えられます。今回このような良い巡り合わせを得られたことが、私自身非常にラッキーであったと考えていますし、多くの方が転職を通してより良い職業人生を進まれることを切に願います。