28歳、M&A担当、独立系会計事務所からBIG4系会計事務所への転職

28歳、M&A担当、独立系会計事務所からBIG4系会計事務所への転職

No.827
  • 現職

    BIG4系会計事務所 M&A担当

  • 前職

    独立系会計事務所 M&A担当

柳 爽一朗 氏 28歳 / 男性

学歴:私立大学 経済学部 卒
私立大学大学院 経済系研究科 修了
税理士試験 財務諸表論 合格

●はじめに

今回の転職活動は結果的に大成功 ◎ となりました。しかし、たまたまうまくいっただけです。実際は、最初から最後まで苦戦を強いられました。そこで、私の 『転職体験記』 では、不利な状況をどのように受け止め、これに対してどのように考え行動したかというプロセスを記載しました。私と同様に、決して有利とは言えない状況にいる転職希望者で、なんとかライバル達よりも運を味方にして戦う必要のある方の参考となれば幸いです。

●動機

前職では、まる二年間M&Aに関連した業務に従事していました。小さい会計事務所だったので、M&Aの最初から最後までを担当しました。具体的にはFA業務、VAL業務、財務DD業務等を担当しました。たしかにM&Aの全体を理解することはできましたが、業務範囲はまさに 「浅く広く」 という感じでした。上場会社同士の合併、上場会社の買収・売却、TOB、MBO等の典型的なM&Aだけではなく事業承継型のM&Aにも注力するという方針でしたので、今後の業務範囲は 「“とんでもなく” 浅く広く」 なってしまう状況でした。

私は専門家に対して 「狭く深く」 というイメージを持っていたので、M&Aに関連した業務の中で自分の専門を決めたいと考えていました。そこで、M&Aに関連した業務別に部署が分かれている会計事務所を探すことにしました。ちなみに、この動機は前向きな動機として評価されたような気がします。実際、前職に対して感謝していることに加えて、上記の内容を面接で何回も話しましたが、毎回なるほど! とか、たしかに! といった反応でした。

●面談【1】

まず前職の小さい会計事務所を退職しました。日々体力の限界に挑戦し、月末にはその限界を突破するという感じで働いていたので、前職に在籍しながらの転職活動は事実上、困難でした。たしかに無職の期間が長くなる危険性はありましたが、M&Aに関連した業務の実務経験に対する需要はそれなりにあるだろうと判断し、予定通り退職しました。ちなみに、この点についても文字通りありのままの姿を話しましたが、これに対しても毎回なるほど! とか、たしかに! といった反応だったので、大きな問題はありませんでした。

二週間程度休養し、人間的な生活に慣れてきた段階で転職活動を始めました。とりあえず情報を収集しようと思い、転職サイトに登録しました。転職サイトにはスカウト機能があり、転職エージェントからスカウトメールがたくさん送られてきました。その中でランキング上位の転職エージェントに返信しました。一週間以内に五社程度の転職エージェントと面談しましたが、もともと転職サイトや転職エージェントのHPを定期的に確認していたこともあり、知っている転職エージェントばかりでした。正直なところ、転職エージェントは各社各様で様々な特徴があり、どれも甲乙つけがたいと感じていました。

ところが、(株)エリートネットワークの今沢さんだけは違いました。(株)エリートネットワークの転職カウンセラーの今沢さんは正真正銘のプロフェッショナルという印象で、圧倒的な実力と豊かな人間性を感じました。そこで、二時間以上に及ぶ熱い初回面談が終了した後すぐ、今回の転職活動については(株)エリートネットワークの今沢さんにすべて任せることにしました。今振り返ると、これが今回の転職活動における最大の勝因でした。

実は、初回面談で厳しいことを言われました。具体的には、M&Aに関連した業務の実務経験をアピールするほどには実績がないこと、通常は前職に在籍しながら転職活動をするはずなのに既に退職していること、第二新卒として応募するには年齢が若干高いこと等、客観的に考えれば弱みとなり得ることをはっきり指摘されました。しかも、当初から考えていた四つの会計事務所については書類選考の段階で厳しいだろうと言われました。私にとっては本当に衝撃的な意見でした。

●書類

上記の衝撃的な意見を踏まえ、印象の良い書類を作成する必要がありました。そこで、転職サイトの情報を参考にしました。たとえば、履歴書や職務経歴書の書き方、志望動機や自己PRの考え方、面接官の気持ち、転職活動のスケジュール等の基本的なものから勤務地別職種別の求人情報まで、様々な情報を参考にしました。これらの情報は、一般的な転職エージェントがどういう指導をするのか、それを前提に一般的なライバル達がどういう書類を作成するのか等を知るためにとても役立ちました。書類や面接に少しでも不安がある方には、しっかり時間をかけて転職サイトを研究することをお勧めします。私の場合、転職サイトの画面や操作方法に慣れていたので、それだけで安心感につながりました。

実際に作成する書類については、前職で採用していた体裁を採用しました。業界的に書類の体裁については他業界を圧倒しているので、今回の転職活動ではこれに助けられました。もちろん、外資系投資銀行や外資系コンサルティングファーム出身の方が書いたパソコン関係の本も参考になりました。正直なところ、書類選考の段階では、見た目勝負だと思います。たしかに実際の面接を見据えれば中身も重要ですが、書類選考の合格という部分最適だけを考えれば見た目が最も重要であると感じました。それは、見た目が良い書類は中身も良い書類だろうという意識が選考する側に働くのではないか と考えざるを得ないからです。

●面接

とりあえず当初から考えていた四つの会計事務所に応募しました。幸いなことに、すべての書類選考に合格し、一次面接に進むことになりました。

A社では、攻め過ぎてうまく話せませんでした。少し大きめに話したところについては確実に深堀されたこと、入社初日から英語で業務をこなすようなネイティブレベルの英語力を求められたこと、そしてM&Aに関連した業務の実務経験をアピールするほど実績がないことや通常は前職に在籍しながら転職活動をするはずなのに既に退職していることについて予想通り質問されたことが印象的でした。そこで、ありのままの姿を話すこと、英語も弱みに加えること、もう一度強みと弱みを整理したうえでどのように弱みを話せば効率的に守ることができて不合格にならないのか、どのように強みを話せば効果的に攻めることができて合格できるのかまで考えることにしました。

B社では、守り過ぎてうまく話せませんでした。この時は自分が話すことばかりに気を取られて、会話のキャッチボールが出来ませんでした。面接官には明確に聞きたいポイントがあり、そのポイントが弱みであれば守り、強みであれば攻めることが必要だと感じました。そこで、十分に準備をすることは継続するものの、無理に暗記はせず、知識の量を増やすイメージで準備することにしました。

C社とD社では、A社やB社と比較して、うまく話せました。実際、面接自体もかなり和やかな雰囲気で、意識的に弱みで守り、強みで攻めることが出来ました。最終的に、典型的な質問については何回も話したので、自分がどう話すと面接官がどんな反応をするのか分かるようになっていました。

ちなみに、これから転職活動を始める方には業種や職種が同じ複数の求人に応募することをお勧めします。上記の通り、ある面接に対する反省をその次の面接に応用するという良い循環を生み出すことが出来ましたが、これは想像以上に効率的且つ効果的でした。しかも、ゲーム感覚で面接を受けることになるので、とても楽しく感じたことを今でも覚えています。

●面談【2】

上記四つの会計事務所に応募している最中でしたが、万が一の場合に備えて二回目のカウンセリングを実施してもらいました。残念ながら四つのうち二つについては不合格が判明していたので、いよいよ五月雨式に様々な企業へ応募せざるを得ない状況が現実味を帯びてきた頃でした。
二回目のカウンセリングでは、第二新卒として総合系コンサルティングファームに応募する予定になりました。しかし、当初から考えていた四つの会計事務所とは異なり、前職とは業種も職種も違うため、自分の中でうまく整理できていませんでした。(株)エリートネットワークの今沢さんにはこの点について最大限に配慮して頂き、時間をかけて腹落ちするのを待って頂きました。正直なところ、予定通り第二新卒として総合系コンサルティングファームに応募しても厳しい結果となったはずで、想像以上に追い込まれた状況でした。

●内定

ある会計事務所は、最終面接から内定まで一週間以上かかりました。上記のような追い込まれた状況だったので、(株)エリートネットワークの今沢さんに一日一回電話して状況を確認しました。(株)エリートネットワークの今沢さんにはこの点についても最大限に配慮して頂き、まさに豊かな人間性で温かく受け止めて下さいました。
後日聞きましたが、(株)エリートネットワークの今沢さんは当該会計事務所に一日二回電話して状況を確認しておられたそうです。本当にお手数をお掛けしました・・・・・。

●おわりに

繰り返します。今回の転職活動は結果的に大成功 ◎ となりました。しかし、たまたまうまくいっただけです。私と同様に、決して有利とは言えない状況にいる転職希望者で、なんとかライバル達よりも運を味方にして戦う必要のある方の参考となれば幸いです。

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